精神疾患を抱えている精神障害者について、更生施設を利用する人がいます。生活保護受給者が利用する施設が保護施設であり、保護施設の一つが更生施設です。

将来の独り立ちが前提となる施設が更生施設です。そのため軽度の精神障害者について、更生施設へ入所した後、数年が経過したら独り立ちに向けて退所することになります。ただ精神症状が悪化して長期入院する場合、強制退所の対象になります。

それでは精神障害者が更生施設を利用するとき、何を考えればいいのでしょうか。うつ病や統合失調症など、精神疾患を抱える人の更生施設の利用法について解説していきます。

精神障害者は更生施設の利用者が大多数

生活保護受給者であり、精神疾患を抱えているなどの障害者であれば、更生施設の利用対象者になります。独り立ちに向けての退所が前提なので症状の軽い精神障害者が利用対象になりますが、更生施設を利用することで日々の生活を送れるようになります。

多くの生活保護受給者が社会復帰に向けて集団生活する場所が更生施設です。このとき精神疾患は種類が多く、例えば以下が該当します。

  • うつ病・双極性障害
  • 統合失調症
  • パニック障害
  • 発達障害
  • てんかん
  • アルコール依存症・薬物依存症

他にもありますが、これらの精神疾患を有する人であれば更生施設を利用可能です。

更生施設を利用する精神疾患の内訳

それでは実際のところ、更生施設を利用する精神障害者のうち、どのような精神疾患を有する人が利用するのでしょうか。厚生労働省の資料では、以下のようになっています。

精神疾患の種類割合
うつ病・双極性障害19.4%
統合失調症53.3%
非定型精神病1.1%
てんかん4.4%
器質性精神障害(脳損傷など)1.1%
アルコール依存症9.4%
その他19.4%

※厚生労働省:保護施設の支援機能の実態把握と課題分析に関する調査研究事業

このように、うつ病・双極性障害や統合失調症で更生施設を利用している人が非常に多いです。また、その他の精神疾患によって更生施設を利用している人もいます。

症状が軽い人が利用し、1~2年ほどで退所

前述の通り、独り立ちが前提となるため、更生施設の利用者は軽度の障害者に限定されます。厚生労働省の資料では、更生施設を利用している精神障害者について、障害者手帳の等級は以下のようになっています。

精神障害者手帳の重症度割合
1級1.7%
2級65.6%
3級31.1%
無回答1.7%

※厚生労働省:保護施設の支援機能の実態把握と課題分析に関する調査研究事業

精神障害者保健福祉手帳について、1級(重度)の障害者は更生施設をほとんど利用していません。一方で2級または3級の人が更生施設を利用しているとわかります。

2級には軽度から重度までさまざまな精神障害者がいるものの、その中でも比較的症状が軽く、一人で行えることの多い人が更生施設を利用すると考えましょう。

なお更生施設の平均入所期間は1年4か月です。1~2年で大多数の利用者が退所するため、将来の独り立ちを目指して更生施設で訓練するといいです。

精神科デイケアへの通院は可能

なおうつ病や双極性障害、統合失調症、パニック障害、発達障害などの精神障害者について、精神科デイケアに通いたいという人は多いです。精神疾患に対するリハビリテーションが精神科デイケアであり、精神症状を和らげることを目指します。

更生施設を含め、保護施設は規模が大きくなりがちです。そのため通常、施設の外へ出なくても日中活動を行えます。更生施設の場合、施設内で日中活動をしている人の割合は62.2%です。

一方で更生施設の場合、症状の軽い人が利用するため、自らの力で施設外へ行ける人はたくさんいます。そのため、うつ病や統合失調症を有する人が精神科デイケアへ通っても問題ありません。

なお厚生労働省の資料では、更生施設から精神科デイケアへ通っている人の割合は13.9%です。精神障害者が更生施設を多く利用しており、さらには利用者の症状が軽度または中等度であるため、必要であれば精神科デイケアを活用しましょう。

精神科病院から更生施設への入居は多い

このとき、障害者が更生施設へ入居する理由はさまざまです。例えば、更生施設の利用前に病院へ入院していた人もいます。

更生施設の利用者について、入所前の状況が「精神科病院に入院していた」という人は全体の17%に当たります。

更生施設の入所前の状況としては、無料低額宿泊所を利用していた人が最も多い割合となっています。ただ精神科病院から更生施設へ入所する人も多いです。また無料低額宿泊所の利用者で精神障害者の割合は多く、結果として更生施設は精神疾患を抱えている人が多く活用しています。

利用中に入院は可能だが、長期入院で強制退所

なお一人で暮らせるようにトレーニングすることから、更生施設を退所後は賃貸マンション・アパートにて暮らしたり、障害者グループホームで生活したりする人が大多数になります。

ただ中には、更生施設の利用中に再び入院してしまう人もいます。精神障害者について、先ほど「精神科病院から更生施設へ引越す人がある程度の割合でいる」ことを紹介しました。これは、更生施設から精神科病院へ戻ってしまう人も一定数いることを意味しています。

更生施設でのトレーニングで精神症状が回復すればいいですが、中には思うように症状が改善しない人もいます。場合によっては、症状が悪化してしまう人もいます。

そうして精神科病院へ入院する場合、3か月以上の入院になると更生施設を強制退所となります。更生施設を退所する人のうち、「退所後の状況が精神科病院への入院」となる人は全体の4.7%です。割合は多くないものの、長期入院によって退所になるケースもあるのです。

うつ病や統合失調症で更生施設を利用する

精神疾患を抱えている人は多く、うつ病・双極性障害や統合失調症、てんかん、発達障害など人によって病気の種類はさまざまです。そうした精神障害者の中でも、生活保護受給者は更生施設へ入居できます。

将来は自立し、退所が前提となっている施設が更生施設です。そのため、入所によってトレーニングをした後、1~2年で通常は退所となります。ずっと入居し続ける施設ではないため、精神障害者の中でも比較的軽度の精神障害者が更生施設を利用します。

なお更生施設を利用する場合、施設内で日中活動をしてもいいですし、精神科デイケアへ通ってもいいです。精神障害者によって必要なプログラムは異なるため、独り立ちに向けて自分に合った内容にて社会復帰を目指しましょう。

生活保護の精神障害者について、更生施設は一つの選択肢になります。そこで、更生施設の特徴を理解したうえで精神障害者は施設を活用しましょう。

【全国対応】完全無料にて優良な障害者グループホームを紹介!

家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。

障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。

ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。

そこで、当サイトでは完全無料で障害者グループホームを紹介するサービスを日本全国にて実施しています。「いますぐ入居したい」「いまの障害者グループホームから他の施設へ移りたい」「強制退去となり、新たな施設を探している」など、軽度から重度の障害者を含めてあらゆる方に対応しています。

障害者グループホームの応募ページへ→

YouTubeでの障害者情報

Instagramでの障害者情報

TikTokでの障害者情報

Facebookでの障害者情報

【全国】障害者グループホーム・障害者支援施設の募集