障害者グループホーム(共同生活援助)を新規開設する場合、営業方法を学ばなければいけません。実際のところ、多くの障害者グループホームでは営業先を理解しておらず、結果として利用者獲得がまったく進みません。

ただ、方法を理解すれば短期間で満床にさせ、次々と棟数を増やしていくのは可能です。多くの共同生活援助は営業方法を把握していないため、少し営業するだけで成果が出る分野が障害者福祉でもあります。

それでは、障害者グループホーム経営をするに当たってどのように営業していけばいいのでしょうか。正しい営業法により、短期間で満床にさせるための対策を解説していきます。

待っているだけで利用者は来ない

ビジネスで最も難しいのは集客です。集客さえできれば多くの利益を生み出すことができるものの、多くの人は集客ができないために経営で苦しみます。

実際のところ、障害者グループホームの開設申請をして、待っているだけで利用者(障害者)が集まることはありません。自ら営業することで、積極的に利用者を獲得できる環境を構築する必要があります。

障害者福祉はマーケティングが遅れている分野であり、他の障害者グループホーム(共同生活援助)で営業活動をしているケースは少ないかもしれません。だからこそ、少しの努力で簡単に結果が出ます。このとき、営業先は以下の3つです。

  • 相談支援事業所
  • 基幹相談支援センター
  • 病院の医療ソーシャルワーカー

営業先で訪れる場所としては、この3つで十分です。それ以外の営業先に出向く必要はありません。そこで、それぞれの営業先について確認しましょう。

相談支援事業所へあいさつを行う

障害者グループホームを利用するとき、多くのケースで相談支援員が付きます。障害者が申請書類を記載するのは難しいため、そのための手助けを相談支援員が行います。

障害者が市区町村の役所で「共同生活援助を利用したい」という申請をすると、相談支援員が付き、相談支援員から「○○という障害者グループホームがあるのですが、見学はどうですか?」という案内が行われます。

そのため、障害者グループホームで相談支援事業所へのあいさつは必須です。もちろん、同じ都市の相談支援事業所だけでなく、他の都市に存在する相談支援事業所についてもあいさつをしなければいけません。

相談支援員にあなたの障害者グループホームの存在を把握してもらえれば、実際に障害者が共同生活援助を探しているとき、「あなたの障害者グループホームを紹介してみてはどうか?」と考えてくれます。ただ、相談支援事業所へ何度もあいさつをしないと、紹介すらしてもらえません。

基幹相談支援センターへ営業を行う

同じく、多くの障害者を抱えており、障害者グループホームへの利用者獲得を期待できる公的施設に基幹相談支援センターがあります。

基幹相談支援センターというのは、相談支援事業所の上位版と考えればいいです。基準が非常に厳しく、簡単には開設できないものの、その分だけさまざまな障害者からの問い合わせを受けます。

相談支援事業所の場合、一人の障害者に対して個別対応をします。一方で基幹相談支援センターでは、利用者(障害者)の個別対応を行うものの、相談支援事業所への指導や助言、サポート、連携強化までを行います。

なお相談支援事業所と同様に、他の市区町村に存在する基幹相談支援センターにも営業をしましょう。ほかの都市から利用者を獲得するのは普通なので、複数の基幹相談支援センターへ何度もあいさつを行う必要があります。

病院の医療ソーシャルワーカーと会う

また、利用者(障害者)をたくさん抱えている組織として医療機関があります。障害者グループホームの利用者は大半が精神障害者や知的障害者です。このうち、精神障害者は医療保護入院を含め、医療機関にて入院しているケースがよくあります。

病院へ入院している精神障害者について、どこかの時点で必ず退院しなければいけません。ただ受け入れ先がないなどの問題により、なかなか退院できないケースがあります。

そうしたとき、大きな病院には医療ソーシャルワーカー(MSW)と呼ばれる人が働いています。医療ソーシャルワーカーというのは、病院所属の相談員と考えましょう。医療ソーシャルワーカーから紹介を受け、障害者グループホーム(共同生活援助)へ入居することもよくあります。

医療ソーシャルワーカーが患者の退院支援や経済面の相談などを行います。ただ、退院先がなければ患者は退院できません。そこで、退院先として障害者グループホームへ相談が来るというわけです。

ただ医療ソーシャルワーカーがあなたの障害者グループホームを認識していないと、利用者の紹介は来ません。そこで、病院所属の医療ソーシャルワーカーへアポイントを取り、あいさつをしに行くのです。

パンフレットを作成し、施設を説明できるようにする

それでは、アポイントを取ってあいさつをすればいいのかというと、そういうわけではありません。相手に対して「自分の障害者グループホームにどのような特徴があるのか」をわかりやすく説明できる必要があります。

そのため、事前にパンフレットを作成しておくのは必須です。パンフレットとして施設の概要をまとめ、PDFでもいいので渡せるようにしておきましょう。例えば以下のようになります。

もちろん、他にも施設内の写真や利用料金(家賃、食費、水道光熱費、日用品費)、間取りなどをパンフレット内に記載する必要があります。パンフレットは利用者も見る資料であるため、施設内の詳細を記載するほど選んでもらいやすくなります。

このとき、可能な限り施設の特徴や利用対象者を明確にしましょう。まず、他の障害者グループホームとは異なる大きな特徴は何でしょうか。例えば、以下があります。

  • バリアフリー対応
  • ワンルーム
  • 規則が緩い(門限がないなど)
  • 強度行動障害でも受け入れ可
  • 日中支援型グループホーム
  • 最重度の難病でも受け入れ可能

例えばワンルームであれば、たとえ食事の提供がなくても、軽度の障害者であればワンルームを好むので積極的に利用してくれます。ワンルームは非常に数が少ないため、ワンルームの障害者グループホームという時点で利用者に好まれやすいです。

実際のところ、対応の難しい利用者を受け入れてくれる障害者グループホームは重宝されやすいです。例えばワンルームであれば、「絶対にワンルームでないと嫌」という利用者を受け入れ可能です。また強度行動障害を有する人は受け入れ先が少ないため、受け入れ可能な場合は遠方からでも紹介があります。

一方で「食事を手作り」「通院同行可能」などは他の大多数の障害者グループホームも実施しているため、特徴ではありません。特徴というのは、他の障害者グループホームの多くで実施していない内容になります。

公式サイトやSNSで情報発信を行う

また営業方法というのは、相談支援事業所や病院へ出向くだけではありません。あなたの障害者グループホームを利用したい人へ直接、施設をアピールできるようにしましょう。

そうしたとき、公式サイトは必須です。簡単なホームページでもいいので、利用者が見れる公式サイトを作成しなければいけません。当然、公式サイトには施設内の様子や必要な費用、その他の特徴を記す必要があります。

また相談支援員や医療ソーシャルワーカーから利用者に話が行ったとき、利用者(障害者)は高確率であなたの施設について検索し、調べます。そうしたとき公式サイトがなければ情報が出てこず、結果として利用者の獲得を逃してしまうリスクが高くなります。

また公式サイトは必須として、余力があればSNSでの情報発信をしましょう。例えば以下は当サイトのSNSですが、こうした情報発信をするのです。

実際のところ、公式サイトがあるだけでは集客力が弱いです。ただSNSでしっかりと情報発信していれば、利用者から問い合わせを受ける可能性が高まります。

紹介サイトを活用し、すぐに満床へ導く

また利用者の獲得という意味では、紹介サイトを活用するのも非常に重要です。障害者グループホームはある意味、不動産経営と内容が似ています。不動産(共同生活援助)に対して、利用者(障害者)を住まわせることでお金を得るからです。

このとき、老人ホームでは利用者の紹介業が盛んであり、ひんぱんに紹介が行われています。これと同じように、障害者専門の紹介サイトを活用するのです。

紹介サイトの場合、基本的に成果報酬となります。成果報酬なのでリスクはゼロであり、積極的に利用するほうがすぐに満床にできます。

もし紹介サイトを利用しなければ、相談支援事業所や病院からの紹介を待つだけとなり、結果的に利用者の獲得スピードは非常に遅くなります。それなら、たとえ紹介料を払ってでもいいので紹介サイトを利用し、成果報酬にて利用者を受け入れる方が圧倒的に経営者として賢明です。

紹介サイトの場合、勝手に利用者を集めてくれるため、必要な営業行為は登録だけです。相談支援事業所や病院へ何度もアポイントを取り、出向く必要はないので非常に効率的です。

営業先や営業方法を学び、利用者獲得を促す

あらゆる業界の中でも、障害者福祉はマーケティングが最も遅れている業界の一つです。障害者グループホームを開設した後、待っているだけの事業所は多いです。その結果、利用者をなかなか獲得できません。

そこで、正しい営業方法を学びましょう。具体的な営業先は3つであり、相談支援事業所・基幹相談支援センター・病院です。事前にアポイントを取り、パンフレットを持参してあいさつをしましょう。

また同時に、公式サイトを作成するのは必須です。相談支援員から施設を紹介されると、利用者は必ず検索してあなたの施設を調べるからです。同時に、紹介サイトを利用することで成果報酬にて利用者を紹介してもらいましょう。

障害者グループホームを開設して何もしないと、利用者獲得は進みません。そこで正しい営業先や集客法を学び、利用者を得ることで早めに満床へとつなげましょう。

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