障害者グループホーム(共同生活援助)を運営するとき、多くのケースで土日祝日に利用者(障害者)は施設内で過ごすことになります。平日は日中活動をしているものの、土日は日中活動が休みになるからです。
そうしたとき、障害者が施設内で過ごしているのであれば、たとえ土日であっても利用者の支援を行いましょう。
それでは、どのように考えれば障害者グループホームは土日の支援を行えばいいのでしょうか。共同生活援助での土日の支援について解説していきます。
もくじ
土日でも人員配置が必要
多くの場合、障害者は平日の昼間に日中活動をします。就労や生活介護など、人によって日中活動の内容は異なります。また、必ずしも毎日の日中活動になるとは限りません。ただ、いずれにしても平日の昼間は施設内にいないケースが多いです。
ただ土日祝日や年末年始など、こうしたときは日中活動がありません。また多くの場合、障害者は土日であっても施設内にて過ごします。
そうしたとき、土日に施設内にて利用者が過ごすのであれば、土日祝日であっても介護スタッフを配置することで支援をしなければいけません。また利用者に対して支援を行う場合、土日であっても基本報酬を算定できます。
障害者を週末に変えられる施設は少ない
なお場合によっては、「週末は必ず利用者を実家に帰らせる」という障害者グループホームがあるかもしれません。ただ、こうした施設は非常に珍しく、利用者を集めるのも苦労します。実際のところ、障害者グループホームを利用する人は以下のケースが大半だからです。
- 親族と連絡を取れない
- 家族が常に障害者の面倒を見れない
- 暴力などにより、家族と距離を置くのが適切
また毎週、利用者を実家に帰宅させるとなると、送り迎えも大変です。中には特別な理由があり、特定の利用者について「月に数回、実家に帰る」というケースがあるかもしれません。ただ通常、共同生活援助では土日を含めて利用者が滞在するのが基本です。
人員配置なしでの請求は指導の対象
なお施設内で利用者が過ごすとき、介護スタッフの人員配置がないにも関わらず基本報酬を請求すると指導の対象になります。
職員が終日いないというのは、利用者に対して支援をしていないのと意味が同じです。それにも関わらず報酬算定するのは不正受給と同じです。障害者グループホームの報酬は日割り計算であるため、サービス提供されていない場合は報酬算定できません。
障害者グループホームでの人員配置というのは、常勤換算による人員配置を満たせば十分というわけではありません。この基準を満たすのは当然として、土日に報酬算定するのであれば、休日であっても職員を配置する必要があります。
例えば、以下は長野県からの通達です。
実地指導で「土日や年末年始に職員がいないにも関わらず、報酬算定をしている共同生活援助がある」という内容です。これについて、たとえ常勤換算での人員配置を満たしていたとしても、土日に利用者がいる場合、必ず介護スタッフを配置して支援しなければいけないと通達が出されています。
基本は夕方から朝までの支援
なお障害者グループホームであるため、土日についても基本的には夜間の支援になります。つまり、夕方から朝まで職員を配置していれば問題なく基本報酬を算定できます。
たとえ土日であっても、障害者グループホーム(共同生活援助)の運営で特別な内容はありません。たとえ土日祝日や年末年始であっても、利用者は施設内で滞在するため、平日と同じように夕方から朝までの支援をしましょう。
実際のところ土日祝日について、利用者は障害者グループホームの中で過ごすことになります。ただ平日について、体調不良などによって「介護スタッフが不在の中で利用者が施設内で過ごすケースがある」のと同じように、土日ほ昼間についてもスタッフなしの中で過ごすのです。
もちろん、職員がいないとなると「利用者が昼間に脱走した」「店で盗みをしてしまった」などのとき、スタッフがいないので急な対応はできません。ただ、基本的には平日と同じ対応になります。
なお昼食については、一般的には「自分で用意する」「外食してもらう」などになります。もし障害の程度が重度であり、自分で何とかできない利用者の場合、弁当を用意しておくなど対策をするといいです。
土日だと日中支援加算を算定できない
そうしたとき、土日祝日については利用者が昼間もいるため、昼間についても介護スタッフを配置できないかと考えます。
障害者グループホーム(共同生活援助)では、日中支援加算を算定できます。ただ、日中支援加算は平日に利用者が仕方なく障害者グループホーム内に滞在する場合、日中に職員を配置することで算定できる加算です。
ただ土日に介護スタッフを配置したとしても、日中支援加算は算定できません。障害が理由による職員配置ではないからです。
利用者によっては盗難癖があるため、日中にもスタッフを配置する方がいいケースはあります。ただ土日祝日では、たとえ職員がいても加算を算定できず、スタッフへの給料支払いの分だけ赤字になります。障害者グループホームは利益率が大きくないため、日中支援型でないのであれば、休日の職員配置は慎重に考えましょう。
土日祝日(休日)で人員配置を行う
障害者グループホーム(共同生活援助)ですべての利用者が必ず土日祝日に実家に帰るケースは少ないです。一部の利用者は実家に変えるかもしれませんが、多くの場合、大多数の利用者は土日祝日を含めて施設内にて過ごします。
そうしたとき、休日の昼間にスタッフが配置されていないのは何も問題ありません。利用者はいるものの、平日と同様に夕方から朝までの支援で十分です。ただ、終日にわたって職員がいないにも関わらず、報酬算定してはいけません。
なお休日の昼間にスタッフを配置することは可能です。ただ日中支援加算を算定できないため、この場合はスタッフに給料を支払う分だけ赤字になることを理解しましょう。
休日のスタッフ配置について、適切に行う必要があります。施設内にて利用者が過ごす場合、少なくとも夕方から朝までは支援できる体制を整えましょう。