重度の知的障害者・精神障害者の場合、自らの力で通院するのは困難です。また家族が同行するにしても、強度行動障害などがあるとパニック状態に陥って暴れるかもしれません。

そこで、重度の知的障害者・精神障害者については行動援護を利用できます。特に、自閉症の人がメインで利用する外出支援サービスが行動援護になります。

このとき症状が重度であると、院内介助が必要になる障害者が多いです。これについて、重度の知的障害者・精神障害者では行動援護によって院内介助が可能となるケースもよくあります。重度障害者の場合、病院スタッフだけでは対応できないからです。

それでは、知的障害者・精神障害者が行動援護を利用することで病院受診をするときは何を考えればいいのでしょうか。行動援護での通院同行や院内介助について解説していきます。

重度の知的障害者・精神障害者は通院同行が重要

障害者であっても症状が軽度なのであれば、知的障害者や精神障害者を含めて自らの力で病院を受診できます。外出支援サービスを利用してもいいですが、特に必要ない人は多いです。

一方で重度の知的障害者や精神障害者となると、自らの力で病院へ出向けない人が多いです。こうした重度障害者の中でも、特別な支援が必要な場合は行動援護を利用できます。当然、行動援護を利用することで医療機関への通院が可能になります。

そのため障害者の外出が難しい場合、行動援護を利用することによって病院受診をするのは優れています。

必要なら院内介助も可能になる

このとき、行動援護では院内介助も可能になるケースがあります。通常、病院・クリニック内での移動や介助は病院スタッフが行います。

ただ場合によっては、病院スタッフだけでは対応できないケースがあります。その場合、以下の状況で病院スタッフによる対応ができないとき、行動援護によって院内介助も可能になります。

  • 行動障害がある:暴力、物損など
  • 病院内の移動
  • 排せつの介助

病院の状況や障害の程度によって異なるものの、認められれば行動援護による院内介助を依頼しても問題ありません。

居宅介護の通院等介助や移動支援よりも優先される

なお、障害福祉サービスの一つが行動援護です。他にも、障害福祉サービスや自治体の制度で外出支援が可能な公的サービスとして以下が知られています。

  • 居宅介護の通院等介助
  • 移動支援

これらは軽度の障害者であっても利用できます。ただ行動援護の利用決定を受けた場合、居宅介護の通院等介助や移動支援よりも行動援護が優先されます。また、行動援護を利用している人は「行動援護と移動支援を併用する」などはできません。

軽度の人でも利用できる外出支援サービスに対して、行動援護は重度の知的障害者・精神障害者(特に自閉症)に特化しています。そのため外出支援という意味では同じサービスであるものの、目的や対象者が大きく異なります。そのため行動援護を認定されると、行動援護の利用が優先されるというわけです。

車の送迎はできず、公共交通機関で出向く

なお行動援護を利用して医療機関へ出向くとき、最も便利なのは「ヘルパーが運転する車に障害者が乗り、病院まで連れて行ってもらう」という方法です。

ただ通常、外出支援サービスは車での送迎を想定していません。ヘルパーが車を運転する場合、その間は障害者の介助をすることができないからです。そのため、通院同行をするにしても徒歩やバス、電車などによって出向く必要があります。

または、タクシーを利用するのは問題ありません。家族が運転をする車に乗ってもいいです。ヘルパーの他に運転手がいる場合、行動援護を利用しての移動が可能になります。

タクシー利用や家族が運転をする車利用では送迎が可能であるものの、それ以外はどうしても公共交通機関の利用になることを理解しましょう。なお、バスや電車を利用するときはヘルパー分を含めて障害者側の負担になります。

家族などの付き添いが必要になるケースは多い

なお実際に障害者が医療機関を受診する場合、症状を含めて医師に伝えなければいけません。ただ重度の知的障害者・精神障害者では、自らの意思で症状を伝えるのが困難です。

また当然ながら、普段から障害者と接していないヘルパーが具体的な症状や普段の様子を医師に伝えるのは不可能です。そのため行動援護を利用して重度の障害者が医療機関へ出向くとしても、障害者一人では正確に症状を伝えることができません。

そのため、行動援護による通院同行では家族が同行しなければいけない場面が多いです。

強度行動障害があるなど、行動援護の利用者は特別な介護が必要になり、こうした障害者であれば通常、家族による同行を認められます。むしろ、家族が同行しなければ病院受診をしても医師は正しく診察できません。そのため、行動援護では「障害者の普段の生活を知っている人の同行」が重要になります。

行動援護の通院同行により、病院受診をする

障害福祉サービスで重度の知的障害者・精神障害者なのであれば、行動援護を利用できます。特に自閉症の場合、行動援護の利用者が多いです。

こうした重度の障害者が病院へ通院するのは大変です。また病院内での介助がなければ、行動障害があることでパニックになり、暴れるかもしれません。そこで、行動援護による通院介助や院内介助が重要になります。

なお、ヘルパーが運転する車での送迎はできません。また行動援護を依頼するにしても、医師に日々の状況を伝える必要があるため、障害者が自ら症状を正確に伝えられない場合、家族など「障害者の症状を正確に伝えられる人」の同行は必要になります。

障害福祉サービスである行動援護を利用して通院同行を依頼する場合、こうした注意点があります。そこで、これらのポイントを把握したうえで通院同行を活用しましょう。

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