短期入所(ショートステイ)を利用することにより、障害者は月のうち数日または数十日を障害者施設で過ごすことができます。
このとき、短期入所施設を活用しつつ外出支援サービスを利用したいと考えるのは普通です。外出支援サービスとしては、同行援護や行動援護、移動支援があります。
通常、短期入所中は施設のスタッフが障害者の外出をサポートしなければいけません。ただ場合によっては、ショートステイを利用中であっても同行援護・行動援護・移動支援を利用できるケースがあります。
それでは、どのように考えてショートステイと外出支援を活用すればいいのでしょうか。短期入所を利用中の外出支援について解説していきます。
もくじ
ショートステイで同行援護・行動援護・移動支援は自治体判断
短期入所(ショートステイ)を利用することにより、障害者は施設にて過ごせるようになります。このとき、同行援護や行動援護、移動支援を併用したいと考えるケースがよくあります。
障害者グループホーム(共同生活援助)については、移動支援を利用することで入居中の外出サポートをしてくれます。例えば施設外で余暇を過ごしたいとき、ほとんどの自治体で移動支援によって障害者グループホームから外出可能です。
一方でショートステイの場合、同行援護・行動援護・移動支援を利用することで外出支援が可能かどうかは自治体の判断になります。つまり外出支援を利用できる自治体があれば、利用できない自治体もあります。
通常は短期入所のスタッフが外出支援を行う
そのため外出支援を利用できるかどうかは、あなたが住んでいる自治体に確認しなければいけません。このとき、なぜすべての障害者で短期入所中の外出支援を利用できないのでしょうか。これは、そもそも短期入所中の外出支援は施設のスタッフが行うべきだからです。
もちろん実際には、短期入所のスタッフは施設内で障害者の介護を行うのが仕事であり、利用者(障害者)の外出を支援するのはメインの仕事ではありません。
このとき、買い物であれば「スタッフが食事準備のために買い出しに行く」ときに同行をお願いすればいいですし、医療機関へ通院するにしても「短期入所を利用していないとき」に医療機関へ行けばいいです。
特に「月に数日間だけ短期入所を利用する」という場合、同行援護・行動援護・移動支援などの外出支援をより併用しにくいです。わざわざ、ショートステイを利用しているときに余暇などで外出をする必要性はないからです。
・緊急のときは例外的に利用可能なケースがある
ただ余暇などの外出では利用できなくても、緊急性の高いときは例外的に外出支援サービスの利用を許可されるケースがあります。
例えば、「どうしても短期入所中に通院をする必要性があり、施設側が通院などに対応していない」などの状況がこれに該当します。この場合、「ショートステイの利用中であるものの外出支援の利用が必要である」ことを役所側に伝える必要があります。
短期入所を利用していない日は外出支援が可能
なお短期入所を利用している人の場合、その他の日は自宅で過ごすことになります。ショートステイを利用していないのであれば、当然ながら同行援護・行動援護・移動支援を利用できます。
前述の通り、「短期入所と外出支援サービスを同じ時間帯に併用する」ことについて、必ずしも許可されるとは限りません。一方で短期入所を利用しておらず、自分の家に滞在しているときについては、ショートステイと外出支援サービスの利用時間が重なっていないので、何も問題なく外出支援サービスを利用できます。
自分の家に戻ったのであれば、冠婚葬祭や美容院、スポーツなどによって自宅の外で時間を過ごすのは普通です。短期入所の利用中にこれらの外出をわざわざ行う意味は薄いものの、自宅で過ごしているのであれば普通であり特に問題ありません。
そのため「予約日を動かせない通院などの理由により、どうしても特定の日に医療機関へ出向く必要がある」などの緊急時を除いて、同行援護・行動援護・移動支援を利用するにしても、短期入所先から帰った後に外出支援を活用するといいです。
短期入所施設への送迎で外出支援を利用できる?
それでは、短期入所(ショートステイ)を利用しているときの同行援護・行動援護・移動支援の利用ではなく、短期入所施設への送迎で外出支援を利用することはできるのでしょうか。
通常、ショートステイを利用するときの送迎については、家族が対応する必要があります。または、短期入所の施設側が自宅と施設の送迎をすることになります。
そのため基本的には、短期入所施設への送迎で同行援護・行動援護・移動支援を利用することはできないと考えましょう。
当然、家族が毎回送迎するとなると大変です。そのため最もいいのは、「送迎サービスを提供している短期入所施設を利用する」という方法です。この場合、重度の障害者であっても専用の車での送迎が可能です。
そのため障害者にとって、ショートステイを利用できるかどうかだけでなく、施設側による送迎の有無も重要です。つまり、「同行援護・行動援護・移動支援を利用しなくても施設送迎が可能かどうか」が重要になります。
施設が対応できず、緊急性があれば送迎で利用可能
それでは施設側が送迎に対応しておらず、その日に家族が県外へ出かける用事があるなど、どうしても家族による短期入所の送迎が難しい場合はどうすればいいのでしょうか。
送迎について緊急性があり、家族や施設側での送迎ができない場合、例外的に移動支援などの外出支援サービスを利用できる場合があります。やはり自治体で判断は異なりますが、緊急性がある場合、例外的に認められるケースが多いです。
なお同行援護・行動援護・移動支援を利用するとき、事前に利用の申請をしておく必要があります。事前に申請をしていないにも関わらず、直前になって利用しようとしても対応できません。障害者に関する外出支援の公的サービスというのは、事前の申し出が必須となります。
そのため短期入所を利用している場合、緊急事態に備えて事前に同行援護・行動援護・移動支援の申請を済ませておくと優れます。
ショートステイと外出支援は併用できるとは限らない
障害者グループホーム(共同生活援助)と移動支援などの外出支援サービスは併用できます。そのため、短期入所(ショートステイ)についても同行援護・行動援護・移動支援を併用できるのではと考えてしまいます。
ただ、必ずしも短期入所と外出支援サービスを併用できるとは限りません。自治体判断になり、併用できる自治体があれば、併用できない自治体もあります。
なお通常は併用できない自治体であっても、緊急性のある場合は例外的に認められる傾向にあります。これは、短期入所施設への送迎も同様です。本来は家族または施設が対応するべき送迎であるものの、緊急性が高い場合は移動支援などの外出支援サービスを活用できます。
障害者にとって外出は重要です。ただショートステイの利用中については、外出支援サービスを利用できないケースがあることを理解しましょう。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
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