障害年金を請求するとき、複数の方法があります。その中でも、長い時間経過と共に症状が悪化して障害者になった人がいます。この場合、事後重症請求という方法によって障害年金を受け取ることになります。

事後重症請求は遡及請求(過去にさかのぼっての請求)ができません。そのため、専門家の力を借りながら可能な限り早く障害年金の申請をすることが重要になります。

そこで診断書や病歴・就労状況等申立書を用意することで、素早く事後重症請求をしましょう。なお事後重症請求をした後、認定日を用いて遡及請求するのは問題ありません。

それでは、事後重症請求ではどのように考えて障害年金の申請をすればいいのでしょうか。時間経過によって症状が悪化した場合の請求法を解説していきます。

障害認定日に障害者でなく、重症化によって障害年金を請求

対象の傷病で最初に医療機関を受診した日を初診日といいます。初診日から1年6か月が経過すると、障害認定日となります。障害認定日から障害年金の申請ができるようになります。

ただ人によっては、障害認定日時点の症状が重くないケースがあります。例えば糖尿病は徐々に症状が悪化していきますし、うつ病などの精神疾患についても時間経過によって症状悪化していくことがよくあります。

障害認定日の周辺時点で障害年金を請求できるほどの重症度でなかった場合、その後の重症化によって障害年金へ申請ができます。これが事後重症請求です。

事後重症請求によっても障害年金の受給が可能なので、症状が悪化した人は早めに障害年金へ申し込みましょう。

遡及請求はできず、早めの申請が必須

なお障害認定日を利用して障害年金を請求する場合、過去5年にさかのぼって請求できます。時効が5年であるため、最大5年の遡及請求ができるのです。

ただ事後重症請求については、認定日に障害年金を請求できる状態になっていないため、過去にさかのぼっての請求ができません。

遡及請求できないため、どれだけ素早く障害年金を申請するのかが重要になります。障害年金で受け取れる金額はそれなりに高額であるため、書類の提出が1か月遅れるだけでも実質的な損失は大きくなります。他の申請法とは異なり、遡及請求できないのが事後重症請求のデメリットです。

・専門の社労士への依頼は必須

素早い申請が重要であるため、事後重症請求では必ず障害年金を専門とする社労士に依頼しましょう。社労士へ依頼するほうが素早く書類を集めて申請でき、さらには有利な等級にて審査に通過しやすくなります。

遡及請求できない事後重症請求を自ら行うのは意味がありません。必ず社労士へ依頼し、素早く書類を完成させましょう。

65歳より前に申請を行う

なお、障害年金の事後重症請求をするときは65歳になる誕生日の前々日までに申請する必要があります。それ以降についての申請は原則不可であり、65歳以上の場合は事後重症請求による障害年金ではなく、老齢年金を受け取ることになります。

年齢について、事後重症請求の要件は65歳未満かどうかだけです。初診日が20歳前の人であっても、問題なく事後重症請求できます。

20歳前に初診日がある場合、障害認定日は20歳に達した日となります。その後、症状が悪化した場合は事後重症請求となります。障害認定日(20歳に達した日)に障害年金を受給できる障害の程度ではなかったとしても、その後に障害年金に申請するという意味では同じです。

事後重症請求で必要な診断書は一枚

それでは、事後重症請求ではどのような書類が必要になるのでしょうか。すべての障害年金の申請で以下の書類が必要になります。

  • 受診状況等証明書:初診日の証明
  • 医師の診断書
  • 病歴・就労状況等申立書

障害認定日から1年以上が経過している場合、遡及請求で必要な診断書は2枚になります。「障害認定日から3か月以内の診断書」「現在の状況に関する診断書」を提出するのです。また、障害認定日に関する診断書が存在するからこそ、遡及請求が有効になります。

一方で事後重症請求については、障害認定日の周辺時点の重症度は関係ありません。そのため、障害認定日周辺の診断書は提出不要です。必要なのは、現在(障害年金を申請するとき)の重症度がわかる医師の診断書1枚だけです。

障害認定日時点の診断書取得ができた後の遡及請求は有功

事後重症請求では現時点での診断書を提出すればいいため、「障害認定日時点で重度の障害者」であっても、敢えて事後重症請求をする人はそれなりにいます。

例えば、障害認定日の周辺でAクリニックに通っていたとします。ただAクリニックの受診がかなり前であり、既にカルテが破棄されていた場合、障害認定日付近(障害認定日より3か月以内)の診断書を作成することはできません。虚偽の内容で医療機関が診断書を発行することはできないからです。

このような場合、障害認定日を利用しての申請はできないため、遡及請求はあきらめて事後重症請求として障害年金に申請します。過去の分はあきらめて、現時点からの障害年金をもらう作戦にするというわけです。

・後で遡及請求するのは可能

なお、後になって「実は障害認定日周辺での診断書を作成できることが分かった」というケースもあります。この場合、障害認定日時点の診断書を利用して遡及請求できます。そのため、まずは事後重症請求を行い、その後に遡及請求をする方法でも問題ありません。

なお、事後重症請求の後に遡及請求へと切り替える場合についても、できるだけ早めに申請しなければいけません。

前述の通り、障害年金の時効は5年です。そのため、場合によっては「遡及請求しても時効によってお金を受け取れず意味がない」という状態に陥ってしまいます。

当然ながら、事後重症請求と遡及請求で重なった期間は一方のみしか受け取りできません。例えば遡及請求によって5年分の請求ができたとしても、事後重症請求をして既に1年が経過しているのであれば、4年分までしか遡及請求できません。また事後重症請求から5年が経過している場合、遡及請求しても時効によってお金を請求できません。

障害年金には時効が存在するため、事後重症請求の後に遡及請求するにしても、早めに行動を起こしましょう。

初診日の特定は事後重症請求であっても必須

なお診断書は前述の通り1枚で問題ないものの、初診日の特定は事後重症請求であっても必須になります。そこで、初診日の証明を医療機関に依頼することで受診状況等証明書を作成してもらいましょう。初診日を特定できない場合、障害年金をもらうことはできません。

ただ医療機関によっては、カルテを既に廃棄しており、カルテの情報をもとにして初診日の証明を行えないケースがあります。特に、廃院している場合はカルテを用いての初診日証明ができません。

この場合、仕方ないので他の書類を用いることで初診日の証明をします。以下の書類が該当します。

  • 初診の医療機関からの紹介状コピー
  • 身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳
  • 障害者手帳申請時の診断書
  • 生命保険・損害保険・労災保険の給付申請時の診断書
  • 健康診断の記録
  • 母子健康手帳
  • 健康保険の給付記録(レセプトも含む)
  • お薬手帳・糖尿病手帳・領収書・診察券
  • 小学校・中学校などの健康診断の記録
  • 盲学校・ろう学校の在学証明・卒業証書
  • 第三者証明

例えばお薬手帳が残っている場合、お薬手帳の記録から「いつが初診日になるのか」がわかります。こうした書類を複数用いることによって初診日を確定させることもできます。

病歴・就労状況等申立書を記載する

なおすべての人について、障害年金への申請では病歴・就労状況等申立書を提出することになります。表面の書き方は認定日請求でも事後重症請求でも共有するので省きますが、裏面は事後重症請求に特有の記載法となります。

前述の通り、障害認定日時点での障害の程度は関係ありません。事後重症請求で重要なのは、現時点での障害の程度です。そのため事後重症請求では、裏面にある「1. 障害認定日(〇〇年〇月〇日)頃の状況」を記載する必要がありません。

その代わり、「2. 現在(請求日頃)の状況」のみ記入しましょう。

病歴・就労状況等申立書の書き方について、どの方法にて障害年金へ申請するのかによって書き方が変化します。そこで、事後重症請求の書き方を理解して素早く申請しましょう。

事後重症請求によって審査を行い、障害年金をもらう

どの時点であっても、障害者であれば若くても障害年金の申請が可能です。初診日から長い期間が経過した後、重症化に伴って申請する場合、事後重症請求をしましょう。身体障害者でも精神障害者でも、事後重症請求が可能です。

事後重症請求をする場合、遡及請求はできません。そのため、素早い申請が必要になります。そこで、事後重症請求では社労士の活用が必須です。

また事後重症請求では、現時点での診断書の提出だけで済みます。そのため障害認定日の診断書を取得できない場合も事後重症請求が有効です。なお、後になって「障害認定日を利用した障害年金を申請し、遡及請求する」のは問題ありません。

これらの内容を理解して、必要書類を素早く集めましょう。可能な限り早く申請することで、事後重症請求による障害年金を受け取りできます。

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