障害者向けに事業を行う場合、どうしても低所得者向けのビジネスになってしまいます。障害者は十分に働くことができず、低収入であるため、国からの補助金に頼ったビジネスになってしまうのです。
そうしたとき、障害者向けに行われるサービスとして障害者グループホーム(共同生活援助)があります。補助金で成り立っているため、「障害者グループホームは貧困ビジネスでは?」と考える人はたくさんいます。
ただ障害者グループホームは貧困ビジネスを行えないようになっています。そこで、その仕組みについて解説していきます。
もくじ
生活保護・低収入がほとんどの共同生活援助
知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者などの障害者が共同生活を送る施設が障害者グループホームです。たとえ頼れる親族がいなかったとしても、障害者グループホームを利用できます。
実際のところ、障害者グループホームの利用者は大半が生活保護受給者です。また、十分に働けない人がほとんどであるため、生活保護でなかったとしても住民税の非課税世帯となります。
こうした低所得者を相手にしているのが障害者グループホームです。ただ低所得の障害者にとってサービス料は無料ですし、家賃は国や自治体から補助金が出ます。また食費や水道光熱費は最安値となるため、障害者にとっては支出を非常に少なくできます。
国からの補助金でサービスが成り立つ
通常、何かサービスを受けるときはお金の支払いが必要です。ただ前述の通り、障害者グループホームの利用者は低所得者だと無料です。障害者グループホームを含め、障害福祉サービスでは月の負担上限額が以下のようになっています。
状態 | 負担上限額 |
生活保護 | 0円 |
住民税の非課税世帯 | 0円 |
世帯年収600万円以下 | 9,300円 |
世帯年収600万円超 | 37,200円 |
また障害福祉サービスは基本的に1割負担が原則です。それに加えて、こうした負担上限額が存在します。つまり障害者グループホームに関係なく、障害者ビジネスはどれも補助金で成り立っているとわかります。
障害者グループホームの場合、障害者に住む場所を与えます。このとき障害者からサービス料を徴収しない代わりとして、国へ請求することでお金を得るというわけです。
障害者グループホームがないと犯罪が大幅に増える
なお、これら障害者グループホームが存在するというのは、犯罪の減少に大きく貢献しています。貧困者であっても、障害者グループホームが受け皿になるからです。
精神障害者や知的障害者など、障害者グループホームへ入居する人というのは、過去に犯罪をした人もたくさん在籍しています。ただ障害をもつ犯罪者であっても、障害者グループホームで支援を受けることによって落ち着き、普通の生活をするようになるのです。
このとき、犯罪は人に危害を加える内容だけでなく、薬物使用なども含まれます。障害者グループホームでは薬物依存症の人も受け入れており、こうした犯罪についても障害者施設は重要です。
実際のところ、日本では町中で障害者と遭遇する機会が非常に少ないです。これは、彼らの多くは障害者グループホームを含め、家の中で過ごしているからです。
制度上、貧困ビジネスを行うのは不可能
なお障害福祉サービスでは、貧困ビジネスが禁止されています。そのため障害者グループホームを運営するとき、貧困ビジネスはほぼ不可能と考えましょう。貧困ビジネスというのは、以下の内容を指します。
- 通常よりも高い賃料を請求する
- 理由なく管理費用が高い
- 粗末な食事なのに、食費が高額
通常よりも高い金額を請求することにより、生活保護費からお金を巻き取ろうとするのが貧困ビジネスです。
ただ障害者グループホームでは、「本来よりも高い家賃を請求する」「原価以上の食費を請求する」ことが禁止されています。障害者グループホームの利益というのは、あくまでも国に対するサービス料の請求のみになります。要は、障害者(利用者)から利益を出してはいけません。
利用者から一切の利益を出してはいけないため、障害者グループホームの利用では家賃や食費、水道光熱費、その他の雑費が最安値になります。これは、貧困ビジネスが禁止されているからでもあります。
貧困ビジネスをすると行政から処罰がある
ただ場合によっては、障害者グループホームにも関わらず、原価よりも多くの料金を利用者から徴収し、貧困ビジネスをしてしまった会社があるのは事実です。ただ、そうした会社は行政処分を受け、事業所の指定取り消しとなります。
例えば以下は、障害者から食事代を課題徴収していたことが発覚した事件です。
こうして、禁止されていた貧困ビジネスをしていた障害者グループホームは指定取り消しによって廃業となりました。
障害者グループホームで貧困ビジネスを行い、見つかると全国ニュースとなり、指定取り消しで廃業となります。どの業界にも粗悪な業者は存在するものの、障害者グループホームは事業を存続できなくなるため、貧困ビジネスを行いにくいというわけです。
多くの搾取・貧困ビジネスは無料低額宿泊所
ただ世の中では、実際に貧困ビジネスが行われています。こうした貧困ビジネスというのは、障害者グループホームではなく、生活保護を対象とした民間企業がしています。
例えば、生活保護受給者がメインで利用する宿泊施設に無料低額宿泊所があります。いまでは個室がメインであるものの、以前から運営されている無料低額宿泊所では、極小の部屋(簡易個室)が残っています。
非常に狭い部屋であるにも関わらず、家賃を高めに設定しており、これによって生活保護の住宅扶助から通常よりも高額なお金を得られます。
また管理費や食事代が謎に高い無料低額宿泊所はたくさんあります。こうした施設は国からの補助金ではなく、利用者(生活保護受給者)から搾取した利益で成り立っているのです。貧困ビジネスで問題になるのは障害者グループホームではなく、あくまでも無料低額宿泊所です。
障害者グループホームでは貧困ビジネスを行えない
利用者のほとんどが低所得者となるのが障害者グループホームです。中には一般企業で働きながら障害者グループホームを利用している人はいるものの、全体としては少数です。生活保護や住民税の非課税世帯がメインの利用者であるため、障害者グループホームでの貧困ビジネスを疑う人がいます。
ただ制度上、障害者グループホーム(共同生活援助)は補助金で運営が成り立っているため、利用者から過大なお金を徴収できません。仮に行うと全国ニュースとなり、指定取り消しによって廃業となります。これが、障害者グループホームで貧困ビジネスを行えない理由です。
一方で無料低額宿泊所では国からの補助金はなく、生活保護費からの搾取が主な利益です。そのため家賃や管理費、食費が異常に高額なのは普通です。
いずれにしても、障害者グループホームで貧困ビジネスはほぼ無理です。こうした事実を理解して、最安値で生活したい障害者はグループホームを積極的に活用しましょう。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
そこで、当サイトでは完全無料で障害者グループホームを紹介するサービスを日本全国にて実施しています。「いますぐ入居したい」「いまの障害者グループホームから他の施設へ移りたい」「強制退去となり、新たな施設を探している」など、軽度から重度の障害者を含めてあらゆる方に対応しています。