20代や30代を含め、若者であっても住所不定者になるケースがあります。精神疾患によって働けなくなったり、親の暴力によって家にいれなくなったりするのです。

こうした若者について、ホームレスにて過ごすよりも、できるだけ早く状況を立て直すことによって社会復帰するほうがいいです。公的制度を利用することにより、生活保護の利用を視野にいれながら住居を確保するのです。

それでは、若者のホームレスはどのように公的制度を利用して社会復帰すればいいのでしょうか。20代・30代の低所得者の対処法を解説していきます。

若者でも住所不定の状態に陥る

20代や30代の場合、ほとんどの人が働いています。ただ事情があって働くことができなかったり、収入が非常に低かったりします。

このとき、実家を頼れない場合は若者であっても住所不定者になります。ホームレスは路上生活者に限らず、ネットカフェなどにて寝泊まりしている人も含みます。

ただネットカフェなどを利用して寝泊まりするとはいっても、ずっと利用する場合は賃貸マンション・アパートを借りるよりも値段が高くなってしまいます。また低所得者の場合、貯金が少ない人も多く、どのかの段階でネットカフェすら利用できなくなります。

たとえ年齢が若くても、路上生活が長くなってしまうと社会復帰が難しくなります。そこで、早めに公的制度を利用して立ち直らなければいけません。

ホームレスの原因は精神障害や知的障害

なお20代や30代の若者で住所不定者になるのは、当然ながら理由があります。すべての人に共通するのは低所得者ですが、ほとんどの人で精神障害者や知的障害者となっています。

例えば失業するにしても、年齢が若いのであればすぐに次の職業を見つければいいです。親の虐待があり、家を出たい場合であっても仕事をしていれば賃貸マンション・アパートを探して契約すればいいです。

ただ、例えばうつ病を発症して十分に働けない場合、次の職を見つけるにしても難しいです。親の虐待から逃れる場合であれば、家を飛び出しても精神疾患や知的障害があると収入を得にくいです。そうして、ホームレスになります。

公的制度を活用し、ホームレスを回避する

そこで、可能な限りホームレスを回避することを考えましょう。ホームレス生活が長くなるほど、そうした状況からの脱出が難しくなるからです。このとき、重要な公的制度としては以下があります。

  • 生活保護
  • 障害者グループホーム
  • 一時的な滞在施設(シェルターなど)
  • 就労サービス(就労移行支援など)

これらを効果的に利用することで、たとえ住所不定の状態に陥っても問題なく社会復帰が可能になります。

生活保護により、賃貸マンション・アパートに住める

低所得者が最初に考えることとして、生活保護の利用です。完全に働けなかったり、その場しのぎのアルバイトをしていたりする場合、多くの人で最低生活費よりも少ない収入で生活することになります。そうした場合、生活保護を利用可能です。

「少しでも収入があれば生活保護を利用できない」というわけではなく、自治体の最低生活費以下であれば誰でも利用可能です。また生活保護は国民の権利であり、20代・30代の若い人であっても障害者を含めて利用している人は多く、申請をためらう必要はありません。

生活保護は福祉事務所で申請を行います。そこで、近くの福祉事務所を調べて出向きましょう。

なお、住所不定者は「住民票のある自治体とは異なる場所で生活している」という人も多いです。この場合、住民票のある自治体ではなく、いまの場所の近くにある福祉事務所で生活保護の申請が可能です。

生活保護の申請では、親族への照会があります。ただ親からの虐待などがある場合、親族への連絡はありません(虐待ありなのに生活保護申請で扶養照会するのは違法)。そのため、親などに居場所を知られたくない場合、「親からの虐待があるので関わりたくない」と窓口で伝えるといいです。

・住宅扶助の範囲内で賃貸マンション・アパートを借りれる

また生活保護を利用する場合、住宅扶助の範囲内にて賃貸マンション・アパートを借りることができます。通常はワンルームになりますが、ネットカフェでの寝泊まりや路上生活をする必要はなく、生活保護にて住む場所を確保できます。

健常者であれば、実家から家出したとしてもワンルームにて過ごせれば十分です。生活保護では審査が厳しくなるものの、受け入れてくれる賃貸物件を探しましょう。

障害者グループホームで立て直しを図れる

ただ前述の通り、ホームレスでは精神疾患を抱えていたり、知的障害があったりします。障害者でないなら賃貸マンション・アパートを借りればいいですが、障害者が何の援助もなく一人暮らしをするのは厳しいです。

そこで、障害者の多くは障害者グループホーム(共同生活援助)を利用します。複数の障害者がシェアハウス形式で共同生活を送る施設が障害者グループホームです。

ホームレスになってしまうほどの低所得者の場合、サービス料は無料です。また家賃は国や自治体から補助があります。さらには、シェアハウス形式なので食費や水道光熱費は最安値です。

障害者グループホームには、常に介護スタッフがいます。そこで、スタッフの助けを借りながら生活できるようにします。そうして規則正しい生活を通して、精神疾患の改善を図るのです。

なお、たとえ軽度の障害者で一人暮らしがほとんど問題なかったとしても、障害者グループホームを利用する人は多いです。これは、賃貸マンション・アパートを借りるよりも圧倒的に費用を抑えることができるからです。

既に住所不定者の場合、一時的に施設を利用

ただ賃貸マンション・アパートを借りるには、いまの住所が必要です。また障害者グループホームを初めて利用するとき、同様に住所が必要であり、さらには1~2か月の時間がかかります。そのため既にホームレスの場合、住む場所を定めることができません。

そこで既に住所不定者の場合、無料低額宿泊所やシェルターなど、一時的な宿泊施設を利用しましょう。無料低額宿泊所は貧困ビジネスで利用されやすい側面があり、劣悪な環境での生活になるケースはあるものの、これについては「賃貸物件や障害者グループホームへ引越すまで我慢すればいい」と考えなければいけません。

・友人を頼れるなら一時的に居候でもいい

なお20代・30代のホームレスについては、まだ若いので友人を頼れるケースがあります。その場合、無料低額宿泊所やシェルターを利用しなくても、一時的に友人の部屋へ居候させてもらってもいいです。

シェルターでも友人宅を含め、一時的でもいいので住所があれば、そこを起点にして賃貸マンション・アパートを借りることができます。

また障害者グループホームへ入居したい場合、友人宅に居候させてもらっているときに申請を行い、障害者施設へ入居するための準備を整えます。そうして賃貸物件や障害者グループホームへ移る段階になれば、生活保護にて日々の生活費を出せるようになります。

就労サービスを利用し、社会復帰をする

なお実際にホームレスを回避して、賃貸物件や障害者グループホームで生活を開始した後、就労サービスを利用するといいです。

健常者であれば、賃貸マンション・アパートに住んだ後は転職エージェントを活用して就職活動をすればいいです。一方で障害者の場合、障害者向けの就労サービスを活用しましょう。

もし精神疾患の症状が重い場合、数年の時間をかけて社会復帰する必要があり、就労継続支援A型・B型を利用することで仕事に慣れます。短時間の仕事をすることにより、昼間に就労することに対して慣れるのです。

また企業就職を考える場合、就労移行支援を利用しましょう。障害者雇用を含め、一般企業への就職を目指すための支援サービスが就労移行支援です。

20代や30代と若い場合、これらの支援制度を利用することで、特定の場所に住みながら将来は仕事を行えるようになります。そこで、公的サービスを利用することで路上生活を回避し、社会復帰を考えましょう。

若い人でホームレスを回避する

ネットカフェ難民や路上生活者など、住所不定の状態はホームレスとなります。そこで、支援制度を利用することで若い人はホームレスを回避しましょう。

たとえアルバイトをしていても最低生活費を下回っている場合、生活保護が有効です。こうして、住む場所を確保できます。また障害者の場合、賃貸マンション・アパートだけでなく、障害者グループホームを視野に入れましょう。

なお既にホームレスの場合、シェルターや友人宅など、どこでもいいのでまずは住所を確定させる必要があります。その後、生活保護を含めて賃貸物件や障害者グループホームへ引越し、生活を立て直します。その後、仕事をすることで社会復帰を目指せます。

若者の場合、早めにホームレス状態を避ける必要があります。そこで20代や30代について、公的サービスを積極的に利用することで生活の基盤を立て直しましょう。

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