65歳以上の高齢者は当然として、40歳以上の障害者であれば老人ホームへの入居が可能です。ただ障害者が老人ホームを利用する場合、ほとんどの人で実際のところ入居できません。障害者は低所得者が多く、お金の支払いができないからです。
そのため障害者の場合、老人ホーム以外を選択肢に入れなければいけません。施設の費用を払えない以上、他の方法(老人ホーム以外)にて住む必要があります。
そうしたとき、第一選択肢になるのが障害者グループホーム(共同生活援助)です。高齢者であっても、障害者であれば問題なく入居できる施設が障害者グループホームです。しかも、ほとんど支払いはなく年金だけが収入であっても問題ありません。
それでは、老人ホームの費用を払えない低所得の障害者はどのように考えればいいのでしょうか。高齢障害者の入居施設の探し方を解説していきます。
もくじ
老人ホームはどこも初期・毎月の費用が高額
65歳以上の高齢者(または40歳以上の障害者)であれば老人ホームを利用できるものの、基本的に老人ホームはどこも高額です。初期費用で安くても数十万円の費用が発生するのは普通ですし、毎月の費用も高額です。
例えば、介護付き老人ホームへ入居する場合は月20~30万円の費用となります。これが特別養護老人ホーム(特養)などの比較的安い施設であっても、月15万円ほどの自己負担になるのは普通です。
当然ながら、住民税の非課税世帯や生活保護などの障害者がこうした費用を支払うことはできません。そのため老人ホームを利用しようとしても、お金を払えないのが現状です。
介護保険は1割負担であり、家賃補助もない
そこで、障害者グループホーム(共同生活援助)を利用します。障害者グループホームの場合、低所得者はサービス料が無料であり、さらには家賃補助もあります。そのため、老人ホームとは違って月6~7万円の自己負担で済むなど、格安にて生活できます。
複数の障害者が共同生活を送る場所が障害者グループホームです。障害者グループホームには10代や20代の若者も利用しているものの、高齢者であっても利用できるのです。
なぜこのように費用負担が少ないかというと、介護保険とは違って補助制度が優れているからです。
介護保険の利用料金が低いとはいっても、1割負担をしなければいけません。一方で障害者グループホームの場合、低所得者はサービス料が無料です。食費や水道光熱費、その他の日用品費は実費になるものの、サービス料が無料なのは大きな違いです。
また、老人ホームに家賃補助は存在しません。一方で障害者グループホームであれば、国や自治体から高額な補助があります。そのため障害者グループホームの場合、家賃補助によって月1万円台の家賃支払いになるのは普通です。こうした制度になっているため、働けない低所得者であっても障害者グループホームへ入居できるのです。
昼間のレクリエーションなどは基本的にない
なお障害者グループホーム(共同生活援助)に入居する場合、昼間のレクリエーションなどは基本的に存在しません。この点は、老人施設へ住む場合に比べてのデメリットとなります。
老人ホームであれば、昼間にゲームやストレッチなどのレクリエーションを行うのが一般的です。ただ障害者施設の場合、若い障害者の利用が多く、彼らは昼間に就労をしています。例えば、以下は就労継続支援B型での様子です。
こうした就労施設で障害者は働くため、昼間に障害者施設で何かレクリエーションが提供されることはありません。そのため、昼間は一人で過ごしたり、世話人と話をしたりして時間が過ぎるのを待つことになります。
ただ、障害者にとって格安で施設に住めないと意味がありません。そのため、やはり住民税の非課税世帯や生活保護などの障害者は老人ホームではなく、障害者グループホームへの入居が基本になります。
障害者グループホームはサービス料が無料
なお前述の通り、障害福祉サービスを利用するとき低所得者ではサービス料が無料になります。障害福祉サービスは1割負担が原則であるものの、以下のように月の負担上限額が設定されています。
状態 | 負担上限額 |
生活保護 | 0円 |
住民税の非課税世帯 | 0円 |
世帯年収600万円以下 | 9,300円 |
世帯年収600万円超 | 37,200円 |
このように、住民税の非課税世帯や生活保護などの低所得者ではサービス料が無料です。また先ほど解説した通り、家賃についても国と自治体から高額な補助があります。こうした補助の違いにより、障害者であるなら老人ホームよりも障害者グループホームのほうが金銭面で優れるのです。
高齢者でサービス料金が無料の対象かどうかは重要
なお65歳未満の障害者であれば、サービス料金の無料について、特に心配する必要はありません。ただ65歳以上の障害者の場合、低所得者であれば無条件で障害者グループホームを利用するときのサービス料が無料になるわけではありません。
以下の条件に当てはまっている人のみ、65歳以上になっても継続して障害者グループホームのサービス料が無料になります。
- 65歳になる前の5年間、障害福祉サービスを利用している
- 生活保護受給者または住民税の非課税世帯
- 障害支援区分が2以上
- 65歳までに介護保険サービスを利用していない
障害者グループホームを利用する65歳以上の高齢者では、障害者にとってさまざまな問題を生じます。既に高齢者の場合、条件を満たしていないとサービス料金が無料にならないというデメリットがあります。
ただ、たとえサービス料が無料ではなく1割負担になってしまっても、国や自治体から家賃補助が出るという事実は高齢の障害者であっても同様です。
住むときに最も高額になりやすい費用が家賃です。こうした家賃への補助を得られる以上、老人ホームよりも障害者グループホームのほうが安く住める事実は同じです。
家賃補助により、住民税の非課税世帯や生活保護も生活可能
それでは、障害者グループホームではどのような家賃補助になるのでしょうか。住民税の非課税世帯や生活保護の場合、障害者グループホームへの入居によって以下の家賃補助を得られます。
- 国からの家賃補助:月1万円(補足給付)
- 自治体からの家賃補助:実費の半額など(自治体によって異なる)
障害者グループホームについて、低所得者は国から月1万円の家賃補助があります。これを補足給付といいます。
また自治体によって補助額は異なりますが、「実費負担の半額を家賃補助する」という自治体は多いです。こうして、補助を加味すると家賃や食費、水道光熱費、その他の雑費を含めても月6~7万円ほどの出費になるというわけです。
精神障害者や知的障害者は年齢に関係なく住める
このとき、「高齢者なのに若者向けの障害者グループホームへ入居できるのか?」と疑問に思う人は多いです。これについては問題なく、以下の障害者は年齢に関係なく障害者グループホームへ入居できる決まりになっています。
- 精神障害者
- 知的障害者
障害者グループホームは介護保険サービスに存在せず、障害福祉サービスならではの公的サービスです。そのため精神障害者や知的障害者については、65歳以上であっても年齢に関係なく障害者グループホームへ入居できるようになっています。
身体障害者は65歳未満の障害福祉サービス利用で入居可能
一方で注意が必要なのは高齢(65歳以上)の身体障害者です。障害があるといっても、高齢になって体の動きが悪くなったり、難病を発症したりするのは普通です。そのため、高齢の身体障害者はすべての人が自由に障害者グループホームへ入居できるわけではありません。
高齢の身体障害者で障害者グループホームへ入居できる人の条件としては以下があります。
- 65歳に達する前日までに障害福祉サービスを利用したことがある
障害福祉サービスとしては、就労移行支援や居宅介護、自立訓練などさまざまです。ただいずれにしても、65歳より前に障害者として障害福祉サービスを利用したことのある人のみ、65歳以上になっても障害者グループホームを利用できます。
いま病気によって障害者であっても、65歳以上のときに身体障害者手帳を保有したのであれば、障害者グループホーム利用の対象外です。それに対して、65歳未満のときから障害福祉サービスを活用していた場合、老人ホームではなく障害者グループホームを選択しましょう。
低所得の高齢障害者は障害者施設が最適
65歳以上(または40歳以上)になって施設への入居を考えるとき、どうしても老人ホームを考えてしまいます。ただ障害者の場合は低所得者ですし、それまでの貯金もありません。そのため、金銭面の問題で有料老人ホームへ入居することができません。
そこで障害者の場合、65歳以上であっても障害者グループホーム(共同生活援助)への入居を考えましょう。老人ホームの料金が高く、費用を払えない低所得者であっても、何も問題なく住めるほど低い金額になるのが障害者グループホームです。
貯金無しであっても障害者グループホームへ入居できるのは、サービス料無料や家賃補助が大きく関係しています。なお精神障害者や知的障害者であれば年齢に関係なく住めるものの、身体障害者は「65歳より前に障害福祉サービスを利用していた」という条件があります。
お金の問題で老人ホームに住めない障害者は多いです。そこで老人ホームの費用を払えない場合、障害者グループホームにて格安で入居しましょう。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
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