知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者であれば、障害者グループホームを利用することができます。障害がある場合、誰でも格安にてシェアハウスのような形で利用できるのがグループホームです。

それでは、障害者グループホームの1日はどのような生活の流れになるのでしょうか。利用者にとって、グループホームは家です。ただ共同生活をする場所でもあるため、時間は決められています。障害者施設を利用することにより、規則正しい生活を送れるようにするのです。

また平日と休日では、当然ながら利用者のスケジュールは異なります。特に土日・祝日では、利用者は自由に行動できます。

それでは、一般的なグループホームでの1日の流れはどのようになるのでしょうか。知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者について、グループホームでの平日と休日の過ごし方を確認していきます。

朝に起き、食事をして仕事に行く準備をする

グループホームを利用している障害者というのは、障害が軽度であれ重度であれ、多くのケースで日中は働いています。体調が優れない場合は休むことがあるものの、そうでない場合は仕事へ行くのです。

そのため「朝に起き、通勤の準備をして、夕方に帰ってくる」というパターンは健常者と同じです。グループホームによって時間は異なりますが、例えば平日だと以下のようなスケジュールになります。

  • 6:00:起床
  • 7:00:朝食、通所・通勤の準備
  • 9:00:日中活動先へ通所・通勤
  • 16:00:帰宅
  • 17:00:入浴(順番)・洗濯など
  • 18:00:夕食
  • 22:00:消灯

当然ながら、まずは朝に起きなければいけません。特に精神障害者では、睡眠薬や抗不安薬を服用しているケースがよくあり、この場合は朝の寝起きが悪いです。例えば、以下は有名な抗不安薬(精神安定剤)です。

ただひとまず、仕事がある以上は起きなければいけません。もし薬の効果が長くて朝に起きれない場合、医師に相談して薬を変えるなど、対策をする必要があります。

なお知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者について、日によって体調は異なります。そのため、薬以外の要因によって起きれないこともあります。例えば、てんかん発作をもつ場合は無理に起きないほうがいいかもしれません。これについては、その場の状況によって変わります。

実際に起きたら朝食です。グループホームの利用者が集まり、リビングで食事をとることになります。

ご飯を食べたら、歯磨きや着替えなどを自分で行います。仕事や就労施設へ出向くため、準備をする必要があるのです。

一般企業や就労施設で仕事・作業を行う

準備ができたら通所・通勤です。「一般企業で勤務している」「就労支援施設で短時間だけ働く」など、障害の程度によって勤務先や作業内容は異なりますが、いずれにしても出勤しなければいけません。

このとき障害の程度が軽く、自らの力で電車やバスなどの公共交通機関を利用して出勤できる場合、歩いて仕事場まで通うことになります。

なお障害者グループホームと職場が近い場合、自転車で通う人もいます。ひとまず通勤できればいいため、通い方は何でもいいです。

なお重度の知的障害や精神障害、難病によっては、公共交通機関を利用しての通所・通勤が難しいケースがあります。この場合、送迎車がグループホームまで迎えに来るため、車に乗って就労支援施設へ出かけることになります。

帰宅後は食事やお風呂、洗濯をする

人によって帰宅時間は異なりますが、16:00や17:00になると、障害者施設の入居者は職場・就労施設から戻ってきます。

部屋に浴槽やトイレが備え付けとなっているワンルームであればいいですが、多くの場合、グループホームでは浴槽が共同施設となっています。このときお風呂の順番は事前に決まっていることがほとんどであり、順番にお風呂へ入ることになります。

当然、浴槽を使用中のときは以下のように「入浴中」であることがわかるようにします。

通常、入浴では「必要なものを自分の部屋に置き、お風呂のときにもっていく」ことになります。このとき、職員が入浴の声がけを行いますが、施設利用者たちで声がけをするケースもあります。

また夕食までは自由時間です。それまでにお風呂だけでなく、洗濯をしたり、リビングで過ごしたりします。どのように過ごすのかは本人次第です。

なおシェアハウスのような形式であるため、通常は洗濯物を自分の部屋(または自分の部屋にあるベランダ)で干すことになります。

すべての入居者の洗濯物がごちゃまぜになっていると、誰のものかわからなくなります。そこで、洗濯物を自分の部屋で干すのです。

重度の知的障害者・精神障害者であっても、基本的には自分で洗濯物を干すことになります。スタッフに干し方を教えてもらうことにより、少しずつ行えるようになれば問題ありません。障害者グループホームというのは、共同生活を通して利用者の自立を支援する場なのです。

夕食後は消灯までリビングなどで過ごす

多くの場合、18:00~19:00が夕食の時間です。食事介助はないケースが多いですが、常に医療的ケアが必要であったり、特殊な事情があったりする場合、職員が対応してくれます。

障害や病気により、特定のものを食べれないケースもあると思います。その場合は事前にスタッフへ伝え、考慮してもらう必要があります。ただ規則正しい生活を送る共同生活の場であるため、特殊な事情がない限り、ほかの利用者全員と同じ食事内容となります。

夕食後は消灯まで、自由時間となります。まだ洗濯をしていない場合、消灯までに洗濯物を終わらせて干す必要があります。リビングでテレビをみても問題ありません。自分の部屋で過ごすことも可能です。スタッフが話し相手になってくれることも多いです。

こうして22:00など消灯の時間なると、寝ることになります。睡眠前に服用する薬がある場合、21:00あたりに薬を飲むことにより、睡眠障害を改善できるようにします。

土日・祝日は外出や趣味など自由

平日に仕事へ行くため、平日だと時間がすぐに過ぎます。一方、週末は仕事がないので買い物のために外出したり、趣味の時間に使ったりできます。

どのグループホームでも外出は自由です。平日だと自由時間が少ないため、外出する人はそこまでいません。平日に近くのコンビニやスーパーへ出向く人はいるものの、多くはないのです。それに対して、休日は時間があるので買い物へ出かけたり、自室で過ごしたりと自由です。

外出をするとき、例えば以下のようなホワイトボードを利用して、どこへ行き、何時に戻るのかスタッフがわかるようにします。

ただ共同生活の場であるため、時間は決まっています。以下は一般的な土日・祝日のスケジュールです。

  • 6:00:起床
  • 7:00:朝食
  • 12:00:昼食
  • 18:00:夕食
  • 22:00:消灯(門限)

外出する場合であっても、食事の時間までは戻ってくることになります。もし食事や門限の時間になっても現れない場合、介護職員は慌てます。「何か事件・事故に巻き込まれたのでは?」と考えるのです。

実際、外出先で不安症状が現れて動けなくなり、熱中症で倒れるなどのケースはよくあります。そのため外出は自由ですが、時間は守らなければいけません。

なお、グループホームの自室でテレビをみたりゲームをしたりするのは特に問題ありません。たとえゲームに熱中して時間経過に気づかなくても、食事や消灯の時間になれば職員が声かけをしてくれます。

休日に施設利用者のみんなで出かけることもある

複数の障害者や難病患者で一緒に過ごすため、施設の利用者全員で土日・祝日に外へ出かけることもあります。近くの公園へ出向いたり、お花見をしたりするのです。例えば以下は、近くの公園まで出向いたときの様子です。

どのグループホームもレクリエーションや行事イベントとして外出することがあるため、このときはみんなと一緒に行動しましょう。

また障害者施設によっては、休日のある一日を利用してそうじや草むしりをすることもあります。以下は実際の様子です。

実家で過ごすのとは異なり、あくまでも共同生活をする場所がグループホームです。そのため、週末によっては「全員で公園へ外出する」「2時間のそうじをする」など、事前に決められていることがあります。これについては従う必要があります。

ただ基本的には、重度の知的障害者・精神障害者であっても土日・祝日の過ごし方は自由です。食事や門限の時間を守り、グループホーム側が提案するイベントに参加すれば、あとはどこで何をしてもいいのです。

知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者は自由に過ごせる

知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者にとって、グループホームは家です。家であるため住民票を移すことができますし、自由に外出できます。自室でテレビを見たり、ゲームをしたりしても問題ありません。リビングでほかの利用者と会話することもできます。

ただ平日は重度の知的障害者・精神障害者を含めて働きに出かけます。その日の体調を見る必要はあるものの、働くので時間はすぐに過ぎます。

なお週末について、スケジュールは障害者次第です。買い物へ出かけてもいいし、映画を見に行ってもいいです。ずっと自室で過ごすこともできます。時間を守る必要はあるものの、それ以外は特に指示出しされることはありません。

障害者が自立し、規則正しい生活を送れるように支援するのが障害者グループホームです。ここでは一般的な1日の流れやスケジュールを紹介しましたが、具体的な施設での過ごし方は利用者によって大きく左右されます。

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家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。

障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。

ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。

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