兄弟姉妹に引きこもり・ニートがいるケースがあります。親が若くて生きている間は特に問題ありません。ただ親が高齢であったり、死亡したりする場合、「引きこもりの兄弟姉妹の面倒を自分がみないといけないのか」と考えてしまいます。
そのため、親の高齢化や親の死後に「引きこもり・ニートの兄弟と縁を切りたい」と考えるのは普通です。見捨てることができればストレスや負担はありません。
ただ実際には、公的制度を利用すればよく、見捨てる必要はありません。また金銭面でも、新たな負担をゼロにできます。それでは、引きこもり・ニートの兄弟姉妹に対して、どのように対処すればいいのでしょうか。親の死後であっても、負担をゼロにする方法を解説していきます。
もくじ
障害者は引きこもり・ニートになりやすい
大人で引きこもり・ニートというのは、高確率で障害者といえます。軽度の知的障害者であったり、精神疾患を抱えていたりするのです。例えばうつ病や統合失調症、発達障害、パニック障害、アルコール依存症など、精神障害者であるために十分に働けない人は多いです。
むしろ、これらの病気を抱える障害者だからこそ大人になっても働かず、引きこもりになっているといえます。実際、引きこもり・ニートの約8割は精神疾患を有しているといわれています。
そうしたとき、親が引きこもりの兄弟に対する面倒を見ていても、いつか先に親は死にます。また、高齢になると引きこもり・ニートの面倒を見ることはできません。そうして何も対策をしないと、あなたがニートの兄弟の面倒を見なければいけなくなります。
親が死んだらどうする?縁を切り、見捨てる必要はない
そのため、「親が死んだらどうなるのか?」と心配する人はたくさんいます。また、縁を切ることで見捨てることはできないのか考える人もいます。
ただこれについては、縁を切る必要はないですし、ニートの兄弟姉妹を見捨てる必要もありません。日本では障害者に対する公的制度が整っているからです。
例えば知的障害者や精神障害者、身体障害者の場合、障害者グループホーム(共同生活援助)を利用できます。たとえ障害の程度が軽く、うつ病や統合失調症、パニック障害が落ち着いていたとしても、障害者グループホームを活用可能です。
複数の障害者が共同生活を送る施設が障害者グループホームです。低所得者はサービス料が無料であり、家賃は国や自治体から補助金が出ます。そのため食費や水道光熱費、その他の雑費を含め、格安で生活可能です。
あなたが面倒を見なくても、障害者グループホームの介護スタッフがニートの兄弟姉妹の面倒を見てくれます。こうして、縁を切ったり見捨てたりしなくても、障害者施設を利用することですべての問題を解決できます。
なお、障害者グループホームに兄弟姉妹を預けた後、必ずしも施設へ出向く必要はありません。自分自身の仕事や家庭が忙しいのであれば、引きこもりの兄弟を預けた後、そのまま放置してもいいです。
「兄弟が精神疾患をもっていて引きこもり」「結婚を考えている人の妹がニート」など、人によって抱えている問題は異なります。そこで、引きこもりの兄弟姉妹について障害者施設の利用を考えましょう。
扶養義務はなく、生活保護の利用で金銭的負担はゼロ
なお引きこもりの兄弟姉妹について、扶養義務はありません。民法上では「兄弟姉妹には扶養義務がある」となっています。ただ民法では、「自分自身で精一杯の場合、自己犠牲してまでの扶養義務はない」とも記されています。
実際のところ、ニートの兄弟を扶養できるほど十分な余裕のある人はほとんどいません。そのため、特に扶養する必要はないです。
また障害者グループホームを利用する人について、ほとんどは生活保護にて過ごしています。そこで同じように、親の高齢化や親亡き後に引きこもりの兄弟が生きていく方法として生活保護を活用しましょう。
低所得であることに加えて、資産がなければ生活保護を利用できます。また、引きこもりの兄弟に多少の資産があっても、資産が尽きた段階で生活保護を申請すればいいです。
障害者グループホームを利用している場合、ほぼ確実に生活保護を利用できます。もちろん生活保護を申請するとき、あなたに対して役所から「面倒を見れないか?」と連絡が入ります。このとき、扶養を拒否すれば生活保護が通ります。
介護スタッフによる支援によって物理的な負担がなくなるだけでなく、生活保護の利用によって金銭的な負担もなくなります。そのため、引きこもり・ニートの兄弟を見捨てなくても問題を解決できます。
早めに障害者グループホームを利用するべき
このように絶縁状態にしなくても、引きこもりの兄弟に対するストレスから逃れる方法があります。そうしたとき、できるだけ早い段階で障害者グループホーム(共同生活援助)を活用しましょう。
「親が高齢になって面倒を見れなくなったら依頼する」「親が死んだら障害者施設を活用する」という場合、実際のところ後悔する人がほとんどです。
親が高齢になった段階では、親も要介護となって動きにくくなるため、さまざまな手続きが煩雑になります。そのため、親がまだ動ける段階にニートの兄弟の対策を実行に移しておくほうがいいです。
また年齢を重ねるほど、新たな環境へ順応しにくくなります。これが障害者となると、新たな環境に慣れるのがさらに大変になります。そこで最も年齢の若い今の段階で障害者グループホームに慣れておくのです。
デイサービスや就労を含め、日中活動が可能
できるだけ早めに障害者グループホームを利用するべきなのは他にも理由があります。それは、早めに障害者施設を活用するほど、規則正しい生活や日中活動を通して引きこもり・ニートの状態から脱することができるからです。
最初は施設に慣れ、病気の症状を落ち着かせるため、障害者グループホームで過ごすことを重視します。ただ、ある程度の時間が経過したら、デイサービスや就労などの日中活動を行うのが基本になります。障害者グループホームでは、たとえ症状が重度でも日中活動を行うのが普通です。
これらデイサービスや就労などの日中活動を行えば、少なくとも引きこもりの状態からは脱することができます。
実家にて引きこもりをしている兄弟姉妹が対策なしに社会復帰することはありません。そこで、環境を変える必要があります。また障害者施設の介護スタッフは「障害者が行えることを増やす」ことを目的に支援しています。
障害者グループホームに住む人は全員が障害者であり、ほとんどの人が日中活動をしています。そこで、そのための支援を介護スタッフが行うのです。ただ年齢が高いと、デイサービスや就労を開始するにしても順応しにくいです。そのため、やはり早めの障害者施設の活用が優れます。
引きこもりの兄弟に親が甘い場合、拒絶すればいい
なおよくあるケースとして、「両親が引きこもり・ニートの兄弟に対して甘い」というパターンがあります。両親は高齢によって持病が悪化し、引きこもりの子供の面倒を見るのが難しくなったため、健常者であるほかの子供に「引きこもりの兄弟姉妹を託す」というわけです。
ただ、当然ながら引きこもりの兄弟姉妹のために自分の家庭をめちゃくちゃにされるのは嫌です。特に既に結婚している人であれば、子供や配偶者ならまだしも、ニートの兄弟を養うためにお金を捻出したくありません。
そのため障害者グループホームの利用が大原則になりますが、「障害者施設には絶対に預けたくない」という親がいるかもしれません。または、引きこもり本人が障害者施設を拒絶するかもしれません。この場合に限り、仕方ないので絶縁状態にして兄弟を見捨てましょう。
実際のところ、障害者施設を利用しない限り解決法は存在しないです。また、一方的に負担やストレスを押し付けられるのは迷惑でしかありません。そのため、「引きこもりの兄弟が障害者グループホームへ入るのが絶対条件であり、それ以外の場合は絶縁状態にする」と伝え、一歩も譲らないようにするといいです。
障害者施設が嫌というのは、親や本人の甘えでしかありません。また、親や障害者(引きこもり)の甘えに付き合っている暇はありません。そのため親が引きこもりの兄弟の面倒を見れない場合、障害者グループホームの利用を絶対条件にするといいです。
絶縁でなくても負担をゼロにできる
「兄弟に引きこもりがいる」「結婚相手の姉妹にニートがいる」という場合、どうしてもストレスが大きくなりやすいです。特に親が高齢になったり、親が死亡したりすると負担が大きくなってしまいます。
ただ大人で引きこもり・ニートというのは、多くの人で精神障害者であることを意味しています。こうした障害者であれば、軽度であっても障害者グループホームを利用できます。
介護スタッフがすべての面倒を見ることになり、お金は生活保護でまかなうことができるため、縁を切らなくてもすべての負担がなくなります。また規則正しい生活や日中活動を通し、引きこもりからの改善も図れます。このとき、できるだけ早い段階から障害者グループホームに住まわせることで施設に慣らせましょう。
引きこもりの兄弟について、絶縁状態や見捨てることでストレスから逃れることを考えている場合、公的施設を活用するといいです。こうして親の死後であっても、引きこもりの兄弟の世話をする必要なしに、いつも通りの生活が可能です。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
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