障害者グループホーム(共同生活援助)に入居している知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者は多いです。こうした障害者について、昼間に仕事をしている人はたくさんいます。
このときの仕事というのは、作業所で働くことを意味しています。つまり障害者グループホームから、就労継続支援A型(就労A)や就労継続支援B型(就労B)へ出向くことで働くのです。これにより、労働賃金を得られます。
また就労継続支援A型・B型によって仕事に慣れれば、最終的に一般企業で働くなど社会復帰をすることもできます。
それでは障害者グループホームに入居している人について、どのように就労継続支援A型・就労継続支援B型を利用すればいいのでしょうか。障害者グループホームにて就労Aまたは就労Bを併用するときの考え方を解説していきます。
もくじ
共同生活援助から就労A・就労Bへ行く人は多い
障害者グループホーム(共同生活援助)を利用している人について、多くのケースで昼間に日中活動をします。このときの日中活動として、作業所での仕事はメインになりやすいです。
たとえ重度の障害者であっても仕事をするのが一般的です。毎日の仕事が無理な人であっても、週に2~3日などで短時間の仕事をすることもできます。
一般企業で働けない障害者にとって、作業所にて得られる労働賃金は貴重です。また就労継続支援A型・B型で働いても低所得者である事実は同じであるため、継続して障害者グループホームで格安にて生活できます。
就労継続支援A型は雇用契約を結ぶ
このとき、障害の程度に合わせて就労Aと就労Bの利用を見極めます。障害者グループホームに入居している人の中でも、軽度から中等度の障害者で就労継続支援A型が利用されます。
就労継続支援A型の一番の特徴としては、雇用契約を結んで働くことがあります。雇用契約を結ぶ以上、就労継続支援A型では無断欠勤を繰り返すとクビになります。
就労Aでの労働時間は1日に4~6時間ほどであり、一般企業よりも短いです。ただ雇用契約を結ぶ以上、きちんと作業所へ出向かなければいけません。このとき、仕事内容は例えば以下になります。
- パソコンによるデータ入力
- Web作成
- 部品加工
- 商品の梱包・発送
- カフェでの接客
このように、一般的な就労と内容は変わりません。ただ障害者向けの労働形態であるため、雇用契約を結ぶとはいっても、短時間勤務になるというわけです。
就労継続支援B型は雇用契約なしに利用する
それでは就労Aに対して、就労Bはどのような勤務形態になるのでしょうか。雇用契約を結ぶ就労継続支援A型に対して、就労継続支援B型では雇用契約を結ばずに働きます。そのため就労Bでは急に仕事を休んでも問題ないですし、週1~2回の仕事も可能です。
就労継続支援B型では軽作業がメインになり、内職のような仕事内容になります。就労Aと同様に仕事の内容は幅広く、例えば就労Bでは以下があります。
- 袋詰めや値札付け
- 衣服のクリーニング
- パン・お菓子の製造
- 簡単なパソコン入力作業
- 農作業
就労継続支援A型のように決まった時間での労働は無理であっても、就労継続支援B型であれば気軽に作業所での仕事を開始できます。そのため、就労Aで働く前のステップとして就労Bを利用する障害者は多いです。
得たお金は障害者グループホームでの生活で使う
なお作業所ではあっても、仕事をするので労働賃金を得られます。このとき、月の平均月収は以下のようになっています。
- 就労継続支援A型:月に約8万円
- 就労継続支援B型:月に約1万5000円
仕事内容によって時給は異なりますし、労働時間によっても得られる賃金は大きく変わります。そのため一概にはいえませんが、こうした労働賃金になると考えましょう。
なお就労Bは雇用契約なしで働く軽作業になるため、最低賃金を大きく下回る時給になります。そのため、就労Bから就労Aを目指してステップアップを目指す障害者は多いです。
こうして得たお金は障害者グループホームで生活するときの費用として利用します。よくあるのは、ジュースやお菓子を買うときのお金として利用されます。
たとえ生活保護受給者であっても、月15,000円までは控除によって労働賃金を全額利用できるため、働いた分だけ収入を上げることができます。こうして、労働した分だけ障害者は自由に使えるお金が増えます。
企業就職を目指すなら就労移行支援
なお障害者の中には、障害者雇用などで企業就職している人もいます。この場合、障害者ではあっても健常者と同様にフルタイム勤務(またはアルバイト)をします。
障害者が企業就職を考える場合、就労移行支援を利用します。一般就労するために必要なスキルを身に着けるための障害者向けサービスが就労移行支援です。就労継続支援A型や就労継続支援B型のように賃金を得られることはないものの、企業就職に向けて準備するのです。
当然ながら、障害者グループホーム(共同生活援助)へ入居しつつ、就労移行支援へ通うのは問題ありません。
一般的には、就労Aを継続できたら次に障害者雇用を目指します。また軽度の障害者であれば、就労Bからいきなり障害者雇用を目指す人もいます。いずれにしても、企業就職を目指すために障害者グループホームから就労移行支援へ通います。
ステップアップを目指し、グループホームで活動する
このように、社会復帰を目指すためのステップアップとして障害者グループホーム(共同生活援助)を利用します。就労Bから就労Aを目指し、就労Aに慣れたら次に企業就職を考えるのです。
このとき障害者グループホームへ継続して入居するのは問題ありません。実際のところ、障害者グループホームに住みながら一般企業で働いている人はたくさんいます。
また、必ずしも企業就職や就労Aを目指す必要はありません。知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者で障害の程度が重く、ずっと就労Bを活用している人はたくさんいます。ただ就労Bであっても労働賃金を得られるため、障害者にとっては貴重なお金になります。
規則正しい生活によって社会生活を送るとき、障害者であっても仕事をするのは重要です。そこで、障害者グループホームの入居者は就労Aや就労Bを活用するのです。
共同生活援助に入居しつつ作業所で働く
障害者グループホーム(共同生活援助)へ入居し、日中活動をするとき、メインとなる日中活動の一つが作業所での労働です。こうした作業所には就労継続支援A型と就労継続支援B型があります。
就労Aは雇用契約ありで勤務します。労働時間は短いものの、一般就労とほとんど同じ仕事内容であるため、きちんと働けばそれなりの給料になります。
一方で就労Bは最低賃金を大きく下回ります。雇用契約なしで短時間だけ働き、仕事内容は軽作業になるからです。ただ就労継続支援B型で働いている障害者は非常に多く、たとえ生活保護であっても障害者にとって大きな収入源になります。
障害者にとって社会復帰を促す場が障害者グループホームです。そこで就労A・就労Bを併用し、実際に仕事をすることで賃金を得ながら障害者グループホームで生活するといいです。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
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