自治体が用意している障害者向けの公的支援制度として移動支援があります。移動支援を利用することにより、一人では外出できない障害者であっても外へ行けるようになります。

ただ家族と同居している場合、または家族が近くに住んでいる場合、「移動支援によって障害者が外出するときに家族が同行できないのか?」と考えることがあります。親族に加えてヘルパーが支援することで、外出はスムーズになります。

一般的には、障害者一人だけで移動支援を利用します。ただ場合によっては、家族同行が認められます。そこで、どのような場面で家族・保護者による同伴が可能なのか解説していきます。

通常、移動支援は一人で利用する

障害者が外出支援サービスを依頼するとき、通常は障害者一人で利用して、ヘルパーと一緒に二人で外出することになります。理由は単純であり、家族が障害者に同行する場合はヘルパーが不要だからです。家族が障害者と一緒に外出するのであれば、家族が障害者の介護をすればいいです。

家族が障害者の介護をするのは、ある意味当然です。またヘルパーよりも、家族のほうが障害者の特性を理解しています。

移動支援は利用料金が低く、ほとんどは税金によって賄われています。そのため意味のない場面で利用することはできず、親や兄弟などが支援できる場面では、親族が障害者の介助をすることになります。

家族・保護者の同伴が可能なケースは何か

それでは移動支援を利用するとき、家族・保護者が同行できるケースとしては何があるのでしょうか。事情によって異なりますが、例えば以下の場面があります。

  • 強度行動障害など、保護者だけでは対応できない
  • 他の子供を連れて行くため、介護補助が必要

それぞれについて確認しましょう。

多動や他害など、保護者だけでは対応できない

障害者によっては、多動や他害(暴力行為)などを起こすことがあります。重度の知的障害者・精神障害者を含めて、日々の行動に問題がある障害者への外出時の介助は大変です。

例えば以下は、障害者が外出時に暴れた後の様子です。

このように外で暴れると警察沙汰になりますし、保護者は弁償しなければいけません。また、家族が障害者を押さえつけるにしても大変です。特に障害者が中学生以上や大人など、ある程度まで体格が大きくなった場合、保護者一人で付き添うのはリスクが大きいです。

そこで移動支援を利用するなど、ヘルパーが付き添うことで障害者がパニックになったとしてもすぐに対処できます。そのため、特別な対応が必要な場合は家族の同行が認められます。

他の子供を連れて行くため、介護補助が必要

また家族が障害者の介助をするにしても、障害者だけでなく複数人と一緒に外出するのは普通です。このとき他の子供を一緒に連れて行く場合、家族は障害者だけに注意を向けることはできません。子供の場合、たとえ健常者であっても好き勝手な行動を取るからです。

障害者のそばにたとえ家族がいたとしても、障害者の介護のみに集中するのが難しい場合、移動支援を用いた介護の依頼は可能です。

家族に加えてヘルパーが同行することで、家族は障害者以外の子供の支援に集中できます。家族が障害者の介助をしなくても、ヘルパーがいれば障害者の心配をする必要はありません。

なお自治体ごとに判断は異なり、「他の子供を引き連れて外出するにしても、保護者が一緒なのであれば移動支援の利用を認めない」と設定している自治体もあります。そのため、あなたが住んでいる自治体の支援内容を確認しましょう。

非常に重度の場合は重度訪問介護を利用

ちなみに、中には非常に重度の障害者もいます。ある程度まで自分で行うことのできる知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者であれば問題ないものの、そうでないケースがあるのです。例えば、以下のような障害者です。

  • 寝たきりに近い人:重度心身障害者など
  • 強度行動障害のある人:ひんぱんな暴力行為など

こうした最重度の障害者の場合、重度訪問介護を利用できます。長時間介護が前提となっている公的サービスが重度訪問介護であり、家族同行も認められています。

障害児は利用できず、大人の障害者が利用できる障害福祉サービスではあるものの、重度訪問介護であれば「家族旅行にヘルパーが同行する」なども可能です。当然のように家族が同行できるため、重度訪問介護は移動支援よりも柔軟な支援内容になっています。

移動支援で家族・保護者の同行は状況次第

障害者が移動支援を用いて外出するとき、障害者一人だけでの外出ではなく、家族・保護者が同伴することもあります。

通常、外出支援サービスを利用するときは障害者とヘルパーのみで外出します。家族がいるのであれば、わざわざヘルパーが同行する意味はありません。

ただ場合によっては、家族同行をしても問題ない場面があります。例えば障害者に多動や他害がある場合、保護者だけで介護するのは難しいです。また他の子供を連れて行くなどの場面では、ヘルパーが同行することでようやく障害者をサポートできるようになります。

移動支援で家族同行が可能かどうかは障害者の状況や自治体の判断によって異なります。そこで、保護者と一緒にヘルパーも同行できるかどうか役所で確認しましょう。

【全国対応】完全無料にて優良な障害者グループホームを紹介!

家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。

障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。

ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。

そこで、当サイトでは完全無料で障害者グループホームを紹介するサービスを日本全国にて実施しています。「いますぐ入居したい」「いまの障害者グループホームから他の施設へ移りたい」「強制退去となり、新たな施設を探している」など、軽度から重度の障害者を含めてあらゆる方に対応しています。

障害者グループホームの応募ページへ→

YouTubeでの障害者情報

Instagramでの障害者情報

TikTokでの障害者情報

【全国】障害者グループホーム・障害者支援施設の募集