障害児であっても、子供の頃から年齢を重ねて18歳になると成人になります。大人になる場合、18歳になる前にやるべきことがあります。また、18歳になった後に行うべきこともあります。

特に成人になると、子供の頃とは違って多くの障害福祉サービスを利用できるようになります。就労してもいいですし、障害者グループホーム(共同生活援助)を利用することで親元を離れて暮らしてもいいです。

そのため正しく制度を利用すれば、障害児の18歳の壁を解決できます。そこで、障害児が成人になるに当たってどのような制度を利用すればいいのか理解する必要があります。

障害児が成長して18歳になったらやるべきことがあります。そこで、障害をもつ子供が成人になったときに行うべきことを解説していきます。

18歳の前に必ずやるべき子供名義の預金口座開設

まず、障害児が成人になる前に行うべきことがあります。それは子供名義の預金口座の開設です。子供の障害が軽度なのであれば何も問題ないですが、子供の判断能力が乏しい場合、事前の口座開設は必須です。

未成年であれば、親が法定代理人となって自由に口座開設できます。一方で障害児が成人になった後では、本人の委任状がないと口座開設できません。ただ委任状の作成では本人のサインなどが必要であり、重度の障害者であれば難しいです。

委任状のサインを偽装するかどうかは良心に任せますが、いずれにしても子供名義の預金口座は必要です。口座があれば障害年金を受け取りできますし、18歳以上の大人になった後にさまざまな場面で利用できます。

本人に金銭管理能力がない場合、もちろん口座利用で気を付けるべき点は多いです。ただ障害者の場合、障害年金や就労などでお金を得るのは普通なので、銀行口座開設は重要です。

知的障害者の場合、療育手帳を更新する

なお身体障害者や精神障害者であれば関係ないですが、知的障害者は障害者手帳の更新が必要になります。療育手帳(愛の手帳)について、18歳になったら更新しなければいけません。

療育手帳で再判定を受けることにより、そのときのIQをもとにして療育手帳の等級が判断されます。

知的障害者であれば、既に何度も更新手続きをしていると思います。また知的障害者は18歳で更新と決まっているため、18歳を基準に手続きをしましょう。

利用できる大人向けの障害福祉サービスは多い

なお18歳になると、子供向けの障害者サービスを利用できなくなります。例えば学校を卒業すれば、それまで通っていた放課後等デイサービスを利用できません。そのため、親によっては18歳の壁を生じます。放課後等デイサービスによって18:00まで障害児を預けていたものの、それを行えなくなるのです。

ただ成人向けの障害福祉サービスを利用すれば、こうした18歳の壁を簡単に解決できます。そのため、大人の障害者が利用する障害福祉サービスの中身を知らなければいけません。このとき、障害児が成人になるに当たって特に重要な障害福祉サービスが以下になります。

  • 生活介護
  • 自立訓練
  • 就労:就労継続支援A型・B型や就労移行支援
  • 障害者グループホーム

そこで、18歳以上で利用できる障害福祉サービスを確認しましょう。

生活介護と日中一時支援を利用して預かってもらう

子供の障害者であれば、多くの障害児で放課後等デイサービスを利用します。一方で大人向けのデイサービスが生活介護です。生活介護を利用することで、送迎を含めて障害者はデイサービス施設で過ごせるようになります。

放課後等デイサービスとは異なり、軽度の障害者は生活介護を利用できません。ただ、中等度や重度であれば生活介護を利用できます。

また生活介護を利用する場合、16:00などには帰宅することになります。放課後等デイサービスのように、18:00などまで預かってくれるわけではありません。そのため働いている親について、「子供が18歳以上になることで時短勤務をしなければいけないのか?」という問題を生じます。

これが障害児の18歳の壁ですが、この問題を解決する方法は複数あります。その一つが以下の利用法です。

  • 生活介護+日中一時支援

障害児や障害者を一時的に預かってくれるサービスが日中一時支援です。生活介護と日中一時支援は同日利用にて併用でき、生活介護の後に日中一時支援を利用して問題ありません。そのため、日中一時支援と組み合わせれば障害者を19:00や20:00まで預かってくれるようになります。

自立訓練で生活能力を身に付ける

また成人であれば、自分の力で生きていかなければいけません。そうしたとき、身体機能・生活能力を向上させることで社会生活を送れるようにするサービスが自立訓練です。例えば、自立訓練によって以下の特訓をします。

  • 食事、洗濯、そうじ
  • 金銭管理
  • 公共交通機関の利用

また身体障害者であれば、リハビリを含めて訓練をすることによって社会生活を送れるようにします。知的障害や精神障害、身体障害があるにしても、自立訓練を通して社会生活を送れるようにするのです。

大人では自分で生活しなければいけないため、放課後等デイサービスよりも実践的な内容を自立訓練で学びます。そのため社会生活をまだ十分に送れない場合、大人になった段階で自立訓練を活用するのは問題ありません。

就労により昼間に働く:就労継続支援・就労移行支援

また障害者について、たとえ重度であっても昼間に就労するのは一般的です。こうした就労系サービスとして以下があります。

  • 就労継続支援A型
  • 就労継続支援B型

一般企業への就職は難しいものの、雇用契約によって働ける障害者は就労継続支援A型によって昼間に働きます。

一方でより重度の障害者であり、内職のような作業を雇用契約なしで行う就労方法が就労継続支援B型です。単純作業であるため、就労継続支援B型は就労継続支援A型に比べて賃金が非常に低くなります。

また障害者ではあるものの、障害が軽度であり一般企業での就職が可能なのであれば、障害者雇用を含めて一般企業での就職を目指す就労移行支援を利用できます。要は、障害者であっても働くための方法はいくつもあります。

障害者グループホーム(共同生活援助)で一人暮らし

なお子供(障害児)では利用できないものの、大人で利用できる障害福祉サービスに障害者グループホーム(共同生活援助)があります。18歳以上の成人であれば障害者グループホームを利用できます。

障害者が共同生活を送る場所が障害者グループホームであり、障害者が親元を離れて暮らす場合、障害者グループホームの利用が第一選択肢になります。たとえ収入のない低所得者であっても、問題なく生活できるほど格安な施設が障害者グループホームです。

障害者グループホームを利用すれば、子供は完全に親から離れて暮らすようになります。これにより、家族の介護負担はゼロになります。また障害者グループホームを利用すれば、容易に18歳の壁を解消できます。

障害者グループホームには常に介護スタッフがいます。また施設での規則正しい生活を通して、昼間はデイサービスや就労などの日中活動をします。場合によっては障害者グループホームから卒業し、一般企業で就職&自立していく障害者もいます。障害者施設というのは、障害者の自立を促す場でもあるのです。

健常者の場合、高校を卒業したら親元を離れて生活するのは普通です。同じように、18歳以上の障害者についてもグループホームの利用で親から離れて生活できます。

障害支援区分と障害福祉サービス受給者証を得る

このように、放課後等デイサービスを利用できないことは問題ではありません。また大人向けの障害福祉サービスを正しく利用すれば、18歳の壁は存在しません。

ただこれら成人向けの障害福祉サービスを利用するためには、事前に障害福祉サービス受給者証を得なければいけません。受給者証がない場合、障害福祉サービスを提供している事業所と契約できません。そこで、18歳になったら以下の障害福祉サービス受給者証を得ましょう。

いま高校3年生であっても、高校3年の間に18歳になると思います。そこで、18歳到達の段階で早めに市区町村の役所で手続きを行い、利用したい障害福祉サービスの目星をつけて、障害福祉サービス受給者証を取得しておくのです。

新たに障害福祉サービス受給者証を得るには1~2か月の時間がかかります。ある程度の時間が必要になるため、18歳になったらすぐに障害福祉サービス受給者証を得る手続きを開始しましょう。

18歳到達で成人向けの障害福祉サービスを利用する

障害児は18歳到達の前後で行うべきことがあり、事前の銀行口座の開設は必須です。また知的障害者の場合、18歳到達で療育手帳の更新が必要です。

このとき障害児が18歳になると、学校の卒業によって放課後等デイサービスを利用できなくなるなど、多くの問題を生じるように考えてしまいます。ただこれは、成人向けの障害福祉サービスの内容を知らないために起こります。正しく障害福祉サービスを利用すれば18歳の壁は存在しなくなります。

むしろ、障害児向けサービスよりも大人向けサービスのほうが種類や内容は多いです。例えば大人になってもデイサービスを利用してもいいし、就労してもいいです。このとき、日中一時支援と組み合わせても問題ありません。または、障害者グループホーム(共同生活援助)によって完全に親元を離れて生活し、家族の介護負担をゼロにすることもできます。

ただ成人向けの障害福祉サービスを利用するには受給者証が必要です。そこで障害児の18歳到達により、早めに障害福祉サービス受給者証を得る手続きを開始しましょう。こうして、18歳になったら大人用の公的サービスを有効活用しましょう。

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