障害者グループホームを利用する知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者について、大きな問題の一つに結婚・出産・子育てがあります。

世間的には「障害者を差別してはいけない」「障害者でも結婚する環境を整えるべき」となりますが、現実問題として難しい問題が非常に多いです。障害者同士の結婚や育児の例はあるものの、数が多くないのは理由があるのです。

まず、夫婦で利用可能なグループホームは少ないです。これが出産・子育てに対応するとなると、さらに少なくなります。不可能ではないものの、障害者同士の結婚や育児を実現するには多くの壁があるのです。

それでは、障害者グループホームを利用して夫婦での生活や子育てはどのように考えればいいのでしょうか。障害者同士の結婚や育児について解説していきます。

障害者同士だと現実的にグループホーム外は生活が厳しい

夫婦について、一方が健常者であり、問題なく支えていける場合は特に問題ありません。ただ知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者について、恋愛では障害者同士の結婚が問題としてよくあります。

障害者では、グループホームを利用している人が非常に多いです。障害者グループホームであれば支援や補助を得ながら生活できるため、障害年金だけでも生活できます。セーフティーネットの一つであるため、ひとまず問題なく生活可能なのです。

ただ障害者について、ほとんどのケースで低収入です。こうした障害者同士が結婚し、妊娠・出産・子育てをするとなると、現実的に困難です。生活するにはお金の問題を解決する必要があり、この問題の解決が難しいのです。

まず、夫婦を受け入れてくれる障害者施設は非常に少ないです。一般的には、結婚することによって一般賃貸へ住むことになります。ただ賃貸住宅では家賃補助がなく、生活が困窮します。また、介護職員による支援もありません。

既に障害者グループホームを卒業しており、社会復帰している人なら特に問題ありません。ただ、いま現時点で障害者グループホームを利用している場合、結婚のハードルが非常に高いのです。

障害者施設のワンルームに夫婦で住むのは可能

それでは、結婚して夫婦になった後はまったく障害者施設を利用できなくなるのかというと、そういうわけではありません。

多くの場合、入居できるかどうかはグループホームの判断になります。施設側が「夫婦で入居しても問題ない」と判断すれば、結婚後も障害者グループホームで生活を続けられます。

このとき、障害者グループホームの多くで居室は狭いです。一人暮らしであれば十分な広さですが、子供を含む二人以上で住むとなると狭いです。これに我慢する必要はあるものの、部屋の内装は普通であり、以下のような部屋に住むことになります。

なお実際には、障害者グループホーム側が国に報酬請求をする関係上、夫と妻に対してそれぞれ一部屋が割り当てられることになります。そのため、障害者同士が結婚して障害者グループホームに入居する場合、2部屋が割り当てられることになります。

このとき一つの居室について、「夫婦である」などの理由で男女二人が住むことについては、特に問題ありません。または、二つの部屋に分かれて夫婦が住み、子供が生まれたのであれば「子供は妻の部屋に住む」なども可能です。いずれにしても、施設側の判断が最も重要になります。

夫婦を受け入れ可能な障害者施設は少ない

ただ前述の通り、現実的には夫婦での受け入れが可能な障害者施設は少ないです。介護・福祉施設では同性介助が基本であり、さらにはほぼすべての障害者グループホームで以下のように男性専用または女性専用に分かれています。

男女混合のグループホームは皆無であり、夫婦で住むとなると、この前提条件を壊すことになります。

なお現実的には、女性専用のグループホームに男性が住むわけにはいきません。一方、男性専用の障害者施設に女性が住むのはまだ許されます。そのため障害者同士が結婚によって夫婦で住む場合、「男性専用の障害者施設に奥さんを含めて夫婦が住む」ことになります。

障害者同士が結婚し、一般賃貸に住むなら何も問題ありません。ただ障害者グループホームにて格安で生活し続けることを考える場合、障害者側は多くの妥協をする必要がありますし、受け入れてくれる施設を本気で探さなければいけません。

妊娠・出産・育児までを想定したグループホームはさらに少ない

なお夫婦(男女二人)で住むことを承諾してくれる障害者施設であっても、その後の妊娠・出産・育児までを想定しているとは限りません。夫婦で住むのは問題ないものの、子育てまでとなると、育児までサポートしていないグループホームは多いです。

夫婦で住むことについて、「障害者グループホームに男女二人が住む」ことを除けば、特に大きな変化はありません。ただ妊娠・出産・育児となると圧倒的にスタッフの手間が増えます。

例えば妊娠・出産となると、定期健診のために女性は病院へ何度も通わなければいけません。

軽度の知的障害者・精神障害者など、自分の力で公共交通機関を利用できるなら特に問題ありません。ただ、こうした公共交通機関の利用が困難な人の場合、ほかの人が連れて行かなければいけません。

本来、妊娠に関する病院同行は介護職員の仕事ではありません。これを行うとなると、完全なるボランティアとなります。

また、実際に育児をするのは圧倒的に大変です。特に出産後、子供は定期健診や予防接種を含め、予定が非常に多いです。

これらのスケジュールを管理し、公共交通機関を利用して、そのつど障害者グループホームから病院へ通う必要があります。

「障害者も結婚や出産の権利がある」というのは当然ですし、これを否定してはいけません。ただ現実問題として、健常者でも育児は圧倒的に大変です。常に支援されている障害者が子育てを行うとなると、現実問題として非常に大変なのです。

いくら「障害者も権利がある」とはいっても、「障害者支援のため、介護職員は無償で子育ての支援をしなければいけない」というのは明らかに変です。育児をすべて自分たちで行える軽度の障害者なら問題ないものの、そうでない場合は厳しいというわけです。

数は少ないものの対応施設は存在する

それでは年収の低い知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者について、結婚・出産・子育てを受け入れてくれる障害者グループホームは存在しないのでしょうか。

数は非常に少ないものの、こうした障害者施設は存在します。以下の通りです。

ただニュースになるということは、それだけ「当たり前ではなく、こうした施設は非常に珍しい」ことも意味しています。

低所得の障害者同士が一般住宅に住むのは現実的に難しいです。そこで障害者グループホームを夫婦で利用できれば、介護職員の支援を得ながら格安にて住めます。そのためこうした施設を見つけることができれば、結婚や育児を含めて可能になるのです。

不妊治療の提案など、最悪な施設が存在した事実

「夫婦を受け入れてくれる障害者グループホーム」ではなく、「結婚に加えて、妊娠・出産・育児まで許可してくれる障害者施設」がなぜ重要なのかというと、過去には不妊治療の提案など、明らかな人権侵害をしたグループホームが存在したからです。

これについては、以下のように全国ニュースとなりました。

このグループホームについては、障害者同士で結婚して住むことは許可していました。ただ夫婦が生活をするのは問題ないものの、出産や子育てまでは想定しておらず、「絶対に子供が生まれないよう、不妊治療するのであれば結婚してもいい」という条件を設けていました。

こうして、不妊処置に応じた障害者夫婦が何組も生まれて大問題になったというわけです。こうした人権無視の粗悪なグループホームは実在するため、必ず避けなければいけません。

夫婦で住むことを許可してくれるだけでは不十分であり、結婚生活では出産・育児まで見据える必要があります。そうなると、子供を育てることまで含めて許可してくれる障害者グループホームを探さなければいけません。

子育ての支援は障害者施設独自となる

なお障害者グループホームにとって、障害者が規則正しい生活を送れるように支援するのは仕事であるものの、子育て支援までは想定していません。こうした育児支援は介護職員の仕事範囲を明らかに超えており、前述の通りボランティアになります。

もちろん、育児に詳しい介護職員は非常に多いです。介護業界では、職員の7割以上は女性であり、パート・アルバイトとなるとほぼ女性スタッフです。この中には、育児経験のある職員も多いです。

ただ他人(障害者)の子育てを支援するのは、明らかに介護職員が想定する仕事内容を超えているというわけです。

実際のところ、妊娠中よりも実際に子供が生まれた後のほうが圧倒的に大変です。赤ちゃんだと毎日の夜泣きがありますし、ハイハイを始めると家の中を自由に動き回ります。

障害の程度が軽度であったり、判断能力がしっかりしている身体障害者だったりなど、子供の管理をすべて障害者夫婦で行えるなら問題ありません。ただ、そうでない場合は介護職員が面倒を見ることになります。

日本の福祉制度は障害者の生活支援には対応しているものの、障害者の育児にはまったく対応していません。結婚すると一般住宅で生活することを前提としているため、障害者施設で育児をすることは想定していないのです。

そのため障害者施設で育児まで行う場合、「障害者施設のスタッフがどれだけボランティアで支援してくれるか」が重要です。これが、障害者同士の子育てが難しい理由です。

他の県の障害者施設へ移ることを考えるべき

ただ中には、障害者で結婚を考えている人がいるのは事実です。一方だけが障害者の場合、前述の通り一般住宅に住めばいいので問題ないものの、障害者同士の結婚だと低収入などの問題があるので、出産・育児まで見据えて夫婦で住める障害者グループホームを探さなければいけません。

この場合、これまで説明した通り、こうした障害者グループホームは非常に珍しいです。そのため、いま住んでいるエリアで見つけるのは不可能に近いと考えましょう。

そこで、ほかの都道府県まで含めて新たな障害者グループホームを探さなければいけません。住む場所を変えるのは大変ですし、新たな環境で就労支援施設や職場を探す必要もあります。

ただ実際のところ、よほど幸運な人を除き、「いま住んでいるグループホームが結婚・出産・育児まで対応している」というケースはありません。そこで住む場所については妥協し、ほかの地域を含めて夫婦での入居を受け入れてくれる障害者グループホームを探しましょう。

障害者同士の結婚・妊娠・子育ては可能だが難しい

一般的な賃貸住宅に住む場合、障害者夫婦は多くの場合で生活困窮者となります。障害年金や低い賃金で生活をするのは現実的に困難だからです。

そのため、最も現実的なのは「障害者グループホームを継続して利用し、夫婦で住む」ことです。障害者施設であれば、部屋は狭いものの格安で住めます。また、介護職員による支援も得られます。

ただ、夫婦での入居や子育てを許可してくれる障害者グループホームは非常に少ないのが現状です。現状、日本の福祉制度は障害者同士の結婚や妊娠、出産、育児にまったく対応していません。介護スタッフがボランティアを受け入れてくれる施設でなければ、育児に対応できないのです。

しかし数は少ないものの、こうした障害者施設は存在します。そのため結婚や子育てまで考える場合、ほかの都道府県まで考慮して、出産・育児まで含めて対応している障害者グループホームを探しましょう。

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家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。

障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。

ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。

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