大人で引きこもりの人はたくさんいます。精神疾患を抱えていたり、家庭内暴力があったりすることで引きこもりになってしまうのです。

そうした引きこもりについて、施設を利用することで社会復帰しやすくなります。家の中にいても引きこもりの状態が改善することは基本的に見込めません。そのため、施設の利用によって強制的に規則正しい生活を送り、さらには就職に向けての支援をしてもらうのです。

それでは、大人の引きこもりが施設を利用して社会復帰するにはどうすればいいのでしょうか。大人の引きこもりが利用する施設の内容や料金、利用方法について解説していきます。

引きこもり用の更生施設を利用できる

実際のところ、自分自身や家族の協力だけによってニート状態から脱するのは難しいです。それができるのであれば、既に引きこもりの状態から脱しているはずだからです。

そのため大人のニートについて、更生施設の利用を考えましょう。更生施設へ入所することにより、強制的に規則正しい生活を送るようになります。引きこもりの場合、大半は生活リズムが崩れているため、それを正すのです。

また引きこもり用の更生施設では、複数の人と一緒に共同生活を送ることになります。ニートで引きこもりだと、他の人との接点がありません。ただ、こうした施設を利用すれば他の人と一緒に食事をしたり、会話をしたりすることになります。

社会復帰するためには、人との円滑なコミュニケーションが重要です。そこで引きこもり用の更生施設を利用することで、他人とのコミュニケーションを図るのです。

引きこもり用の更生施設を利用する寮費は自費

なお、どの引きこもり用の支援施設であっても費用は高額になります。子供向けでも大人向けでも、引きこもり・ニートに対する更生施設の利用は自費になるからです。

一般的には、以下の費用が必要になると考えましょう。

  • 入寮金:20~35万円
  • 初回の設備費:15~25万円
  • 寮費(1か月):20~25万円

また、それ以外にも雑費(歯ブラシ、タオルなどの消耗品)や個人的なお小遣いを考えると、毎月の費用は25~30万円になります。つまり、入寮の初期費用として40~60万円が必要になり、それに加えて毎月の高額な費用も発生します。

これらの料金が発生するため、現実的にお金持ちの家庭を除いて支払いすることができません。引きこもり専門の更生施設というのは、利用料金が非常に高額になるのです。

障害者グループホームでニートから立ち直る

そのため実際にはどのような施設を利用するのかというと、引きこもり専門の更生施設ではなく、障害者グループホーム(共同生活援助)を利用するのが一般的です。障害者グループホームでは、複数の障害者が共同生活を送ることになります。

知的障害者や精神障害者、身体障害者のように利用者の種類はさまざまであり、引きこもり・ニートのみが利用する専門施設ではありません。

ただ障害者グループホームでは専門の介護スタッフ(世話人)が常にいますし、同じ施設に複数の利用者がいるのでコミュニケーションを取れます。また食事や門限、消灯の時間は決まっており、規則正しい生活を送ることができます。

また実際のところ、引きこもり専門の更生施設は非常に数が少ないです。それに対して、障害者グループホームは日本全国に存在します。そのため、施設数の面でも障害者グループホームの利用は優れます。

サービス料は無料:総額の支払いは格安

なお引きこもり専門の更生施設は前述の通り、すべて自費になります。それに対して、障害者グループホームの利用では補助があります。

多くの場合、引きこもり・ニートは低所得者です。つまり、引きこもりは住民税の非課税世帯または生活保護に該当します。こうした人が障害者グループホームを利用する場合、サービス料は無料です。以下のように、障害福祉サービスの利用料には負担上限額があるからです。

状態負担上限額
生活保護0円
住民税の非課税世帯0円
世帯年収600万円以下9,300円
世帯年収600万円超37,200円

また低所得者の場合、障害者グループホーム(共同生活援助)の利用では国や自治体から家賃補助が出ます。そのため家賃は低いです。食費や水道光熱費は自費であるものの、シェアハウス形式なので水道光熱費も低いです。

そのため金銭面だけで考えると、引きこもり専門の支援施設よりも、補助金を利用できる障害者グループホームのほうが優れます。

引きこもりの8割ほどは精神障害者

なお障害者でなければ、障害者グループホームを利用できません。ただニートで引きこもりの大人なのであれば、8割ほどで精神疾患を抱えているといわれています。むしろ、精神障害者だからこそ引きこもりになっているといえます。精神疾患としては例えば以下があります。

  • 統合失調症
  • うつ病・双極性障害
  • 強迫性障害
  • パニック障害
  • パーソナリティ障害
  • 発達障害:ADHD、アスペルガー、自閉症など

例えば、家庭内暴力による心的ストレスが原因となり、うつ病や統合失調症、パーソナリティ障害を発症する人はたくさんいます。また、発達障害によって引きこもりになった人もいます。こうした精神障害者について、全員が障害者グループホームを利用できます。

引きこもりである時点で精神障害者である可能性が非常に高いため、まずは心療内科を受診することを考えましょう。そうして診断名が付けば、障害者グループホームへ入居可能です。

非常に軽度であっても公的施設を利用可能

なお障害者グループホームというのは、障害が非常に軽度の人であっても利用できます。障害者グループホームは障害福祉サービスに分類され、利用するには事前に区分を取得する必要があります。区分は1~6まであり、数字が大きいほど重度を表します。

このとき、障害者グループホームは区分1以上で利用できます。つまり、ほとんど自分で日常生活を行えるニートであっても、障害者グループホームの利用対象者です。

例えば区分1の場合、精神疾患の病名はあるものの、見た目や行動は健常者とほぼ同じです。ただ引きこもりであり、医師からの病名があれば、そうした軽度であっても格安にて障害者グループホームを利用し、支援を得ながら引きこもりから脱却できます。

障害者というのは、非常に症状の範囲が広いです。引きこもりであれば、ほとんどのケースで精神疾患を有するため、障害者グループホームを利用できます。そうして格安で施設へ入居し、規則正しい生活を通して引きこもり生活から抜け出すためのトレーニングが可能になります。

就労移行支援によって社会復帰を目指せる

なお規則正しい生活を送るだけでは、引きこもりから抜け出すことができません。仕事をすることで社会復帰を実現しなければ、大人のニートから脱却できないのです。

このとき、軽度の障害者で企業就職を目指す場合、就労移行支援を利用できます。一般企業での就職(アルバイト・契約社員を含む)を目指す障害福祉サービスが就労移行支援です。

障害者グループホームにて寝泊まりしながら、日中活動として就労移行支援を利用している人はたくさんいます。大人でニート・引きこもりであれば軽度の精神障害者であることはよくあり、この場合は就労移行支援の利用によって社会復帰を行えます。

就労移行支援の場合、区分なしであっても利用できます。すべての障害者で利用できるため、障害者施設にて生活をする場合、こうした障害福祉サービスを利用しましょう。

なお住民税の非課税世帯や生活保護など、低所得者は就労移行支援を無料で利用できます。低所得者の場合、障害福祉サービスの利用料は前述の通り不要です。

就職後も公的サービスを利用するのは可能

なお就労移行支援などを活用して実際に企業就職した場合、継続して公的サービスを利用するのは問題ありません。

就労移行支援であれば、実際に企業就職した後もサポートがあります。また、企業就職後の定着を目的に実施される障害福祉サービスも存在します。

また精神疾患によって引きこもりであった場合、たとえ企業就職した後であっても、フルタイム勤務でない場合は引き続き低所得者(住民税の非課税世帯)である人が多いです。そうしたとき、たとえ企業就職後も障害者グループホームを格安で継続利用できるため、引き続き安い費用で住み続けるのは問題ありません。

大人のニートが就職しても、働いている状況が継続しなければ意味がありません。そこで引きこもりだった人について、精神障害者として障害者向けのサービスを利用するのは優れます。

ニートで施設を利用し、社会復帰を行う

自分の意思や家族の協力のみによって、大人のニートが社会復帰するのは難しいです。それが可能であれば、そもそも引きこもりになっていないからです。そこで、強制的に規則正しい生活を送ることになる支援施設を利用しましょう。

このとき、引きこもり専門の更生施設は値段が高額であり、さらには施設数が少ないです。そのため金持ちを除いて、支援施設の利用は現実的ではありません。そこで特別な理由がない限り、通常は障害者グループホームを利用します。精神疾患を抱えている場合、こうした障害者施設を活用できます。

障害者グループホームであれば、格安にて住めます。また昼間は就労移行支援を利用し、企業就職に向けての準備を行えます。障害者向けのサービスを利用すれば、引きこもりであっても社会復帰しやすいです。

こうした支援制度があることを理解して、低料金にて引きこもりから脱却しましょう。施設を利用すれば強制力が働き、大人のニートから抜け出せるようになります。

【全国対応】完全無料にて優良な障害者グループホームを紹介!

家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。

障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。

ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。

そこで、当サイトでは完全無料で障害者グループホームを紹介するサービスを日本全国にて実施しています。「いますぐ入居したい」「いまの障害者グループホームから他の施設へ移りたい」「強制退去となり、新たな施設を探している」など、軽度から重度の障害者を含めてあらゆる方に対応しています。

障害者グループホームの応募ページへ→

YouTubeでの障害者情報

Instagramでの障害者情報

TikTokでの障害者情報

【全国】障害者グループホーム・障害者支援施設の募集