障害者グループホームは入居者にとって、格安にて居住することができ、低所得であっても問題なく生活できる優れたセーフティーネットです。

ただ障害者グループホームを利用するにあたり、トラブルに発展することもあります。このときは近隣住民からの苦情があったり、グループホームの利用者同士のトラブルであったりします。

こうした苦情やトラブルを回避するのは不可能です。ただ、事前にどのようなトラブルが存在するのか知っておくことは重要です。苦情の内容を知っておけば、障害者グループホームを利用するにしても、事前に心の準備をすることができます。

それでは、障害者グループホームで発生する近所からの苦情や利用者同士のトラブルには何があるのでしょうか。グループホームを利用するにあたり、事前に考えるべきトラブルを解説していきます。

障害者グループホームで存在する近所からのクレーム

知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者が共同生活を送る場所が障害者グループホームです。グループホームを利用すれば行政からの補助があり、低収入であっても障害年金だけで生活できます。

こうした障害者について、判断能力がしっかりしている身体障害者や難病患者については、近隣住民とトラブルになることはほぼありません。

一方、知的障害者や精神障害者によっては近隣住民とトラブルになることがあります。基本的には介護職員が対処することになるため、近所の人からクレームがあったとしても、「苦情によるストレスによって施設利用者の症状が悪化する」などは基本的にありません。

そのため利用者は深刻に受け止める必要はないものの、それでも近所からクレームが来ることは理解しなければいけません。

奇声や叫び声など、うるさい声はよくある近隣トラブル

知的障害者や精神障害者が住む場合、障害者グループホームで奇声や叫び声、独り言が聞こえるのは普通です。グループホームに住む以上、隣の部屋から何か声が聞こえてくるのはあきらめなければいけません。

ただ施設利用者による叫び声や独り言など、うるさい声が問題になりやすいのは、トラブルの相手が近隣住民の場合です。グループホームでは同じ障害者同士なので我慢すればいいだけですが、近隣住民からするとうるさい声は迷惑なのです。

障害者グループホーム側としては、吸音材や防音パネルの設置を行うなどの対応をすることにより、近所に利用者の声が拡散するのを防げます。

ただ、吸音材や防音パネルを利用しても完ぺきではありません。例えば、障害者がベランダから外に向かってうめき声を発する場合、こうした対策はほぼ効果がありません。この場合、介護職員によって生活習慣を指導したり、ベランダのない部屋へ移動させたりなど、こうした対処をすることになります。

健常者も住むアパートやマンションの場合はクレームが多い

なお、うめき声や独り言の問題については、一軒家タイプであれば解決しやすいです。叫び声が問題になりやすい知的障害者・精神障害者については、ベランダのない部屋へ入居させ、吸音材を含めた対策をすれば問題ないからです。

以下が一戸建ての障害者グループホームの外観ですが、こうした施設であればうめき声への対策をしやすいです。

一方、より問題になりやすいのが「ほかの健常者も住んでいるアパートやマンション」の場合です。障害者グループホームでは、アパートやマンションの一部を借り、障害者施設として運営していることがよくあります。

この場合、隣の部屋や上下階については音が聞こえやすいです。また、独自に吸音材や防音パネルを設置するのも難しいです。

日本というのは、子供の泣き声でさえクレームが来るほど多くの人が音に対して神経質です。そのため健常者にとって、叫び声やうめき声が聞こえてくるのは好ましくありません。

この場合、さまざまな指導をしても改善しないのであれば、「同じ会社が経営するグループホームの中で、一軒家タイプへの引越しを検討する」などの対策が必要になります。

利用者が近所で暴れることがある

なお、利用者のうめき声よりも大きな問題になるのが近隣住民への物理的な損害です。知的障害者・精神障害者によって、以下の事態が実際に起こされるケースがあります。

  • 隣の家に皿や電化製品が投げ込まれる
  • 他人の家や店舗の物が壊される

障害者によっては、感情を抑えることができずに爆発してしまうことがあります。そうなると、介護職員だけでは止めることができません。また、破壊行動がグループホーム内で収まるならいいですが、障害者施設の外で行われることもあります。

以下はコンビニで利用者が暴れた後の様子です。

この場合、障害者に対して理解を示していた近所の人であっても、トラブル後は強めの態度になることがあります。こうしたトラブルを事前に防ぐのは無理ですが、いずれにしてもこうしたクレームが発生することがあるのです。

入居者同士の暴力・暴言などのトラブルが存在する

また相手が近隣住民ではなく、入居者同士でトラブルになるケースも存在します。同じ障害者であるため、うめき声については前述の通り互いに我慢すればいいです。障害者グループホームというのは、そういう場所だからです。

ただ叫び声や独り言については我慢できても、暴力・暴言についてまで我慢するのは無理です。近隣の住居や店舗で物が壊されることがあるというのは、障害者グループホーム内で暴力行為があったり、物が破壊されたりするケースが存在することを意味しています。

以下は実際に施設の利用者が暴れた後の様子です。

グループホームの運営者の判断にもよりますが、ほかの利用者やスタッフへ危害が加わる場合、事件を起こした利用者について、強制退去となるケースはよくあります。

こうした暴力事件がいつ発生するのか予知するのは難しいです。ただ、ほかの利用者や介護職員がケガをしてしまうケースもあるのです。

部屋が鍵付きでない場合、侵入が問題になる

障害者グループホームによって部屋の構造は異なりますが、それぞれの居室について、鍵付きになっている場合は利用者が自分で鍵を閉めることができます。この場合、ほかの人による侵入が問題になることはほぼありません。

ただ障害者施設によっては、それぞれの居室が鍵付きではないケースがあります。通常、障害者グループホームは家具が備え付けであり、障害者の所有物は少ないです。ただ以下のように、多少はその人の所有物が存在します。

場合によっては、部屋に財布が置いてあるかもしれません。このとき人によって判断能力は異なるものの、部屋に鍵がかかっていない場合、ほかの利用者が勝手に侵入することがあります。

なお障害者グループホームでそれぞれの部屋に鍵がある場合、通常、寝るときは利用者が自ら部屋の中から鍵を閉めてもらうことになります。そうなると、見方によっては「鍵を閉めることによって障害者を部屋の中に閉じ込めている」と捉えることもできます。ただ利用者は内から自由に鍵を開けることができますし、鍵があると外からの侵入を防ぐことにもつながります。

脱走・行方不明となり、警察を巻き込むトラブルは普通

近隣住民からのクレームや利用者同士のトラブルとは異なりますが、障害者グループホームで発生する大きなトラブルに「利用者の脱走・行方不明」があります。

すべての利用者について、障害者グループホームでは外出は自由です。常に玄関やドアに鍵をかける場合、虐待と同じになるのでこのような行為は禁止されています。介護職員へ事前に行き先を伝える必要はあるものの、利用者はいつでも外へ出かけることができるのです。

このとき、外出と脱走を見極めるのは困難です。外出時は体調が落ち着いていたとしても、外出先で精神症状が悪化してしまうことはよくあるからです。

また夜になって玄関に鍵をかけても、窓から脱出されることはよくあります。例えば以下は、重度の知的障害者が深夜に障害者施設の窓から脱走し、全国ニュースになった事例です。

脱走・行方不明となると、介護職員が周辺を捜索することになります。それでも見つからない場合は家族へ連絡がいき、警察を巻き込む捜索へと発展します。こうして、不特定多数の人を巻き込む大規模なトラブルへと発展するのです。

トラブルやクレームは障害者施設で必ず存在する

どのような障害者施設であっても、近隣住民からの苦情は存在します。すべての知的障害者・精神障害者でうめき声や独り言を抑えるのはできないからです。場合によっては、隣の家に物が投げ込まれることもあります。

こうしたトラブルは障害者同士でも起こります。利用者によって暴力・暴言があったり、ほかの部屋への侵入行為があったりするのです。利用者が突然、行方不明になることもあります。

障害や病気をもっている以上、これらのトラブルについては仕方ない側面もあります。また、赤ちゃんですら「泣き声がうるさい」といわれる現状を考えると、近隣からのクレームやトラブルを完全に防ぐのは不可能です。

ただ、こうした苦情やトラブルが存在することを知っていれば、事前に心構えができます。トラブル発生を未然に防ぐことはできないものの、どのようなトラブルが発生するのか学んでおきましょう。

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