難病を発症してしまい、苦しんでいる人はたくさんいます。こうした難病患者について、身体障害者に該当します。身体障害者は障害年金の対象者であるため、障害年金へ申請することで定期的にお金を得られます。

ただ、難病を発症していれば無条件で障害年金へ申請できるわけではなく、ある程度まで症状が悪化している必要があります。また適切に薬物治療を続けているものの、それでも難病によって日常生活に支障がある場合に障害年金を活用できます。

そのため何でもいいから申し込めばいいわけではなく、正しい方法があります。また難病の種類によって、それぞれ認定基準が異なります。

それでは、難病患者はどのように考えて障害年金へ申請すればいいのでしょうか。難病を発症している人について、障害年金の活用法を解説していきます。

難病を含め、身体障害者は障害年金を受給可能

ほとんどの病気について、日常生活や就労に支障がある場合、障害年金の対象になります。当然、難病についても障害年金の対象になります。

難病は種類が多く、例えば以下が該当します。

  • 潰瘍性大腸炎・クローン病
  • 全身性エリテマトーデス
  • パーキンソン病
  • ALS(筋萎縮性側索硬化症)

他にもたくさん種類はあるものの、いずれにしても難病によって身体障害者の状態になっている場合は障害年金を活用できます。

・永久認定は基本的にない

このとき、難病で永久認定は基本的にありません。障害年金には有期認定(期限あり)と永久認定(期限なし)があります。難病の場合は有期認定となり、数年ごとに定期的な更新が必要になると考えましょう。

難病が完全に治ることはなくても、難病は時間経過と共に症状が変化します。症状が悪化することがあれば、新薬開発によって劇的に症状が改善することもあります。

永久認定というのは、盲目や難聴のように、症状が悪化もしないが改善もしない人で対象になります。そのため、難病は基本的に永久認定ではなく有期認定となるのです。

薬物治療を含め、適切に治療している人が対象

なお病気による身体障害者に共通しますが、適切な治療を継続している人が障害年金の対象になります。例えばぜんそくで障害年金を受給したい場合、「高容量の吸入ステイロイド剤を利用しても症状のコントロールが難しい場合」に障害年金を活用できます。

これは難病も同様です。有効な治療法が存在しない場合は仕方ないものの、ある程度の治療法が存在する難病もあります。

また適切な治療を継続することにより、健常者と同様の生活が可能な場合、身体障害者ではないため障害年金の対象外となります。

障害年金を受給できる人というのは、「適切な治療を継続しているものの、それでも身体障害者として日常生活に困っている人」が対象になります。

認定基準は難病の種類によって異なる

障害年金には認定基準があります。それでは難病の認定基準はどのようになっているかというと、これについては難病の種類によって異なります。難病によって症状が異なるため、それに伴って対象となる部位の認定基準が変化することのです。

例えばパーキンソン病では肢体不自由となりますし、間質性肺炎では呼吸器不全となります。難病の種類によっては特定の臓器に症状が限定されておらず、全身に症状が表れる病気もあります。そこで、以下のように症状が表れている場所に応じて診断書を使い分けます。

  • 歩行困難、手足の不自由:肢体障害の診断書
  • 視力低下:眼の診断書
  • 心不全:循環器の診断書
  • 腎機能低下:腎臓の診断書
  • 全身症状(衰弱、発熱など):その他の診断書
  • 精神症状(うつ病、認知障害など):精神の診断書

当然、臓器障害の場所が違えば認定基準は異なります。例えば、以下は視力障害に関する認定基準です。

1級
良い方の眼の視力が0.03以下
良い方の眼の視力が0.04、かつ他眼視力が手動弁以下(眼前でも視力がない)
2級良い方の眼の視力が0.07以下
良い方の眼の視力が0.08、かつ他眼視力が手動弁以下(眼前でも視力がない)
3級良い方の眼の視力が0.1以下
障害手当金良い方の眼の視力が0.6以下
一眼の視力が0.1以下

もちろん複数の障害がある場合、等級が考慮されます。いずれにしても、症状が表れている場所や症状の種類によって認定基準が異なると考えましょう。

難病の場合の初診日の確定方法

それでは、難病の場合はどのようにして障害年金へ申請すればいいのでしょうか。まず、障害年金では初診日を確定させなければいけません。対象の傷病について、初めて医療機関を受診した日を初診日といいます。

初診日については、途中で病名が変わっても問題ありません。例えばA整形外科クリニックを受診して、B病院で精密検査を受けた結果、ALSと判明したとします。この場合、A整形外科クリニックの受診日が初診日です。障害年金は初診日が重要であり、初診日がわからなければ受給できません。

ただ難病については、実際の病名が判明するまでに数多くの医療機関を受診しているケースがあります。難病は症例数が少なく、珍しい病気なので正しく診断できる医師は少ないです。そのため、どうしても受診回数が多くなってしまうのです。

この場合、難病については「確定診断が出された医療機関」を初診日として問題ありません。本来とは異なる初診日の出し方となりますが、難病については初診日の考え方が柔軟になります。

医師の診断書は審査や等級で重要

なお、このとき重要なのが医師の診断書です。医師の診断書の記載内容によって、障害年金を受給できるかどうかの多くが決定され、等級にも大きく影響します。

ただ医師は障害年金の専門家ではなく、むしろ申請に慣れていない人が大半です。そのため医師に診断書の作成を丸投げすると記入漏れや誤りがひんぱつし、実際の症状よりも軽い病状が記されることで審査落ちになりやすくなります。

身体障害者の中でも、難病を含めた臓器障害は障害年金の審査が困難になります。そのため医師に対して診断書の再作成を依頼するのは普通ですし、生活状況を具体的に示したメモを事前に作成して医師に渡すのも普通です。

特に症状が実際よりも軽く書かれている場合、書類がそのまま受理されます。また後でやり直しが難しく、不服申し立てをするにしても「最初に提出した書類」を元にクレームを入れなければいけません。そのため、最初の提出書類が重要になります。

社労士に依頼することで確実に受給する

ただ障害者(素人)は障害年金の詳細な仕組みについて知りません。そのため特別な理由がない限り、障害年金を専門とする社労士に申請を依頼するのが一般的です。

社労士によって、医師の診断書の不備が明らかになります。また、医師に対して事前に渡さなければいけないメモの内容が明確になります。これらを事前に準備することで、正しい等級にて審査に通過する書類をようやく入手できるようになります。

例えば、難病では「全身の倦怠感・衰弱の程度」「外出がどれだけ困難か」などを診断書に記載するのは有効です。そこでカルテの内容と矛盾しないように、資料を提示しつつ医師に説明することで、より優れた内容の診断書となります。

難病患者の障害年金では、検査結果だけでなく、「日常生活でどれだけ困難な状態に陥っているのか」も重要です。そこで、こうした障害年金での注意点を踏まえて専門家の力を借りながら申請しましょう。

内臓疾患は障害年金の対象

病気を原因として内臓に障害がある場合、障害年金の対象になります。こうした病気の中でも難病は原因があまりわかっておらず、治療が困難になりやすいです。

こうした難病について「適切に治療している」という大前提はありますが、そうした人で日常生活が困難になっており、就労も難しくなっているほど症状が進行しているのであれば、積極的に障害年金を活用しましょう。たとえ働けない状態でも、こうしたお金で生きていくことができます。

難病の場合、基本は有期認定となります。また難病は身体障害の中でも障害年金の審査が難しいため、専門家の力を借りるといいです。これにより、医師が作成する診断書の内容が良くなります。

障害年金への申請にはコツがあります。そこで働くのが困難になっている難病患者について、申請のポイントを理解して障害年金を利用しましょう。

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