結婚していて配偶者(夫または妻)が働いていない場合、一方の扶養に入ることになります。このとき、扶養に入っている夫または妻が障害者の場合、障害年金をもらうことができます。

ただ障害者であっても働いているのは普通です。この場合、障害年金と労働収入によって扶養から外れるかどうかを確認しなければいけません。障害をもつ配偶者がまったく働いていない場合は問題になりにくいものの、働いている場合は収入要件が重要になります。

このとき、扶養には「税務上の扶養」と「社会保険の扶養」の2種類があります。制度は複雑になりますが、障害年金を受け取るときは両者を考慮しなければいけません。

それでは扶養となっている障害者が障害年金を受け取る場合、どのような対応になるのでしょうか。障害年金と扶養の関係を解説していきます。

扶養家族は国民年金によって障害年金をもらえる

扶養家族の場合、配偶者は国民年金に加入していることになります。配偶者が国民年金を支払うことはないものの、厚生年金に加入している人(会社員・公務員)の扶養家族の場合、「国民年金を支払っている」とみなされるのです。

このとき、初診日(障害を負ったケガ・病気で初めて医療機関を受診した日)に国民年金または厚生年金に加入している場合、障害年金を受け取る権利があります。

障害年金には種類があり、初診日に国民年金に加入している場合は障害基礎年金のみを受け取ります。一方で初診日に厚生年金(会社員・公務員)に加入している場合、障害厚生年金を受給します。

なお初診日が国民年金の場合、障害年金の等級は1級または2級である必要があります(障害厚生年金では障害年金3級や障害手当金もある)。いずれにしても、扶養家族で国民年金保険料を支払っていなかったとしても、国民年金の加入者なので1級または2級に該当する場合は障害年金を受け取れます。

障害年金は非課税であり、税務上の所得は関係ない

ただ障害年金を受け取る場合、「扶養から外れるかどうか」を考えなければいけません。前述の通り、扶養には「税務上の扶養」と「社会保険の扶養」があります。このうち、まずは税務上の扶養から解説していきます。

税務上の扶養とは、「所得税を支払う必要があるか」「扶養控除の対象になるか」が該当します。これについて、障害年金は非課税所得に該当します。障害年金が非課税所得であることについては、以下のように日本年金機構が提示しています。

つまり、障害年金を受け取ったとしても所得税や住民税を支払う必要はありません。言い換えると、働いていない配偶者は高額な障害年金を得たとしても、税務上の扶養とは関係がありません。

「配偶者の妻(または夫)に労働収入がない」という場合、障害年金の受け取りによって扶養から外れることを心配する必要はありません。また障害年金を受給しても、配偶者の年金額が将来減らされることもないため、障害者は必ず受給しなければいけません。

103万円・150万円の壁と給与所得の関係

ただ障害者であっても昼に働いているのは普通です。フルタイム勤務でなくても、パート・アルバイトなどで収入を得るのは普通なのです。このとき重要なのが以下の2つです。

  • 103万円の壁
  • 150万円の壁

この2つについては、障害者であるかどうかに関係なく、健常者と同じ条件になります。前述の通り、障害年金は非課税所得です。そのため障害年金を除外して、「労働収入が103万円(または150万円)を超えたかどうか」で判断しましょう。

・103万円の壁(本人の税金控除)

本人に所得税を課せられるラインが103万円です。「配偶者の扶養控除から外されるかどうか」ではなく、あくまでも本人に対する所得税への控除ラインが103万円です。

・150万円の壁(配偶者控除)

配偶者控除で重要なラインが150万円です。パート主婦(主夫)に対する配偶者控除(配偶者特別控除)について、このラインを超えることによって段階的に控除額が減額となります。

障害者控除・年末調整と扶養は関係ない

このとき、「障害者手帳をもつことによって、年末調整で障害者控除を利用できるので、この影響を考慮できないのか?」と考える人がいます。確かに、障害者であれば障害者控除によって本人(または扶養者)は以下の所得控除が可能です。

区分所得税住民税
障害者27万円26万円
特別障害者40万円30万円
同居特別障害者75万円53万円

障害者控除は103万円や150万円のラインを動かすことにはつながりません。税金面の扶養判定について、障害者控除は影響しないと考えましょう。

しかし障害者控除を利用することにより、本人の税金を減らすことができます。例えば103万円以上の収入を得たとしても、障害者控除によって本人の所得税を減らせます。

夫や妻が障害者の場合、障害年金で社会保険の扶養から外れる?

それでは税務上の扶養ではなく、社会保険の扶養はどのようになっているのでしょうか。一般的には、社会保険の扶養から外れるときは「130万円の壁」といわれています。130万円以上を稼ぐと扶養から外れるのです。

ただ障害者については、180万円が「社会保険の扶養から外れるかどうかのライン」になります。つまり130万円の壁ではなく、180万円の壁となります。

・社会保険の扶養では障害年金の収入を加える

重要なのは、税務上の扶養とは計算方法が違うという事実です。社会保険の扶養を考えるとき、「障害年金で得たお金に加えて、パート・アルバイトなどの労働収入で得たお金が180万円未満かどうか」で社会保険の扶養を判定します。

つまり税務上の扶養に比べて、社会保険の扶養のほうが基準は厳しくなっています。障害厚生年金を受け取っている人の場合、障害年金の受給額だけで年180万円を超えるケースもあり、180万円を超えると社会保険の扶養から外れます。

障害年金の額が大きいほど、当然ながら生活は楽になります。ただ障害年金を受け取っている場合、少し労働収入があるだけで社会保険の扶養から外れますし、人によってはまったく働かなくても受給額が大きい場合は扶養の対象外になることもあります。

障害者が会社で働き始めた場合、社会保険へ切り替える

それでは、障害者が働き始めることによって社会保険への加入義務を生じた場合、どのようにすればいいのでしょうか。

これについて、扶養から外れるので社会保険への加入が必要になります。そこで、パート・アルバイトや正社員として働いている勤務先の人事や総務に対して「どのような手続きをすればいいのか」を確認しましょう。

社会保険の手続きは会社側が行うことになるため、障害者自身が面倒な手続きをすることはありません。また社会保険料は給料からの天引きとなるため、保険料の計算や自らの納付なども不要です。

いずれにしても、障害年金と労働収入の合計が180万円以上の場合は会社と相談し、社会保険への切り替え作業をしましょう。

国民年金は法定免除が可能であり、追納も選択できる

一方で「職場の社会保険へ加入できない」「自営業として、組織に属さず収入を得ている」「完全無職だが、障害年金の合計額が年180万円以上」などの場合、社会保険の扶養から外れるため、国民年金に加入しなければいけません。

このとき障害年金1級または2級を得ている人の場合、国民年金保険料は法定免除となります。つまり、国民年金保険料を支払う必要はありません。

法定免除の場合、「保険料の2分の1を支払った」ことになります。そのため将来、高齢者になって老齢年金を受け取る場合、未納状態に比べると多めの老齢年金(老齢基礎年金)を受け取れるようになります。

ちなみに、残りの「保険料の2分の1」を追納することで、老齢基礎年金を満額受け取るようにすることもできます。

・障害年金が永久認定の場合、追納は不要

ちなみに障害年金をずっともらえる永久認定の場合、国民年金保険料の追納をする意味はありません。老齢基礎年金よりも障害基礎年金のほうが有利であり、高齢者になったときに老齢年金を選択する意味がないからです。

公的年金は一つしか選択できません。そのため障害年金の永久認定の場合、必ず障害基礎年金を選択することになります。国民年金保険料を追納するかどうかというのは、「障害年金の有期認定(期間限定)であり、将来は障害の程度が軽くなって障害年金を受け取れない可能性のある人」が考えるべき内容です。

障害年金を受け取れない場合、老齢基礎年金に頼ることになります。このとき、国民年金保険料を満額支払っておけば、その分だけ得られる年金額は多くなります。

障害年金で夫や妻の扶養控除を考える

障害年金によって得られるお金が増えるのは当然ながらメリットです。ただ障害年金の金額や労働収入の内容によっては、扶養から外れることがあります。

障害年金は非課税所得です。ただその他の収入(労働収入など)が多い場合、配偶者控除から外れることになります。また社会保険の扶養については、障害年金を含めての計算になります。そのため、少し労働収入があれば社会保険の扶養から外れることになります。

なお実際に扶養から外れるほどの収入がある場合、手続きをしましょう。会社の社会保険へ加入する場合、職場の総務や人事に連絡することになります。それ以外の場合、国民年金に加入することになりますが、障害年金1級や2級の場合は法定免除となります。

障害年金はメリットばかりですが、数少ないデメリットとして「扶養から外れるリスクがある」ことです。そこで、どのような基準によって扶養から外れるようになり、そのときの対策として何をすればいいのか学びましょう。

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