障害年金には種類があり、障害基礎年金と障害厚生年金があります。どちらに該当するのかによって、もらえる金額が大きく異なります。
すべての国民について、国民年金または厚生年金に加入することになります。このとき、初診日に加入していたのが国民年金なのか、それとも厚生年金なのかによって受け取れる障害年金の種類が違ってきます。
なお障害基礎年金とは異なり、障害厚生年金では受給額が上昇するだけでなく、3級や障害手当金が存在します。また、障害厚生年金では配偶者加算(配偶者加給年金)も受け取りできるため、障害基礎年金よりもかなり優遇されています。
それでは、障害基礎年金と障害厚生年金の違いには何があるのでしょうか。障害年金の種類について、違いや制度の中身を解説していきます。
もくじ
障害基礎年金と障害厚生年金は大きく異なる
年金には国民年金と厚生年金の2種類が存在します。このとき、障害年金は以下の種類になります。
- 障害基礎年金:無職、学生、自営業、専業主婦など
- 障害厚生年金:サラリーマン、公務員
つまり、国民年金の加入者は障害基礎年金となり、厚生年金の加入者は障害厚生年金になると考えましょう。
老齢年金について、国民年金よりも厚生年金のほうが受給額が大きくなるのは有名です。これは、厚生年金のほうが支払保険料が圧倒的に高額だからです。当然、同じことは障害年金にも起こります。厚生年金を受け取る人の場合、障害基礎年金に加えて障害厚生年金のお金を受給できます。
厚生年金に加入している人の場合、障害年金についても通常より多く受け取れるようになります。
なお、どれだけの期間について、どれだけの保険料を支払っているのかによって、障害厚生年金の額が異なります。そのため障害基礎年金とは異なり、障害厚生年金の受給額は一概にはいえません。
初診日で判断する国民年金と厚生年金
それでは、障害基礎年金と障害厚生年金のうちどちらを受け取るのかについてどのように判断すればいいのでしょうか。どちらを受け取れるのかについては、初診日が重要になります。以下のようになります。
- 初診日に国民年金に加入:障害基礎年金
- 初診日に厚生年金に加入:障害厚生年金
対象の障害を負ったとき、初めて医療機関を受診した日を初診日といいます。例えば糖尿病性腎症で透析を受けるようになった場合、糖尿病で初めて受診した病院・クリニックの受診日が初診日になります。
障害年金で初診日は重要であり、初診日を証明できなければ障害年金の受け取りはできません。この理由として、初診日が違えば障害基礎年金なのか、それとも障害厚生年金なのかが変化するからです。
厚生年金の加入者は3級や障害手当金がある
それでは、障害基礎年金よりも障害厚生年金のほうが受給額が大きくなることに加えて、他に違いは何があるのでしょうか。
障害年金の受け取りを目指す障害者では、多くのケースで1級または2級の取得を考えます。これは、障害基礎年金では1級と2級のみが年金受給の対象となるからです。
一方で初診日に厚生年金に加入している人の場合、障害年金3級や障害手当金としてお金を受け取れます。つまり、障害年金2級よりも障害の程度が低くても障害年金受給の対象になったり、一回のみお金の支給があったりするのです。
種類 | 障害基礎年金 | 障害厚生年金 |
障害年金1級 | 〇 | 〇 |
障害年金2級 | 〇 | 〇 |
障害年金3級 | - | 〇 |
障害手当金 | - | 〇 |
人によって障害の程度に違いがあり、障害年金の1級や2級はかなり重い障害となります。一方、厚生年金の加入者はお金の受け取りについて障害年金3級でも問題ないため、障害年金を受給できる人は多いです。
配偶者加算は障害厚生年金で利用可能
それに加えて、障害厚生年金では配偶者加算を利用できます。初診日が国民年金であり、障害基礎年金のみを受け取っている人は配偶者加算の対象外です。一方で障害厚生年金であれば、結婚または事実婚により、一緒に住んでいる人がいる場合は配偶者加算(配偶者加給年金)の対象になります。
配偶者加算について、具体的な要件は以下になります。
- 初診日に厚生年金の加入があり、障害等級1~2級の人
- 生計同一関係であり、配偶者が65歳未満
- 配偶者が障害年金・老齢年金の対象外であり、年収850万円未満
いずれにしても、初診日に国民年金ではなく、厚生年金に加入している人で配偶者加算が有効です。
・子の加算は障害基礎年金にもある
なお障害年金には子の加算があります。子供がいる場合に障害年金の受給額が上がるようになり、子の加算は障害基礎年金や障害厚生年金に関係なく、上乗せされます。
働き始めても障害厚生年金の切り替えはない
なお障害基礎年金を受給している人の中には、働き始めることで厚生年金への加入を開始する人もいます。特に「20歳前に身体障害者となり、障害基礎年金をもらっている人」が会社員として働き始めるのは普通です。
ただ、前述の通り障害基礎年金と障害厚生年金で重要になるのは、「初診日に国民年金なのか、それとも厚生年金なのか」になります。つまり、後からサラリーマンとして働き始めて厚生年金の保険料を払い始めたとしても、障害厚生年金への切り替えはできません。
例外的に、「厚生年金の加入中に他の障害を発症し、働けなくなった」などの場合、新たな障害を元に障害厚生年金として1級や2級を受給するのは可能です。ただ、他の障害を生じるなど特殊なケースを除いて、障害基礎年金から障害厚生年金への切り替えはできません。
障害基礎年金と障害厚生年金のうちどちらを受け取れるのかについては、あくまでも「初診日に加入しているのが国民年金なのか、それとも厚生年金なのか」で判断しましょう。
障害基礎年金と老齢厚生年金は併給できる
ここまで、障害年金について解説してきました。ただ年金保険料を支払っている人について、65歳以上になると老齢年金(国民年金、厚生年金)の受給が可能です。これについて、障害年金と老齢年金の併給は可能なのでしょうか。
結論をいうと、障害年金と老齢年金の併給はできません。必ず、どちらか一方を選ぶ必要があります。このとき、「障害基礎年金と老齢厚生年金を併給する」などのように組み合わせるのは可能です。
なお障害基礎年金と老齢基礎年金については、障害基礎年金のほうが有利であり、老齢基礎年金を選ぶ人は誰もいません。そのため、必ず障害基礎年金を選びましょう。
一方で障害厚生年金と老齢厚生年金については、どちらが得なのかは加入年数や保険料の金額などによって異なり、年金事務所で金額を確認しなければわかりません。
そのため老人となり、障害厚生年金と老齢厚生年金を選べるようになった場合、年金事務所で受取額を確認するといいです。
障害基礎年金と障害厚生年金は異なる
初診日に国民年金に加入していたのか、それとも厚生年金に加入していたのかによって障害年金の内容が大きく異なります。
初診日が国民年金の場合、障害基礎年金となります。この場合、1級または2級でなければ障害年金の受給対象ではありません。一方で障害厚生年金については、障害基礎年金に加えて障害厚生年金が支給されます。また障害の程度が軽く、障害年金3級や障害手当金に該当する場合であっても支給対象になります。
また子の加算はすべての障害年金で対象になるものの、配偶者加算は障害厚生年金の人のみ対象になります。さらに、障害厚生年金を受け取っている人は高齢者になった段階で「障害厚生年金と老齢厚生年金のどちらが有利なのか」を確認しましょう。
国民年金・厚生年金と制度の異なる仕組みがあるため、障害年金も人によって内容が異なります。そこで、あなたがどの障害年金に該当するのか理解したうえで障害年金への申請をしましょう。
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