アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症など、認知症によって日々の生活が困難になることがよくあります。認知症は家族が気づくことになりますが、この場合は障害年金の対象になります。

70歳や80歳など、高齢者になって認知症を発症した場合、障害年金への申請はできません。ただ65歳より前に認知症を発症し、初診日(認知症で初めて医療機関を受診した日)が65歳前の場合、障害年金が有効です。つまり、若年性認知症で障害年金を活用できるのです。

認知症で障害年金を得るとき、認定基準があります。また認知症での障害年金では、年齢要件や申請方法を事前に学んでおく必要があります。

それでは、どのように考えてアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症の人が障害年金を受け取ればいいのでしょうか。若年性認知症で障害年金を活用する方法を解説していきます。

アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症で障害年金を得る

臓器や器官が変異して症状が表れる場合、器質性疾患といいます。認知症は脳の状態が変異することによって現れる精神症状であるため、器質性精神障害となります。

こうした認知症には以下の種類があります。

  • アルツハイマー型認知症
  • レビー小体型認知症
  • 脳血管性認知症

脳血管性認知症は脳梗塞や脳卒中が原因であり、認知症以外にもさまざまな症状が表れることから、障害年金の対象になるのは誰でもわかります。

一方で認知症のみが表れているアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症についても、65歳未満で発症する若年性認知症であれば、障害年金の対象になります。

認知症で障害年金を受給する認定基準

それでは、認知症で障害年金を受給するための要件としては何があるのでしょうか。年齢という意味では、前述の通り65歳未満に発症している必要があります。

認知症に限らず、障害年金は65歳未満の若い人で申請できる制度になっています。65歳以上では老齢年金を受け取ることができるため、65歳未満の人が新規申請の対象というわけです。

70歳や80歳で認知症を発症したとしても、既に老齢年金を受け取っているため、障害年金の対象外です。これが、65歳未満で発症する若年性認知症の人のみ障害年金の対象者になる理由です。なお障害年金での認知症の認定基準は以下になります。

等級基準
1級認知症により、常時の援助が必要
2級認知症により、日常生活が著しい制限
3級認知障害・人格変化は著しくないが、その他の精神神経症状があり、労働が制限
認知障害のため、労働が著しい制限
障害手当金認知障害のため、労働で制限を受ける

1級というのは、寝たきりに近い状態で自分一人では何もできない状態を指します。一方で2級の場合、一人で行動はできるものの、認知症の症状が強く表れている状態です。また3級について、働けるものの、十分に労働できない状態を指します。

65歳以上でも、初診日が65歳前なら障害年金を申請できる

なお若年性認知症であっても、わりと年齢が高めの人が多いです。このとき65歳未満で障害年金に申請する場合は問題ないものの、65歳以上になって申請することはできるのでしょうか。

前述の通り、認知症で初めて医療機関を受診した日が65以上の場合、障害年金の対象外です。一方で初診日が65歳未満の場合、たとえ65歳以上であったとしても、障害年金の申請が可能です。この場合、障害認定日を活用して申請します。

初診日から1年6か月が経過した時点を障害認定日といいます。障害認定日から、障害年金へ申請可能になります。

初診日が65歳未満で若年性認知症を発症しており、いまの時点で65歳以上の場合、多くのケースで「障害認定日から1年以上(初診日から2年6か月以上)が経過している」という人になると思います。この場合、医師の診断書が2枚必要になります。

  • 障害認定日から3か月以内の診断書
  • 現在の状態を表す診断書

現在の状態を表す診断書だけでなく、障害認定日から3か月以内の診断書についても、障害年金の認定基準を満たしている必要があります。

なお障害認定日を利用して請求する場合、過去にさかのぼって障害年金の受け取りが可能です。本来であれば受け取っていた障害年金について、障害認定日までさかのぼって請求する方法を遡及請求といいます。65歳以上の認定症であっても遡及請求できるのです。

事後重症請求は65歳以上だと不可

なお65歳以上で請求可能とはいっても、障害認定日のときにそれなりに重度である必要があります。つまり、「障害認定日から3か月以内の診断書」が障害年金を受け取れるほどの重症度でなければいけません。後になって症状が重くなる場合、65歳以上では障害年金へ申請できません。

障害認定日のとき、障害年金を申請できるほどの重症度ではなかった場合、症状悪化によって申請することができます。これを事後重症請求といいます。

ただ事後重症請求は65歳以上になるとできません。65歳未満のときに初診日がある場合、65歳以上であっても障害年金に申請できるというのは、あくまでも「障害認定日のときに障害年金を受け取れる重症度であり、さらには医師が認定日周辺の診断書を書いてくれるとき」に限定されます。

65歳未満のときに認知症で障害年金に申請する場合、特に心配する必要はありません。ただ若年性認知症を発症したあと、65歳以上になって申請する人もそれなりにいます。そこで、こうしたルールを理解しましょう。

70歳や80歳など、年齢が高いと申請が意味ない

なお障害認定日を利用して遡及請求するにしても、70歳以上や80歳以上の人が障害年金の申請をするのはほとんど意味がありません。理由としては、障害年金は5年で時効となるからです。

遡及請求するとき、さかのぼれるのは65歳までです。65歳以上は老齢年金を受け取れるため、障害年金の遡及請求は意味がありません。例えば67歳の人が過去5年前にさかのぼって遡及請求する場合、遡及請求できる期間は62~64歳(65歳未満)の部分になります。

そのため70歳以上や80歳以上の人が遡及請求したとしても、時効によって遡及請求できる障害年金が存在しません。また障害年金をもらわなくても、老齢年金を受け取ることができるため、ほとんど意味がないというわけです。

障害年金を申請する場合、書類集め・作成を含めて非常に面倒な作業があります。また通常は社労士に依頼することになり、そのための報酬を支払わなければいけません。さらに、数年ごとに更新をすることになります。

こうした時効や書類集め、将来の更新などの手間を考えると、70歳や80歳などの高齢で障害年金に申請する意味はほとんどありません。

50歳や60歳の若年性認知症で障害年金は有効

高齢者に限らず、50歳や60歳などの人であっても若年性認知症を発症することがあります。この場合、障害年金の受給対象になります。アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症を含め、障害年金を利用できるのです。

ただ、年齢要件は重要です。初診日が65歳以上の場合、老齢年金の受け取りになり、障害年金の申請はできません。あくまでも、初診日が65歳未満である必要があります。

なお「初診日が65歳未満であれば、65歳以上であっても障害年金に申請可能」とはいっても、障害認定日に障害年金を受け取れるほどの重症度の人が対象になります。65歳以上で事後重症請求は認められません。また70歳以上や80歳以上の場合、時効により遡及請求も意味がなくなります。

そこで若年性認知症を発症した場合、できるだけ早めに障害年金へ申請しましょう。基本的には親族が代わりに申請することになると思いますが、障害年金を利用することで、たとえ働けなくても定期的にお金を受け取れるようになります。

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