20歳以上であれば、すべての障害者で障害年金を受給できるようになります。これは大学生であっても同様であり、身体障害者や精神障害者(うつ病、統合失調症、発達障害など)を含めて対象になります。
一方で10代の場合、学生かどうかに関係なく、すべての人で障害年金の受給対象ではありません。そのため、障害年金をもらうには年齢が重要になります。
それに加えて、国民年金への加入が重要です。特に初診日(対象の傷病で医療機関を初受診した日)が20歳以降の場合、保険料納付や学生納付特例による猶予を利用していないと、どれだけ重い障害を負ったとしても障害年金の受給ができなくなります。
それでは、大学生が障害年金をもらうためにはどのようにすればいいのでしょうか。大学生で障害者になってしまったとき、障害年金を受給するときの考え方を解説していきます。
もくじ
大学生は20歳以上で障害年金に申請できる
身体障害者や知的障害者、精神障害者、難病患者は日々の生活が困難になっています。こうした人の場合、学業に大きな支障が出ていますし、就業も困難になります。
こうした障害者について、学生も他の障害者と同じ条件で障害年金を受給できます。「学生だからもらえない」ということはありません。
なお障害年金は20歳以降に受給できます。障害年金は年金制度の一つです。国民年金保険料の支払いは20歳からなので、障害年金の受給資格も20歳からとなっているのです。
そのため、大学生でも専門学生でも20歳未満の学生は何をどうやっても障害年金の申請はできません。たとえ生まれつき重度の障害をもっていたとしても、20歳に到達しなければ障害年金の受給は開始されないのです。
身体障害に限らず、うつ病・統合失調症・発達障害など精神疾患でも受給可能
なお身体障害者や知的障害者、難病患者に限らず、精神障害者についても障害年金の対象となります。つまり、うつ病や統合失調症、発達障害などの精神疾患であっても障害年金を受給できます。
大学生で障害年金を受給するためには、障害年金1級または2級に認定される必要があります。障害年金1級はほぼ寝たきり状態、2級は支援なしでは生活が成り立たない状態をイメージするといいです。
そのためうつ病や統合失調症、発達障害(ADHD、アスペルガー、自閉症)などで障害年金を受給するためには、「学校に適切に通えていない」「家族や介護職員の支援によって、ようやく生活している」などの状態となります。こうした重度の状態であれば、うつ病や統合失調症、発達障害などの精神障害者であっても障害年金の受給が可能です。
初診日から1年6か月後(障害認定日)に申請する
なお障害を負ったとしても、すぐに障害年金へ申請できるわけではありません。対象の傷病で初めて医療機関を受診した日を初診日といいますが、初診日から1年6か月が経過した日(障害認定日)から障害年金へ申請できるようになります。
障害というのは、症状がものすごく悪化もしなければ、改善もしない状態を指します。つまり症状固定する必要があり、そのために初診日から1年6か月が経過する必要があるのです。
大学生であっても、20歳以上であれば障害年金を受給できるのは確かです。ただ、病気やケガをしてすぐに障害年金をもらえるわけではありません。
初診日に国民年金への加入が必須
なお障害年金をもらうための条件として、「初診日に国民年金へ加入している」ことが必須になります。より具体的には、以下の条件を満たす必要があります。
- 初診日の前々月までの期間について、3分の2以上の期間で保険料を納めている
大学生で障害年金に申請する場合、この要件が最も重要になります。国民健康保険料が未納の場合、どれだけ重い障害を負ったとしても障害年金を受け取ることはできません。
・20歳未満は国民年金への加入が不要
なお例外として、20歳未満が初診日となる障害者の場合、それまでに国民年金を納めている必要はありません。国民年金の納付義務があるのは20歳からであるため、20歳前が初診日の場合、保険料の納付要件の対象外になるのです。
そのため20歳前に初診日がある場合、たとえ初診日から1年6か月が経過しても20歳に達していなければ障害年金へ申請できませんが、保険料納付は不要というわけです。
20歳以上は保険料納付または学生納付特例制度が必須
ただ20歳以上の場合、前述の通り保険料納付が非常に重要です。学生で国民健康保険料を納めていない人は多いですが、この場合は未納扱いとなり、障害年金を受け取る権利はありません。
または、学生納付特例制度を利用しても問題ありません。ほとんどの学生は収入が低く、国民健康保険料を納めている余裕はありません。そこで、学生納付特例制度へ申請することで保険料納付を猶予してもらうのです。
たとえアルバイトを頑張っている学生であっても、よほど稼いでいる人でない限り、ほとんどの大学生が学生納付特例制度を利用できます。国民健康保険料を納めていなくても、学生納付特例制度を利用していれば、未納ではなく猶予であるため、その間に障害を負ってしまっても障害年金へ申請可能です。
つまり大学生で20歳以上が初診日の場合、以下のいずれかの人のみ保険料納付の要件を満たすことになります。
- 20歳になったときから保険料を納付している
- 20歳になったときに学生納付特例制度を利用している
当然ながら、初診日の後に慌てて保険料を全額納付したり、学生納付特例制度へ申し込んだりしても手遅れです。障害年金を受け取るためには、初診日の前に必要な手続きをしている必要があるのです。
奨学金を受け取っている場合、奨学金免除も検討する
なお大学生のときの障害者になってしまった場合、奨学金免除も検討しましょう。貸与中や在学中では利用できないものの、障害によってその後の労働が難しい場合、奨学金の返済免除が可能になります。
働くことができず、低収入の場合、まずは奨学金の返済ストップをすることになります。少なくとも1~2年以上の返還猶予をする必要があり、その後に「障害を理由に労働が困難」と申請することで奨学金の返済免除をしてもらうのです。
障害の程度によって異なりますが、身体障害者や精神障害者の場合は審査によって以下の免除が可能です。
- 全額免除(100%免除)
- 75%免除
- 50%免除
なお、あくまでも低所得者である必要があるため、一般企業で就職し、ある程度の収入がある場合は障害者であっても奨学金の返済免除はできません。なお、奨学金の判定基準となる所得について、障害年金を含める必要はなく、あくまでも労働収入での判断となります。
大学生で障害年金を得るには1級または2級である必要があるため、これくらい重度なのであれば、奨学金の返済免除も可能です。そのため障害年金の申請を行う大学生については、同時に将来の奨学金免除も考えるといいです。
大学生であっても障害年金の受給は可能
条件を満たしている場合、大学生であっても身体障害者や精神障害者は障害年金の申請が可能です。20歳以上である必要はありますが、障害年金1級や2級を受給できます。
うつ病や統合失調症、発達障害などの精神疾患でも申請可能です。20歳以上でなければ障害年金は受け取れないものの、障害を負っている大学生は積極的に申請しましょう。
なお障害年金を受け取るとき、20歳前に初診日がある場合、保険料の納付要件はありません。一方で20歳後に初診日がある場合、「3分の2以上の期間で保険料を納めている」「学生納付特例制度を利用している」のいずれかである必要があります。
大学生でも障害年金をもらえますが、年齢や保険料納付などの要件が存在します。これらの条件を理解して、20歳以上の段階で障害年金を受け取るようにしましょう。
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