病気やケガによって十分に働けなくなった場合、日本には救済制度があります。こうした救済制度として傷病手当金や障害年金があります。

傷病手当金と障害年金について、基本的には同時併給できません。そのため、時期が重なる場合はお金の返還が必要になります。

ただ場合によっては、返金が必要なく両方を受け取れるケースもあります。そのため、どのようなときに傷病手当金と障害年金を同時に受け取れるのか知らなければいけません。また、たとえ併給調整があっても障害年金の申請は早めに準備しておくといいです。

それでは、傷病手当金と障害年金を同時に受け取るとき、どのように考えればいいのでしょうか。傷病手当金と障害年金の関係を解説していきます。

傷病手当金の制度や金額、支給日数

身体障害者や知的障害者、精神障害者、難病患者で障害年金を受け取れるのは有名です。ただ障害者でお金を受け取れるのは障害年金だけではありません。場合によっては、傷病手当金を受け取れることもあります。

会社員について、業務外の病気・ケガによって十分に働けず、会社を休んでいるとき、会社からの給料はストップします。このとき、十分な給料をもらえない期間の生活を保障するための制度が傷病手当金です。

傷病手当金は社会保険の制度であり、会社員・公務員として社会保険・厚生年金に加入している人が利用できます。個人事業主のように、国民健康保険・国民年金の加入者は対象ではありません。このとき連続して会社を3日休んだ場合、4日目以降、休んだ日に対して支給されるお金が傷病手当金です。

3日間を休めば傷病手当金の対象になるため、基準は非常に低いです。このとき、傷病手当金によってもらえる一日当たりの金額は以下になります。

  • 過去1年の月給(平均額) ÷ 30日 × 2/3

つまり、それまでもらっていた給料の3分の2が傷病手当金の支給額になると考えればいいです。

なお傷病手当金について、支給が開始された日から最長1年6か月にわたって受給できますが、通算できます。例えば途中で症状が改善し、数か月の出勤をした後、再び症状が悪化して欠勤したとします。この場合、途中で出勤していた時期を除いて、通算して1年6か月を受給できます(途中出勤がある場合、1年6か月を超えて受給)。

このように、病気やケガによって十分に働けないときに支給される制度が傷病手当金です。

同じ傷病の場合、障害年金と併給調整される

ただ病気やケガについて、回復することなく、身体障害者や精神障害者としてその後も労働が不自由になるケースがあります。この場合、障害年金の支給対象になります。

初診日(障害の原因傷病で初めて医療機関を受診した日)から1年6か月が経過する日を障害認定日といいます。障害認定日から障害年金の申請が可能になります。

ただ傷病手当金と障害年金は通常、同時受給ができません。同じ原因傷病で障害手当金と障害年金を受け取る場合、併給調整されます。

「傷病手当金の額 < 障害年金の額」であると、傷病手当金は支給停止になります。また「傷病手当金の額 > 障害年金の額」の場合、差額分が傷病手当金として支給されます。こうして、傷病手当金と障害年金で大きい額のほうを受給できるようになります。同時受給はできません。

異なる原因傷病の場合、併給調整されない

ただ場合によっては、傷病手当金と障害年金を同時併給できるケースがあります。つまり、両方とも受給できるのです。こうしたケースとして、異なる原因傷病で受給する場合が該当します。

例えば、以下のケースになります。

  • うつ病を原因として障害年金を受給していた
  • その後、別のケガによって傷病手当金の受給を開始した

このように、別の傷病を原因とする場合は傷病手当金と障害年金は併給調整されません。

障害基礎年金のみを受け取っている場合、併給調整はない

他には、障害基礎年金のみを受け取っている人が傷病手当金を受け取る場合についても、併給調整がありません。

初診日に国民年金に加入している人であれば、障害基礎年金のみを受け取れるようになります。こうした人が傷病手当金を受け取る場合、併給調整されません。逆にいうと、併給調整の対象になるのは障害厚生年金を受け取る人になります。

※初診日に会社員・公務員で厚生年金に加入している場合、障害厚生年金を受け取ることになります。

例えばうつ病で障害基礎年金を受け取っている人について、症状が回復したので会社に就職したとします。ただ、その後にうつ病の症状が悪化して傷病手当金の受給を開始した場合、併給調整はされません。

うつ病の人が受け取っているのは障害基礎年金のみであり、障害厚生年金ではありません。そのため、傷病手当金の併給調整はないのです。

両方を受け取った場合、返金・返納が必要になる

ただ初診日に会社員・公務員であり、障害厚生年金を受け取っている人が傷病手当金を受け取る場合、併給調整によって返金・返納が必要になります。本来であれば受け取ってはいけないお金であるため、重複分については返還しなければいけません。

また重複受給している場合、障害年金の申請をして4か月以上が経過した後に「お金を返還して」といわれるようになります。これは、障害年金の申請をして実際にお金が振り込まれるまで、審査期間を含めて4か月以上かかるのが一般的だからです。

つまりあなたは、忘れたころに「お金を返金してね」といわれます。

ただお金の返納が必要とはいっても、払われすぎたお金の返金であるため、損をするわけではありません。障害年金の分はきちんと支払われるため、払われすぎたお金を返還すればいいです。

お金の支給期間を確認する

このとき、お金の支給期間を確認しましょう。前述の通り、傷病手当金の支給は1年6か月です。また障害年金の申請が可能なのは、初診日から1年6か月が経過した時点からです。

そのため人によっては、傷病手当金の受け取り期間と障害年金の受給開始時期について、重なっていないケースがあります。この場合、両方を同時に受け取っていないので併給調整はありません。つまり、お金の返金義務はないです。

一方で傷病手当金と障害年金の受給時期が重なっている人もいます。この場合、併給調整によって「重なっている部分のお金の返納」が必要になります。

お金の返還が必要とはいっても、すべての期間について返金するという意味ではありません。あくまでも、傷病手当金と障害年金の支給時期が重なっている部分のみ返納となります。

傷病手当金の受け取り中に障害年金の申請を行うべき

なお傷病手当金を受け取っている人の中には、「同じ傷病で申請をする場合、障害年金との重複で併給調整されるため、障害年金の申請は後でも問題ない」と考える人がいます。ただ、この考え方はやめて可能な限り素早く障害年金に申請するほうがいいです。

まず、障害年金の申請準備を開始して実際に受け取れるようになるまで、早くて6か月以上かかります。書類の準備をするだけでも早くて12か月かかり、審査がスムーズであっても書類提出から受給まで4か月以上かかるのが一般的だからです。

そのため、傷病手当金の受給が終わった後に障害年金の準備を開始するとなると、「満足に働けないにも関わらずお金をまったく受け取れない期間」を長く生じてしまいます。

また前述の通り、重複期間で返金が発生するとはいっても、お金を取られるわけではありません。多くもらいすぎたお金を返納するだけです。それよりも、労働できずにお金がまったくないほうが大問題であるため、障害認定日を過ぎたら可能な限り早く障害年金の申請をしましょう。

老齢年金や労災保険をもらえる場合、傷病手当金の調整がある

ちなみに傷病手当金について、障害年金以外にも同時受給できない種類のお金があります。具体的には以下が該当します。

  • 会社からの給料
  • 老齢年金
  • 労災保険(休業補償給付)

なお、これらの手当よりも傷病手当金のほうが額が大きい場合、障害年金と同様に差額分のみ支給されます。つまり、重複する場合のお金の受け取り方は障害年金と同様と考えましょう。

障害年金と傷病手当金は同時にもらえない

すべての障害者にとって重要なお金が障害年金です。ただ障害年金はすぐに申請できるわけではなく、初診日から1年6か月が経過する必要があります。一方で傷病手当金については、連続して会社を3日休むことで給料の支払いがない場合、要件を満たすことになります。

ただ傷病手当金と障害年金の同時受給はできません。併給調整により、重複して受け取った部分は返金が必要になります。そうはいっても、あくまでも重複部分のみの返金です。重複していなければ返還の必要はありません。またお金を受け取れない期間を生じるのを防ぐため、素早く障害年金の申請をする必要があります。

なお同じ傷病での受給ではない場合、傷病手当金と障害年金を併給できます。障害基礎年金のみを受け取っている場合も同様に、傷病手当金と障害年金の併給が可能です。

急に病気やケガによって働けなくなる場合があります。こうしたとき、傷病手当金の申請を考えましょう。そこで傷病手当金と障害年金の関係を理解することで正しくお金を受け取るといいです。

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