障害者が家族と離れて暮らすとき、複数の選択肢があります。この一つが療養介護であり、病院にて生活することになります。

それに対して、障害者が家族と離れて一人で暮らすとき、療養介護よりも障害者グループホーム(共同生活援助)や入所施設)や入所施設(障害者支援施設)がメインになります。これら障害者施設を利用することで、複数の障害者と共同生活を送るのです。

それでは、療養介護と障害者グループホーム・入所施設はどのような違いがあるのでしょうか。また、障害者の日中活動はどのようになるのでしょうか。療養介護と障害者グループ・入所施設の違いを解説していきます。

障害者が過ごせる施設はいくつかある

どこかの時点で障害者は一人で生きていく必要があります。ただ実際のところ完全一人では生きられないため、施設を利用して障害者は生活します。

こうした障害福祉サービスには以下があります。

  • 障害者グループホーム(共同生活援助)
  • 入所施設(障害者支援施設):施設入所支援
  • 療養介護

この順番は重症度順になっています。つまり障害者グループホームであれば障害の程度が軽度であっても利用でき、一方で療養介護は最重度の障害者のみ利用できます。

これら障害福祉サービスを利用するとき、事前に障害支援区分を取得します。区分には1~6まであり、数字が大きいほど重度を表します。このとき、以下のように区分によって利用できる障害福祉サービスが異なります。

このように、それぞれの障害福祉サービスを利用するには以下の区分が必要になるとわかります。

  • 障害者グループホーム(共同生活援助):区分1以上
  • 入所施設(障害者支援施設):区分4以上
  • 療養介護:区分5以上

こうした表からも、療養介護が重症度の高い障害者で利用されるとわかります。

障害者グループホーム(共同生活援助)は最も一般的

軽度から重度まで含めて、あらゆる障害者を受け入れている施設が障害者グループホーム(共同生活援助)です。障害者が家族を離れて生活することを考えるとき、第一選択肢になるのが障害者グループホームです。

障害者グループホームによって「軽度・中等度向け」「知的障害者向け」「バリアフリーありの身体障害者向け」など特徴はそれぞれ異なります。ただいずれにしても、こうした障害者施設に格安にて住むことができます。

なお障害者グループホームによっては看護師が常駐しており、この場合は医療的ケアが必要な重症心身障害者や難病患者であっても対応できます。すべての障害者グループホームではないものの、重度の障害者に対応している施設であれば医療的ケアにも対応可能です。

施設入所支援にて入所施設(障害者支援施設)で過ごす

障害者グループホームは規模が小さく、3~6人ほどの障害者が一つ屋根の下で共同生活を送ります。それに対して、数十人規模の障害者施設に入所施設(障害者支援施設)があります。

障害者支援施設で過ごせるようにする障害福祉サービスが施設入所支援です。こうした入所施設(障害者支援施設)に住むとき、区分4以上の重度の障害者のみ利用対象となります。

なお基本的に看護師が働いているため、医療的ケアが必要な障害者であっても入所施設(障害者支援施設)であれば対応できます。元々が重度向けの施設であるため、区分5や区分6の重度心身障害者や難病患者であっても施設入所支援によって障害者支援施設に住めます。

療養介護は病院での入院生活になる

それに対して、療養介護では病院へ長期入院している人が利用対象になります。障害福祉サービスを利用するものの、障害者施設に住むわけではなく、医療機関にて重度の障害者が療養介護を利用するというわけです。

医療機関を利用するため、医療的ケアが必要な人でなければ受け入れしてくれません。具体的には、以下の人が対象です。

  • ALSなど、人工呼吸器が必要な区分6の人
  • 筋ジストロフィーまたは重症心身障害者で区分5以上

障害者グループホームであれば軽度の障害者でも利用できます。また施設入所支援であれば、区分4以上なら入所施設(障害者支援施設)を利用可能です。ただ療養介護については、区分5~6の重度障害者であれば利用できるわけではなく、上記のような常に医療を必要とする人のみ利用対象者となります。

療養介護で日中活動は期待できない

それでは療養介護を利用できるほどの重度障害者について、実際に療養介護を利用する場合、日中活動を行うことはできるのでしょうか。これについて、病院は障害者施設とは大きく異なり、何か日中活動が提供されることは基本的にありません。

例えば障害者グループホームであれば、日中にデイサービスなどの施設へ通うのは普通です。また入所施設(障害者支援施設)であれば、施設内で日中活動が可能です。

一方で医療機関というのは、本来は病気やケガの治療で利用されます。そのため、療養介護の利用中に特別な日中活動を行うことは期待しないほうがいいです。多少の行事や創作活動はあるかもしれませんが、基本的には病室で過ごすことになります。

生活介護(デイサービス)は障害者施設で利用可能

なお重度障害者向けの日中活動としては、生活介護(デイサービス)が知られています。こうしたデイサービスを利用できるのは、障害者グループホームや入所施設(障害者支援施設)の利用者になります。

障害者グループホーム(共同生活援助)の場合、通いによってデイサービスの施設へ行くことになります。また障害者支援施設では、施設内でデイサービスが行われています。

医療機関で障害者向けの生活介護が行われていることは基本的にありません。そのため、やはり療養介護では日中活動を期待することはあまりできず、デイサービスを利用したい場合は障害者グループホーム(共同生活援助)や入所施設(障害者支援施設)の利用になります。

施設数が異なり、病院で通常は退院が必要になる

なお障害者グループホーム(共同生活援助)や入所施設(障害者支援施設)に対して、療養介護の大きな違いの一つに施設数があります。医療機関を利用して療養介護を実施するため、療養介護が可能な施設数は非常に少ないです。

例えば障害者グループホームの場合、1万以上の施設があります。また障害者支援施設も日本全国で2500以上あります。それでも障害者の人数に比べて施設数が少なく、空きは少なくなりがちです。

一方で療養介護の場合、施設数は全国で300に満たないです。そのため療養介護を利用したいと考えても、利用可能な施設数は非常に少ないです。

また病院へ長期入院している人が療養介護の対象になります。ただ通常、病院は死ぬまで生活する場所ではありません。一般的には、どこかの時点で退院することになります。その場合、同時に療養介護も打ち切りになります。

そのため病院に入院しており、療養介護を利用することになっても、退院のことを考えて「自宅に住む」「障害者グループホームなどの施設を利用する」ことを考えなければいけません。どこかの時点で退院が一般的である以上、療養介護はずっと利用し続ける障害福祉サービスではありません。

障害者施設への入居と療養介護の違いを理解する

通常、家族と離れて暮らす場合は障害者グループホーム(共同生活援助)を考えます。軽度から重度まで受け入れ可能であり、看護師と提携していれば医療的ケアが必要であっても問題ありません。

また重度の障害者では、施設入所支援を利用して入所施設(障害者支援施設)に住んでも問題ありません。障害者支援施設には看護師がいるため、医療的ケアにも対応しています。

それに対して、医療機関にて重度の障害者が利用できる障害福祉サービスが療養介護です。デイサービスのような日中活動を期待することはできないものの、病院で長期入院している人は療養介護を依頼できます。

障害者が住む場所を探すとき、障害福祉サービスの特徴を理解する必要があります。そこで障害者グループホーム(共同生活援助)や入所施設(障害者支援施設)、療養介護の違いを見極めましょう。

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