会社での仕事が原因で障害を負ってしまうことがあります。こうした労災について、基準を満たせばケアプラザ(労災特別介護施設)を利用できます。労災向けの入所施設と考えましょう。

ケアプラザでは、看護師が常駐しています。そのため医療が必要であっても問題ないですし、ずっとケアプラザに住み続けることもできます。施設数は少ないものの、空きがあれば死ぬまで住んでも問題ありません。

実際にケアプラザを利用するためには、料金が必要になります。ただ費用は格安であり、障害年金や労災年金(障害給付)を利用することにより、問題なく支払い可能です。

それでは労災によって障害者となってしまった場合、どのようにケアプラザを利用すればいいのでしょうか。労災での入所施設について解説していきます。

重度の労災でケアプラザを利用できる

労災によって重度の障害者となってしまった場合、常に介護が必要な状態となり、家族にとっても本人にとっても大変です。そうしたとき、スタッフが24時間体制で介助してくれる施設にケアプラザ(労災特別介護施設)があります。

障害者向けの施設としては、障害者グループホームや障害者支援施設が有名です。ただ労災が原因で障害者となった場合、ケアプラザも候補になるのです。障害者で住めるケアプラザとしては以下があります。

  • ケアプラザ岩見沢:北海道
  • ケアプラザ富谷:宮城
  • ケアプラザ四街道:千葉
  • ケアプラザ瀬戸:愛知
  • ケアプラザ堺:大阪
  • ケアプラザ呉:広島
  • ケアプラザ新居浜:愛媛
  • ケアプラザ宇土:熊本

国が設置・運営している施設がケアプラザです。規模の大きい施設であり、複数の障害者が共同で生活を送ることになります。

傷病等級・障害等級が1~3級で利用可能

それでは、どのような障害者でケアプラザを利用できるのでしょうか。労災の入所施設を利用するためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 傷病等級・障害等級が1~3級
  • 居宅での介護が困難

傷病等級・障害等級が1~3級とは、どういう状態なのでしょうか。厚生労働所が公表している「労働者災害補償保険法施行規則 別表第一 障害等級表」によると、1~3級は以下のようになっています。

【第一級】

  • 両眼を失明
  • そしゃくと言語の機能がない
  • 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、常に介護が必要
  • 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、常に介護が必要
  • 両上肢をひじ関節以上で失った、または機能が完全にない
  • 両下肢をひざ関節以上で失った、または機能が完全にない

【第二級】

  • 一眼を失明し、他眼の視力が0.02以下
  • 両眼の視力が0.02以下
  • 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、随時介護が必要
  • 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、随時介護が必要
  • 両上肢を手関節以上で失った
  • 両下肢を足関節以上で失った

【第三級】

  • 一眼を失明し、他眼の視力が0.06以下
  • そしゃくまたは言語の機能がない
  • 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、仕事をすることができない
  • 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、仕事をすることができない
  • 両手の手指の全部を失った

このように、かなり重度の障害を負ってしまった人でケアプラザに入居できます。少なくとも、労災によって労働が困難になっている人が対象になります。

看護師が常駐し、ずっと入居可能

このとき、ケアプラザ(労災特別介護施設)には看護師が常駐しています。そのため、医療的ケアが必要な障害者であっても利用できます。さらに、特に入居期間に制限はありません。ケアプラザに入居できれば、死ぬまで施設に滞在することもできます。

また規模の大きい施設であるため、障害者ごとに居室があるだけでなく、以下の施設や設備も存在します。

  • 健康管理室
  • ナースルーム
  • ケアルーム
  • 介護浴室、介助浴室
  • コミュニティホール(運動室)
  • クラブ室
  • 理容室
  • 売店

こうした施設や設備があり、ケアプラザ内だけで生活が完結することになります。外出は可能であるものの、重度障害者が入居の対象であり、基本的には外に出ずに施設内の設備を利用して、介護を受けながら生きていくことになります。

入居費用は障害年金・労災年金から出す

このとき、ケアプラザ(労災特別介護施設)を利用するためには入居費用が必要になります。本人の年収に応じて、入居費のうち施設利用料は月3万6000円~28万4000円と幅があります。

ただ重度障害者の場合、ほとんどのケースで低所得者に該当します。そのため、施設利用料は月3万6000円になると考えましょう。これに加えて介護費はあるものの、介護(補償)給付の支給請求をすることで同額が後日に支給されるため、実質的に介護費の負担はありません。

ちなみに、施設利用料には食費、居住費、その他施設の運営に要する費用が含まれています。食費も含まれているため、格安にて利用できます。

・初期費用の内容

このとき労災の入所施設利用では、一時金は原則として不要です。ただ頼れる親族がおらず、身元引受人を選任できない場合、保証金として入居費の3か月分が必要になります。

・障害年金と労災年金で支払う

労災によって重い障害が残ってしまった場合、障害厚生年金の対象になります。それに加えて、労災年金の支給対象にもなります。

これらの制度を利用すれば、少なくともケアプラザに入居してお金の支払いに困ることはありません。まったく働けない状態や寝たきりであっても、ケアプラザ(労災特別介護施設)にて生活できます。

施設数は少なく、他の施設も選択肢に入れる

なお、ケアプラザを利用するとき一番の問題は施設数の少なさです。前述の通り、日本全国に8か所しかありません。そのため、選べるケアプラザは限られます。

また「死ぬまで住み続けることができる」というのは、空きが少ないことを意味しています。施設の規模は大きいものの、それぞれの施設の入居定員は100人ほどであるため、受け入れできる人数がものすごく多いわけではありません。

そのため重い障害をもつ人が家族を離れて生活することを考えるとき、ケアプラザ(労災特別介護施設)に加えて障害者グループホームや障害者支援施設まで視野に入れるのが一般的です。

障害者グループホームや障害者支援施設についても、入居に当たって国・自治体から補助金が出るため、まったく働くことができなくても問題なく生活できます。少なくとも、障害厚生年金と労災年金の両方を利用できる場合、無駄遣いしなければお金が余る状態になるはずです。

障害者が施設で生活する場合、「空きがあるかどうか」「最適な場所に住めるか」「スタッフや施設の様子はどうか」を総合的に判断する必要があります。そこでケアプラザだけでなく、障害者グループホームや障害者支援施設を視野に入れるといいです。

労災による障害で施設を活用する

仕事による病気・ケガをしてしまい、労災認定となった人について、重度であればケアプラザ(労災特別介護施設)を利用できます。格安で利用することができるため、障害年金と労災年金の利用によって十分生活できます。

国が管理・運営している施設であり、施設の規模はそれなりに大きいです。また、重度障害者向けの介護設備も整っているため、寝たきりであったり医療的ケアが必要であったりしても問題ありません。

ただ施設数は少なく、全国に8か所のみです。そのため特別な理由がない限り、障害者グループホームや障害者支援施設まで含めて、入居先を検討しましょう。

障害者の中でも、労災が原因の場合は入居先にケアプラザを選べます。そこで24時間の介護体制がある中で格安にて生活したい場合、こうした施設への入居を考えても問題ありません。

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障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。

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