ADHDやASD(アスペルガー症候群、自閉症)、学習障害などの発達障害をもつ場合、家事関係がなかなか進みません。発達障害では部屋の片づけができず、自分の部屋をゴミ屋敷にしてしまう人もそれなりにいます。

こうした発達障害について、障害福祉サービスを利用できます。精神障害者であれば障害福祉サービスへ申請でき、居宅介護(ホームヘルプ)を利用できるようになるのです。

民間の家事代行サービスを利用するよりも、ホームヘルプのほうが圧倒的に格安で利用できます。そのため発達障害で家事ができない場合、積極的に居宅介護を利用しましょう。

それでは、ADHDやASD(アスペルガー症候群、自閉症)、学習障害で居宅介護を利用するとき、どのように考えればいいのでしょうか。発達障害でのホームヘルプ利用について解説していきます。

ADHDやアスペルガー症候群、自閉症でホームヘルプを利用可能

障害者であれば、すべての人で障害福祉サービスを利用できます。発達障害者は精神障害者に該当するため、障害福祉サービスの一つである居宅介護(ホームヘルプ)の活用を考えましょう。

ホームヘルプとなると、日々の生活が難しい人が利用するイメージをもってしまいます。ただ実際には、フルタイムで企業勤務しているADHDやアスペルガー症候群、自閉症の人であっても問題なく利用できます。

障害福祉サービスというのは、自立支援の場でもあります。例えば発達障害によって汚部屋になっている場合、優れた生活とはいえません。また、発達障害者の子育てで育児ノイローゼになっている場合、精神状態がより悪化します。

そこでホームヘルプを利用することにより、ADHDやアスペルガー症候群、自閉症、学習障害など発達障害の症状が改善されたり、生活環境が良くなったりするのであれば、積極的に活用するほうがいいです。

料理、洗濯、そうじ、買い物などの家事を依頼できる

居宅介護(ホームヘルプ)を利用するとき、生活に関するさまざまな依頼をすることができます。例えば以下になります。

  • 料理
  • 洗濯
  • そうじ
  • 買い物

食事や入浴、排せつなど一般的な介護ではなく、上記のような一般的な家事を依頼することもできます。そこで、発達障害の場合は一般的な家事を手伝ってもらいましょう。

・こだわりがある場合、事前に伝える

このとき、発達障害によっては特定のこだわりをもつ場合があります。その場合、そうじ・片付けを依頼するにしても、事前にこだわりの内容を伝えるといいです。

育児支援も居宅介護の対象

なお、居宅介護(ホームヘルプ)は育児支援も対象になっています。ADHDやASD(アスペルガー症候群、自閉症)、学習障害について、以下の人であれば育児支援を利用できます。

  • 親が発達障害によって家事や付き添いが困難
  • 子供が一人では対応できない
  • 他の家族による支援を受けられない

つまり、発達障害で家事が困難な状態であれば問題なく育児支援を利用できます。育児ノイローゼになる前に、子供がいる場合はホームヘルプを活用しましょう。

子供は利用者本人ではないものの、本来は利用者本人が子供に対する家事(育児)を行う必要があります。そのため、居宅介護では育児支援も対象になっています。

居宅介護は自立支援の場でもある

なお、うつ病や統合失調症などを併発していて動くのも難しい場合、家事代行として居宅介護を利用すればいいです。一方、企業で働いていたり、専業主婦として普通の生活を送っていたりする場合、家事代行というよりも、自立支援として利用するといいです。

ホームヘルプによって家事をしてもらう場合、実際のところ家事代行として活用できます。ただ、そうなると他人にすべての家事を任せることになるため、自らの生活能力が衰えていくようになります。

本来、障害福祉サービスは障害者が行えることを増やすために支援するサービスです。そこで、単なる家事代行ではなく自立支援のために利用するのです。

例えば汚部屋を何とか整頓するために部屋の片づけを依頼するにしても、どのように収納すればいいのか、またどのように生活すれば部屋を汚くしなくても済むのかアドバイスをもらうのです。また可能なら、一緒に作業をすると自立支援の効果は高まります。

なお、居宅介護はあくまでも障害者本人の自立支援であるため、家族は対象外です(前述の通り、育児支援は除く)。そのため、例えば配偶者の部屋のそうじ・片づけなどは対象にならないと考えましょう。

利用時は役所に相談し、区分認定と受給者証を得る

それでは、ADHDやアスペルガー症候群、自閉症、学習障害でホームヘルプを利用する場合、どのようにすればいいのでしょうか。

障害福祉サービスを利用する場合、市役所や区役所などの役所で相談しましょう。障害福祉課などの部署へ出向くといいです。

その後、障害支援区分を取得することになります。居宅介護(ホームヘルプ)を利用する場合、すべての人で区分の取得が必要になります。軽度の精神障害者であってもホームヘルプは利用対象となるため、会社などでフルタイム勤務していても問題ありません。

なお区分は1~6まであり、数字が大きくなるほど重度になります。つまり、障害支援区分は障害の程度を表します。

ホームヘルプは区分1以上で利用できます。また区分取得をした後、障害福祉サービス受給者証を役所で発行してもらいましょう。

利用する事業所を選び、サービス開始

障害支援区分を得て、障害福祉サービス受給者証まで手に入れたら、あとは利用する事業所を選ぶだけになります。

障害福祉サービスを提供している事業者はいくつもあります。このとき、居宅介護(ホームヘルプ)を提供している事業所の中で、どの会社を利用するのかはあなたの自由です。

そこで、実際に障害者向けのホームヘルプを提供している会社を検索し、連絡を取りましょう。もちろん、実際に利用した後に微妙であれば、他のホームヘルプ事業者に変更しても問題ありません。いずれにしても、居宅介護を提供している会社を選んでサービス開始になります。

このとき、どれだけホームヘルプを利用できるのかは管轄の自治体によって異なります。利用時間は事前に決定され、例えば「1回1.5時間、週2回の利用」などになります。決められた範囲でホームヘルプを依頼しましょう。

利用料金は1割負担で家事代行サービスより格安

ただ気になるのは料金です。障害福祉サービスについて、自己負担は非常に低いです。基本的には、自己負担は1割になります。

そのため、格安にてホームヘルプを利用できます。発達障害の人が家事の依頼や育児支援をお願いする場合、1回1.5時間で300円ほどになると考えましょう。仮に週2回を利用しても、一か月で3000円ほどです。

一般的な家事代行サービスの会社に依頼する場合、1時間あたり3,000円~4,500円になるのが一般的です。つまり、民間の家事代行サービスを一回依頼するよりも、居宅介護の月の総費用は安いです。

障害者向けのサービスは非常に優遇されており、収入ゼロの人であっても問題なく利用できるように設計されています。もちろん低所得者ではなく、フルタイム勤務の発達障害者であっても格安にて利用できます。そこで、家事で悩んでいる場合は積極的に活用するといいです。

ADHDやASDでホームヘルプは有効

発達障害の場合、通常よりも生活が困難になりやすいです。例えば家事ができず、自分の家を汚部屋にしてしまったり、子育てができず育児ノイローゼになったりしてしまいます。

そこでADHDやASD(アスペルガー症候群、自閉症)、学習障害などの発達障害なのであれば、居宅介護(ホームヘルプ)の利用を検討しましょう。障害者向けの介護スタッフが家事を代行してくれることで、発達障害での家事負担を軽減できるように支援してくれます。

なお完全なる家事代行ではなく、自立支援として利用することで、たとえホームヘルプを利用しなくても家事を行えるように支援してもらうといいです。また利用料は格安であるため、金銭面の心配をする必要はありません。

障害福祉サービスの利用は障害者にとって非常に優れる選択肢の一つです。そこでADHDやアスペルガー症候群、自閉症、学習障害がある場合、家事に困っているのであれば居宅介護を活用しましょう。

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