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共同生活援助で事業計画書の書き方:テンプレート・ひな形を利用

障害者グループホーム(共同生活援助)の開設で必須となる書類に事業計画書があります。事業計画書を作成することによって共同生活援助の指定申請が可能になります。また、銀行融資を受けることもできます。

ただ、ゼロの状態から事業計画書を作成するのは現実的ではなく、多くの時間がかかります。そこで、テンプレート・ひな形をダウンロードすることで素早く事業計画書を作成しましょう。

それでは、障害者グループホーム経営でどのように事業計画書を作成すればいいのでしょうか。事業計画書の様式やひな形を含めて、書き方を解説していきます。

障害者グループホームの運営では事業計画書が必要

これから障害者グループホーム(共同生活援助)の開設を考えるとき、事業計画書の作成が必要になります。事業計画書は以下の用途で利用されます。

  • 開業時の指定申請
  • 金融機関からの融資

それぞれについて確認しましょう。

開業時の指定申請で提出する

障害者グループホーム(共同生活援助)の立ち上げでは、行政から指定を受けなければいけません。このとき、事業計画書の提出が必要になります。

指定申請を受けるとき、非常に多くの書類提出が必要になります。こうした必要書類の一つが事業計画書であり、以下の内容を記します。

  • 法人や施設の基本情報
  • 職員の配置内容
  • 提供するサービス内容

事業計画書があることにより、どのような障害者をターゲットとしており、介護スタッフの配置がどのようになっているのか把握できます。

実際のところ、都市によって障害者グループホームの開設許可の難易度は異なります。また、場合によっては「精神障害者メインだと開設許可が下りないものの、知的障害者メインであれば開設許可が下りる」などの都市もあります。そうした内容を行政が把握するため、事業計画書は重要です。

金融機関からの融資で活用

また、ほぼすべての障害者グループホームは銀行などの金融機関から融資を受けることになります。共同生活援助の初期費用は高額であり、ランニングコストを含めて少なく見積もっても1000万円以上は必要になります。

そこで、金融機関から融資を受けるときに事業計画書の提出が必要になります。特に、創業時ではビジネスがまだ本格的にスタートしていないため、融資を得るために複数の資料提示が必要になります。そうしたとき、事業計画書が役立ちます。

役所からの指定申請で必須の書類が事業計画書であるため、既に作成している書類を金融機関へ提示すればよく、新たな手間は不要です。このとき、複数の銀行・信用金庫から融資を受けるのも普通です。以下は私の会社が融資を受けたときの書類です。

このときは利率が低く、こうした低金利で融資を受けることができました。日本は世界的に金利が低いため、高額な融資を引っ張って問題ありません。

テンプレート・ひな形を活用して事業計画書を作る

そこで、テンプレート・ひな形を利用して事業計画書を作成しましょう。ゼロから自分で作る意味はないため、ある程度、決まった様式を活用するといいです。ダウンロードは以下から可能です。

なお、自治体が事業計画書の様式を提供しているケースもあります。この場合、自治体のテンプレートを活用しても問題ありません。

法人・事業所の基本情報を記載する

まず、共同生活援助を運営する法人や事業所の基本情報を記すことになります。そこで、以下の内容を記載しましょう。

【事業目的・理念】

会社の事業目的や理念を記します。理念なのでボヤっとした内容になりますが、例えば以下になります。

  • 障害者の尊厳を保ち、個性を重視した福祉サービスを提供する。また地域社会と積極的に交流し、家庭的な雰囲気の中で自立して生活できるための支援を行う。

【運営方針】

どのような障害者グループホームを運営するのかを記します。例えば、以下のようになります。

  • すべて手助けするのではなく、サポート役を担うことで自立して生活できるように促す
  • 利用者や家族が希望する生活・心身状況を把握し、そのつど相談・助言・援助を行う
  • 福祉や医療関係者との連携を取り、総合的なサービスを提供する
  • 地域生活を送るため、自治会活動やボランティア参加を積極的に行う

【各ユニットの名称と所在地】

以下のように、それぞれのユニット(障害者グループホーム)の名称と所在地を記しましょう。

  1. ○○(○○市○○町○○番地)
  2. △△(△△市△△町△△番地)

【利用定員数】

運営する障害者グループホームの合計定員数と各ユニットの定員の内訳を記します。

  • 合計○人:1. ○人、2. △人

【想定している利用者像】

知的障害者・精神障害者・身体障害者・難病患者について、どのような障害者を対象にしているのか記します。例えばバリアフリーでない場合、身体障害者の受け入れは厳しいです。このとき、開設時に入居が予定されている人の状況も記載します。

施設の人員配置を記載

次に、施設の人員配置を記載します。共同生活援助では、管理者やサービス管理責任者、世話人、生活支援員に関する人員配置基準が存在します。そこで、以下の人数を記します。

  • 管理者:○人
  • サービス管理責任者:○人
  • 世話人:○人(常勤換算○人)
  • 生活支援員:○人(常勤換算○人)

なお世話人と生活支援員については、常勤換算で何人なのかを記しましょう。世話人と生活支援員は定員に対する人員配置が決められているため、それを満たしている必要があります。

例えば介護サービス包括型にて開業する場合「利用者:世話人=6:1」の割合で配置する必要があります。また開業時は満床率90%で計算するため、定員6人とすると、「開業時は5.4人の利用者が入居している」と考えます。

  • 定員6人 × 90% = 5.4人

また、5.4人に対する必要な世話人は0.8人です。

  • 5.4人 ÷ 6 = 0.8人

この場合、労働時間を週40時間とすると、世話人として働く時間が週32時間以上であれば、世話人の配置基準を満たすことになります。

  • 週40時間 × 0.8人 = 週32時間

同じように、生活支援員についても常勤換算での人数配置が重要になります。そこで、世話人と生活支援員は常勤換算での人数も記すのです。なお、開業時に必要な世話人と生活支援員の配置基準に関する早見表は以下になります。

・世話人の人員配置基準

利用定員 開業時みなし 介護包括 日中支援型
4人 3.6人 0.6人 0.7人
5人 4.5人 0.8人 0.9人
6人 5.4人 0.9人 1.1人

・生活支援員の人員配置基準

利用定員 開業時みなし 区分3 区分4 区分5 区分6
4人 3.6人 0.4人 0.6人 0.9人 1.4人
5人 4.5人 0.5人 0.7人 1.1人 1.8人
6人 5.4人 0.6人 0.9人 1.4人 2.2人

必要な世話人と生活支援員を配置できることを提示するため、障害者グループホームの配置基準を理解して事業計画書を記しましょう。

【夜間支援体制】

なお日中支援型グループホームは当然として、介護サービス包括型についても多くの障害者グループホームで夜勤スタッフを配置します。これは、障害者グループホームで夜間支援等体制加算を取得するためです。そこで、以下のように夜勤支援員を記しましょう。

  • 夜勤支援員:○人
  • ユニット内訳:1. ○人、2. ○人

運営や支援内容を記載

次に運営や支援内容を記します。以下のようになります。

【支援内容】

施設内での支援内容や食事、就労支援、健康管理、地域との交流などを記載しましょう。以下のようになります。

  • 食事や⼊浴、排せつ等の介助を行い、日常生活上の援助を行う
  • 地域商店での単独またはスタッフ同行での買い物等を支援し、自主性を育成する
  • 部屋のそうじや金銭管理により、日々の生活での管理能力を伸ばす
  • 地域の祭りやボランティア活動を通して、コミュニティとの関わり方を学ぶ

【年間行事予定】

年間行事予定を記します。例えば以下のようになります。

  • 1月:正月のお餅つき
  • 2月:なし
  • 3月:なし
  • 4月:花見
  • 5月:なし
  • 6月:なし
  • 7月:なし
  • 8月:○○市の花火大会や△△祭りへ参加
  • 9月:なし
  • 10月:なし
  • 11月:ハロウィンパーティー
  • 12月:クリスマスパーティー

【職員研修】

障害者グループホームでは、研修がわりと多いです。そこで、職員研修に関する基本方針を記しましょう。例えば、以下のようになります。

  • 基本方針:福祉や他分野を常に学ぶため、社内研修(虐待防⽌、障害特性など)や外部研修への参加を積極的に推奨する。なお、外部研修での資格取得は費用の半分を法人が負担する

【防災・避難訓練】

防災の注意点や避難訓練の予定を記します。例えば以下のようになります。

  • 消防設備や衛生環境の点検・維持を実施
  • 夜間緊急時の対応方法を検討し、実施する
  • 避難訓練を定期的に行う
  • 災害時に備え、連絡体制の整備を図る
  • 緊急時、業務継続計画(BCP)に基づいた訓練の実施
避難訓練の予定
4月 日中を想定した避難訓練
10月 夜間を想定した避難訓練

事業計画書を作成し、事業をスタートする

障害者グループホーム(共同生活援助)の立ち上げでは、非常に多くの書類提出が必要となり、そのうちの一つが事業計画書です。ただ事業計画書は金融機関からの融資でも活用できるため、事業計画書の作成は大きな意味があります。

実際の事業計画書の作成では、テンプレートをダウンロードして記載しましょう。ゼロの状態から作成するのは意味がありません。

また、記載内容としては「法人・事業所の基本情報」「施設の人員配置」「運営や支援内容」があります。これらを事業計画書に記すことにより、役所や金融機関へ提出できる書類を作成します。

共同生活援助を立ち上げる場合、開設前に事業計画書を作らなければいけません。そこで基本的な様式を学び、ひな形を利用することで事業計画書を完成させましょう。

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