生活保護を受けることにより、毎月定期的にお金を受け取れるのは誰でも知っています。このとき障害者であれば、通常の生活保護のお金に加えて障害者加算があり、より多くのお金を受け取れるようになります。

障害者の中でも、重度や中度の人で障害者加算があります。このときの基準は障害者手帳や障害年金の等級となります。また、障害の程度によって加算額は異なります。

申請しないと障害者加算を得ることができません。そのため多くのお金を得るための条件を知り、早めに申請する必要があります。

障害者はどうしても多くのお金が必要になります。そこで障害者で生活保護を受けている人について、障害者加算の活用法を解説していきます。

障害者は生活保護に対する加算が存在

障害者には国や自治体によるさまざまな補助制度が存在します。その中の一つが生活保護に関する障害者加算です。

障害の程度や住んでいる地域によって加算額が異なります。そのため金額は一概にはいえませんが、障害者加算によってザックリと月15,000円~26,000円ほどが通常の生活保護費に加わると考えましょう。

具体的にいくらの金額になるのかは地域差があるので確認が必要であるものの、いずれにしても年間で考えると非常に高額なお金になるのが障害者加算です。

身体障害者手帳または障害年金による加算内容

それでは、どのような人で生活保護の障害者加算を利用できるのでしょうか。条件は決まっており、以下のうちどれかに該当する人で障害者加算を受けられます。

【重度】

  • 身体障害者手帳1~2級
  • 障害年金1級

【中度】

  • 身体障害者手帳3級
  • 障害年金2級

つまり身体障害者手帳1~3級または障害年金1~2級の人は生活保護での障害者加算の対象になります。身体障害者手帳や障害年金の等級によって重度・中度が異なり、障害の程度が違うことによって支給額は異なりますが、いずれにしてもこうした人が対象になるのです。

これらが基準となるため、療育手帳を保有しても障害者加算には意味がありません。療育手帳の保有者については、身体障害者手帳1~3級または障害年金1~2級を取得する必要があります。

生活保護費は増えないが障害者加算を狙う

生活保護の受給者が障害者である場合、通常は障害年金の申請を行います。理由としては、先ほど解説した通り障害者加算の要件に障害年金1~2級が含まれるからです。

生活保護で支給されるお金については、障害年金のお金を引かれて支給されます。つまり生活保護のみを利用しても、生活保護と障害年金を併用しても、支給される総額のお金は変わりません。

それにも関わらず、なぜ多くの人が生活保護と障害年金を併用するかというと、障害者加算があるからです。障害者加算の分だけ、単に生活保護費を支給されるよりも金額が増えるのです。

他には、例えば身体障害者手帳1級・2級を保有している人は障害年金を申請する意味がありません。一方で身体障害者手帳3級を保有している人の場合、障害年金に申請してみて、障害年金1級を取得できれば、重度の障害者としてより高額な障害者加算を得られます。そのため、障害年金の申請をする価値があります。

障害者手帳の等級と障害年金の等級はまったくの別物です。そこで障害者手帳と障害年金について、有利なほうの等級を用いて障害者加算を申請するといいです。

療育手帳(知的障害者)は障害者加算の対象外ですが、障害年金1~2級であれば障害者加算を得られます。知的障害者で生活保護の障害者加算を得られている人がいるのは、障害年金を利用しているからです。

・障害厚生年金3級の受給者は加算がない

なお障害年金には3級があります。それまで無職だった人であっても、障害年金の等級が1級や2級の場合、障害年金を得られます。一方で障害年金3級(障害厚生年金3級)については、これまで一般企業などで働いていた人(厚生年金に加入していた人)が障害者になった場合に支給されます。これが障害厚生年金3級です。

ただ障害厚生年金3級の人については、生活保護に関する障害者加算がありません。障害者加算を得るためには、あくまでも障害年金1~2級である必要があります。

障害年金の受給権がない場合、精神障害者保健福祉手帳の1級・2級も支給対象

ただ精神障害者(または知的障害を併発している精神障害者)について、精神障害者保健福祉手帳の1級または2級を保有しており、障害年金の受給権がない場合、生活保護の障害者加算が可能です。

障害年金の受給権がある場合、先ほど解説した通り、障害年金1級・2級で障害者加算の可否を判断されます(障害厚生年金3級は障害者加算なし)。一方で障害年金の申請をしておらず受給権がない場合、精神障害者保健福祉手帳を利用することで障害者加算が可能になるのです。

  • 精神障害者保健福祉手帳1級:障害年金1級と同等
  • 精神障害者保健福祉手帳2級:障害年金2級と同等

具体的には、該当となる精神疾患(統合失調症、うつ病、発達障害など)が医師によって初めて診断された後、1年6か月以上が経過している場合、精神障害者保健福祉手帳の等級を利用することで生活保護の障害者加算を認定できます。これについて、厚生労働省が以下のように公表しています。

つまり、以下の2つの条件を満たしている精神障害者であればいいです。

  • 障害年金の受給権がない
  • 精神障害者保健福祉手帳の等級が1級または2級

そのため精神障害者についても、生活保護を受けるようになった場合は「生活保護の障害者加算を得られるのでは?」と考えましょう。なお、精神障害者保健福祉手帳3級は障害者加算の対象外です。

入院中や施設入所者も加算の対象

なお身体障害者手帳1~3級や障害年金1~2級の人の中には、入院中であったり施設入所者だったりする人もいます。こういう人について、障害者加算はどのようになるのでしょうか。

障害者への補助について、入院中や施設入所者が対象外になることはよくあります。ただ生活保護の障害者加算については、入院中や施設入所者であっても障害者加算の対象となります。

前述の通り、住んでいる地域によって障害者加算の金額が異なります。このとき、入院中や施設入所者の場合、地域による等級は関係なくなり「最も支給金額の低い地域」に合わされます。そのため住んでいる地域によっては、入院や施設入所によって障害者加算の額が引き下げられます。

申請しないと自動的に加算とはならない

なお、身体障害者手帳1~3級や障害年金1~2級であると自動的に障害者加算が適用されるわけではありません。障害者に関する制度というのは、自ら申請しなければ特典を得られないケースがほとんどです。これは、生活保護の障害者加算も同様です。

そこで生活保護に加えて身体障害者手帳1~3級、または障害年金1~2級なのであれば、役所(福祉事務所)へ出向いて障害者加算を申請しましょう。

こうした制度について、さかのぼって支給されることは基本的にありません。つまり、申請しなければ「本来であれば受け取れていたお金を得られていない」となり、実質的に損をしていることになります。

なお実際に申請をするとき、以下の書類のいずれかを提出すればいいです。

  • 身体障害者手帳(人によっては精神障害者保健福祉手帳)
  • 国民年金証書(障害年金を得ている証明書)

これにより、通常の生活保護費に加えて障害者加算の分だけ上乗せされます。障害者であれば、健常者に比べて多くの金額を生活保護費として受け取れるので積極的に活用しましょう。

障害者で生活保護を受けているなら障害者加算を考えるべき

人によって障害の程度は異なりますが、知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者で働くのが難しいケースは多いです。この場合、資産がなく親族からの支援を受けられない場合は生活保護を受けるのが普通です。

障害者が生活保護を受ける場合、同時に障害者加算を申請しましょう。健常者の生活保護受給者に比べて、障害者加算の分だけ多くのお金を得られます。

受給条件は「身体障害者手帳1~3級」または「障害年金1~2級」です。障害年金の受給権がない場合、精神障害者保健福祉手帳1~2級についても障害者加算の申請が可能です。知的障害者が保有する療育手帳ではなく、これらが判定基準になります。

生活保護を受けている障害者にとって、年30万円ほどのお金が上乗せされるのは貴重です。そこで障害者手帳や障害年金で支給基準を満たしている場合、障害者加算を申請しましょう。