介護・福祉施設というと、どうしても老人の利用を想像しがちです。ただ障害者グループホームであれば、20代や30代の若者であっても利用できます。
グループホームが若者向けというわけではないですが、18歳以上であれば若年層でも入所できます。生まれつき知的障害や精神障害、難病をもっていなくても、後で難病やうつ病・統合失調症などの精神障害を発症した場合であっても利用できます。
若者が障害者グループホームを利用することについて、恥ずかしがる必要はありません。こうしたセーフティーネットを利用すれば、非常に安い金額で住むことができますし、自分の症状と向き合いながら規則正しい生活を送れるようになります。
それでは若年層が障害者施設を利用するにあたり、何を考えればいいのでしょうか。20代や30代の若者がグループホームを利用するときの考え方を解説していきます。
もくじ
若年者であっても18歳以上なら利用可能
老人ホームなどの介護施設について、通常は若い人の入居は無理です。ただ知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者について、18歳以上であれば問題なく利用できるのが障害者グループホームです。
そのため、障害者グループホームの入居者で若い人はたくさんいます。20代や30代に限らず、18歳や19歳などの人であっても入居できるのが障害者グループホームです。例えば以下の二人の女性は両方とも20代です。
若い女性であるため、障害者とはいっても髪の毛は明るい色ですし、化粧もしています。
もちろん若い人だけでなく、40代や50代の人も入居しています。若者向けのグループホームは少ないものの、「若い人も含めてグループホームは受け入れている」と考えましょう。
うつ病や統合失調症、難病患者など利用者はさまざま
障害者総合支援法は18歳以上の人に適用されます。これが、18歳以上であれば20代や30代などの若い人であっても障害者グループホームを利用できる理由です。
以下の人であれば、障害者グループホームを利用できます。
- 身体障害者
- 知的障害者
- 精神障害者
- 難病患者
障害者であれば、障害者手帳が発行されていると思います。これに加えて、障害支援区分1~6に指定されている場合、障害者グループホームへ入居できます。
そのため、若年層が障害者グループホームを利用する条件は意外と低いです。例えばうつ病や統合失調症など、こうした精神障害は若年者であっても普通であり、医師による診断結果と共に障害者認定されればグループホームを利用できます。
障害者グループホームへ入居している若い人を確認すると、「普通に会話できるし、どこが障害者なのだろう?」と思ってしまう人は非常にたくさんいます。
例えば軽い精神障害者だと、症状が落ちている間は健常者と同じです。ただ、こうした人であってもグループホームを利用できます。
・元からの知的障害者・精神障害者は最初から入所できる
これが元から知的障害や精神障害、難病を抱えている人であれば、より障害者グループホームへの入所が簡単です。
実際のところ、18歳で障害者グループホームを利用する障害者はたくさんいます。特に重症心身障害者や難病持ちの人であれば、支援が必要であることは既に明らかであるため、後は受け入れてくれる障害者グループホームを探すだけになります。
集団生活・一人暮らしの費用は格安で支援がある
実家に暮らす場合、障害者グループホームを利用することはありません。一方で親とは離れて暮らす場合、すべての知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者にとって障害者グループホームの利用は優れています。
若い人が一人で暮らすとはいっても、障害年金だけで生活することは実質的に無理です。そこでグループホームを利用すれば、家賃補助を得ながら格安にて生活できます。それでいて、介護職員による支援もあります。
高額のお金を貯めるのは無理であっても、生活全体の収支がプラスマイナスでゼロにすることは可能です。
障害者グループホームへ入所している人というのは、長時間の仕事が無理であったり、うつ病のため休憩するのが適切であったりなどの理由で、所得の低い人が大半です。こうした人が一般の賃貸物件で生活するのは現実的に金銭面で厳しいため、グループホームを利用するというわけです。
社会復帰の場として精神病患者や難病患者の利用は多い
障害の内容や程度は異なるものの、さまざまな障害や病気をもった人が入居する施設が障害者グループホームです。このとき障害者の自立を促す施設がグループホームであるため、社会復帰の場としても障害者グループホームは重要です。
グループホームの入所者の多くは昼に働いています。ただ前述の通り、いますぐ仕事をするのが適切ではない人もいます。仕事によって持病が悪化しては意味がありません。
こういうときはグループホームに滞在し、介護職員やほかの人と会話するなど、共同生活を通すことで少しずつ症状を回復させていけばいいです。
障害者グループホームでは、たとえ重度の知的障害者であっても、自分で洗濯機を利用したり、洗濯物を干したりできるように支援します。あくまでも、自立を促す場がグループホームなのです。
また障害者グループホームでは、障害者の就労支援施設とも提携しています。健常者がハローワークを利用するのとは異なる形で支援を受けることができるのです。
そのため若年層であっても焦る必要はなく、まずは症状が落ち着いたあと、こうした支援サービスを利用することで社会復帰できれば問題ありません。グループホームでは重度の障害者であっても働いているので、徐々に社会の一員になれればいいのです。
障害者施設の利用を恥ずかしがる必要はない
なお20代や30代の若者が介護・福祉施設を利用するとなると、ためらってしまいます。元から知的障害や難病がある場合なら問題ないですが、特に後からうつ病や統合失調症、難病などを発症した人だと、「若年層なのにこうした施設を利用してもいいのか?」と考えがちです。
ただ実際のところ、前述の通り障害者グループホームで若い人が入居しているのは普通であり、これについて恥ずかしがる必要はありません。
また障害者グループホームはセーフティーネットの一つであり、所得が低い人であったり、働くのが困難であったりする人でも利用できます。
例えば、若い人がうつ病や統合失調症を理由に自殺されると、国としては損失が非常に大きいです。それよりは障害者グループホームを利用してもらい、徐々に社会復帰してもらったほうが圧倒的に優れています。そのため、こうした制度はむしろ積極的に利用すればいいです。
参考までに、グループホームで共同生活(または一人暮らし)をする部屋は以下のようになります。
部屋は狭いものの、このように一般的な家と部屋の見た目は同じです。また障害者グループホームという性質上、隣の部屋からうめき声や奇声がたまに聞こえてくることもあるものの、これに我慢すれば、特に不都合なことは起こりません。
また利用者が複数いるため、そうした利用者と交流することもできます。こうして日々を過ごす中で、介護スタッフからの支援も受けながら、少しずつ行えることを増やして最終的に社会で活躍できるようになりましょう。
恋愛や外泊は自由にできないデメリット
なお金銭面で優れており、介護スタッフによる支援まである障害者グループホームですが、若者にとってデメリットになるのが恋愛や外泊です。
自分で賃貸を借りている場合、恋愛は自由ですし、異性を泊めてもいいです。いつ外出してもいいし、旅行も自由です。ただ障害者グループホームは自立支援の場であるため、ある程度のルールが存在します。
まず、グループホームは男性専用または女性専用となっているケースがほとんどであり、家族や介護職員を除いて異性は立ち入り禁止です。また、恋愛自体を禁止しているケースもあります。
なお食事の時間や門限を守れば外出は自由であるものの、行き先や帰宅時間を職員へ伝えなければいけません。また自由に外泊できないため、外出するにしても必然的に近場となります。この点については、特に軽度の知的障害者・精神障害者にとって大きなデメリットになります。
なお、旅行・外泊が無理というわけではありません。家族や友人と一緒であれば、外泊を許可してくれるケースが多いです。
例えばうつ病が治りかけなのであれば、ずっと障害者施設で過ごすよりも、家族や友人と一緒に自然を楽しむことで症状改善に役立つかもしれません。
20代や30代の若者にとって、障害者グループホームは所得がなくても生活できる場であるものの、障害者施設のルールに従わなければいけないことは理解しましょう。グループホームは家であるものの、なんでも自由に許してくれるわけではなく、ある程度の制約があるのです。
県外の障害者グループホームであっても入居可能
なお障害者グループホームについて調べると、「空きが少ない」という情報が出てくることが多いです。これは半分正解であり、半分間違いです。
障害者グループホームへの入居を考えるとき、多くの人は同じ市区町村内で考えます。その結果、対象となる施設が少なく、空きがありません。
そこで、いま住んでいる地域とは異なるエリアも含めて探しましょう。そうすれば、容易に利用可能な障害者グループホームを探すことができます。例えば、東京に住んでいる人が神奈川や埼玉、千葉のグループホームを利用するのは何も問題ないと思います。
グループホームの場所を選り好みするよりも、素早く受け入れてくれる障害者グループホームを探し、入居するほうが適切です。
どのグループホームも前述の通り、ある程度のルールがあり、好き勝手に行動できるわけではないので施設の場所は重要ではありません。それよりも自立した生活を送り、社会復帰できるように早めに障害者グループホームを利用するほうがいいです。このとき住みたいエリアがあるのなら、社会復帰するときに好きなエリアへ引越しすればいいだけです。
エリアを絞ると、どうしても空きがありません。そこで、若者なのであればある程度の制限を受け入れ、早く自立できることを優先し、ほかの都道府県まで視野に入れて障害者グループホームを探しましょう。
若年者であってもグループホームを利用できる
20代や30代の若い人が障害者グループホームへ入居を考えることについて、恥ずかしがる必要はありません。むしろ、こうしたセーフティーネットを積極的に利用すればいいです。
障害をもつ人は「一時的に仕事ができない」「長時間の労働が無理」など、何らかの理由で低所得のケースが多いです。この場合、実家暮らしの人を除き日々の生活費や家賃支払いに苦労します。そこでグループホームを利用すれば、ひとまず毎日の生活は守られます。
そこで若者であっても障害者グループホームへ入居し、介護職員の支援を得ながら、徐々に行えることを増やしていきましょう。
恋愛や外泊など、ある程度の制限はあるものの、それ以外は障害者にとって優れた制度がグループホームです。元から障害のある人だけでなく、うつ病や統合失調症、難病を発症した人を含め、若者であっても障害者グループホームの利用を考えましょう。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
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