障害福祉サービスを利用する人の中には、障害者手帳を保有していない人がいます。実際のところ、障害者手帳なしであっても就労移行支援や障害者グループホームなどの障害福祉サービスを利用できます。
つまり、必ずしも障害者手帳は必要ではありません。ただサービス利用には医師の診断書が必要であり、障害者であることを証明する必要があります。
また実際のところ、障害者手帳の利用はメリットばかりであり、デメリットはありません。また多くの場面で障害者手帳を使いますし、障害者雇用は障害者手帳がないと無理です。そのため、どこかで障害者手帳を保有するのが基本です。
それでは、障害者手帳なしの場合はどのように考えて障害福祉サービスを利用すればいいのでしょうか。この問題を解説していきます。
もくじ
障害者手帳なしでも障害福祉サービス受給者証を交付できる
知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者であれば障害福祉サービスを利用できます。障害福祉サービスを利用するためには、障害福祉サービス受給者証を交付してもらう必要があります。
より正確には、役所で障害支援区分と障害福祉サービス受給者証の両方を得ることになります。
障害支援区分がなくても利用できるサービスは存在するものの、区分を利用することで可能な障害福祉サービスはたくさんあります。ただ障害支援区分と障害福祉サービス受給者証を得るとき、障害者手帳は必須ではないというわけです。
こうした実情があるため、就労移行支援や障害者グループホームなどのサービスを利用するとき、ほぼ確実に障害者手帳の提示を求められるものの、実際には障害者手帳がなくても利用可能というわけです。
申請時の書類に障害者手帳の等級記載が存在する
ただ障害者であることを客観的に証明しなければ障害福祉サービス受給者証を得ることはできません。そのため障害福祉サービス受給者証を申請とき、障害者手帳の等級を記載するのは普通です。
例えば以下は、横浜市で障害福祉サービスを申請するときの書類であり、障害者手帳に記載されている等級を書く欄があります。
障害者手帳を保有していれば、障害者であることを容易に証明できます。そのため障害者手帳の提示を要求されるものの、前述の通り必須ではないので、等級を記載する場所は空欄でも大丈夫です。ただ当然ながら、特別な理由がない限りは記載できるようにするほうがいいです。
区分認定や受給者証の交付に医師の診断書は必須
それでは、障害者手帳なしの場合はどのようにして障害者であると認定してもらうのでしょうか。これについては、医師の診断書を提出することになります。
障害支援区分を得て、障害福祉サービス受給者証を交付してもらうためには、医師の意見書(診断書)が必要です。障害者手帳の有無に関係なく医師の診断書を要求され、以下の書類に記載してもらうことになります。
障害の重症度を表すのが障害支援区分です。そこで、第三者(医師)による客観的な結果を記してもらうのです。
障害支援区分を得るには、さらに調査員による認定調査(聞き取り調査)を受けることになりますが、こうした結果をもとにして区分認定され、障害福祉サービス受給者証が交付されます。
障害者手帳を保有するメリットは多く、デメリットはない
障害福祉サービスの利用で受給者証は必須です。このとき障害者手帳なしでも障害福祉サービス受給者証を得られるとしても、どこかの段階で必ず障害者手帳は入手しておきましょう。
障害者手帳を保有することで、メリットは多いもののデメリットはありません。障害者手帳があれば以下のメリットを受けられます。
- 所得税・住民税が低くなる
- 医療費助成がある
- 電車代・レジャー代の割引が可能
- 障害者雇用を利用できる
他にもありますが、金銭面では大幅に支出を削減できます。一方、他人に障害者手帳の保有がバレることはないのでデメリットはありません。
障害者雇用には障害者手帳が必要
また障害者手帳なしであっても、将来的には取得しなければいけない場面はよくあります。例えば、就労移行支援がこれに該当します。
就労移行支援は障害者手帳なしであっても利用でき、以下が利用基準になっています。
- 一般企業への就職を希望
- 障害者・難病患者
- 年齢が65歳未満
ただ一般企業の障害者雇用の枠へ申し込むためには、障害者手帳が必要です。健常者と同じ枠で勝負するなら関係ないですが、あくまでも障害者雇用での就職を考えるのであれば、いつかの段階では障害者手帳が必要なのです。それであれば、早めに障害者手帳を保有しておくほうがいいです。
障害者手帳を保有し、障害支援区分と受給者証を申請する
ちなみに通常、知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者が最初に役所で申請するのは障害者手帳の発行です。その後、障害支援区分と障害福祉サービス受給者証を依頼します。
前述の通り、障害支援区分や受給者証を発行するためには、ほとんどの自治体で申請書に障害者手帳の等級を記載する様式になっています。
また障害者手帳を保有していれば、それだけで多くの特典を利用でき、支出を大幅に減らすことができます。そのため、最初に障害者手帳を保有するのです。
また前述の通り、サービス利用の段階では障害者手帳が不要であっても、どこかの段階で障害者手帳の保有が必要になります。例えば就労移行支援では障害者雇用で必須ですし、障害者グループホームでも外出などの場面でひんぱんに利用されます。
そこで障害者手帳なしの場合、いつかは取得することになるため、早めに役所で申請して障害者手帳を得るといいです。障害者手帳でも障害福祉サービス受給者証でも、発行の際にはいずれも医師の診断書が必要になるため、両方とも取得するのです。
障害者手帳なしでも受給者証を入手できる
障害福祉サービスの利用で重要なのが障害支援区分と障害福祉サービス受給者証です。サービス利用で受給者証は必須ですし、区分がなければ利用できない障害福祉サービスは多いです。
障害福祉サービスを利用するとき、障害者手帳は必須ではありません。医師の意見書(診断書)を用意できれば、障害支援区分の審査を行うことができ、聞き取り調査の後に区分認定を受け、障害福祉サービス受給者証を交付してもらえます。
ただサービス利用の初期段階で障害者手帳が不要であっても、最終的に障害者手帳が必要になるケースが多いです。これは、就労移行支援や障害者グループホームなど障害者手帳がなくても問題なく利用できるサービスでも同様です。
受給者証の入手でも、障害者手帳の発行でも、両方とも医師の診断書を要求されます。そのため障害者であることを医師から証明してもらった後、障害者手帳や障害支援区分、障害福祉サービス受給者証を得ることでサービス利用を開始しましょう。
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