障害者であれば、多くの人が障害福祉サービスを利用します。ただ障害者であれば、どこかの段階で入院するのは普通です。特に精神障害者や難病患者であれば、数か月ほど病院にお世話になるのはよくあります。

この場合、通常は入院中に障害福祉サービスを利用することはできません。場合によっては利用できるサービスはあるものの、利用するケースはほとんどないと考えましょう。

入院中で利用を考える障害福祉サービスに居宅介護(ホームヘルプ)や短期入所(ショートステイ)、同行援護などがあります。そこで、これらの障害福祉サービスの利用が入院中に可能かどうか解説していきます。

入院中に居宅介護を要請できるのか

知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者であれば、障害福祉サービスを利用できます。このとき自宅に住んでいるのであれば、居宅介護(ホームヘルプ)を依頼するのは普通です。

入浴や排せつ、食事などの介助をホームヘルパーに手伝ってもらうことができ、日常生活でのあらゆる作業の依頼が可能です。

ただ入院中の障害者では、ホームヘルパーに病院へ来てもらうことはできません。理由は単純であり、看護師で代替できるからです。病院では食事が提供されますし、体位変換は看護師が行えます。それに加えて、病院なので医療行為まで可能です。

そうなると、当然ながら介護職員の出番はありません。介護スタッフがいなくても何も問題ないし、ホームヘルパーが病室にいるとむしろ邪魔なので、病院で居宅介護を利用できないのです。

重度訪問介護は例外的に利用可能

なおホームヘルパーを呼べるサービスの中でも、重度訪問介護については例外的に入院中であっても利用できます。

昼夜に関係なく、24時間体制で居宅介護を依頼できる障害福祉サービスが重度訪問介護です。入院前から重度訪問介護を利用しており、障害支援区分が6の人では、入院中であってもホームヘルパーが病室で手伝いをしてくれるのです。

本来、重度訪問介護は区分4以上であれば利用できます。ただ入院中の場合、最も重度の区分6である必要があるのです。

入院中でも利用できる障害福祉サービスは非常に少ないですが、重度訪問介護は利用できるサービスの一つです。

実際には病院でヘルパー利用は現実的ではない

それでは実際に重度訪問介護を利用できるかというと、現実的には難しいです。少なくとも、何度も利用するのは病院側に嫌がられます。

例えば「入院する障害者のため、適切な体位変換を病院スタッフへ伝える」などを想定する場合、特に問題ないですが、この場合は一度きりの病院訪問で済みます。

また自宅とは異なり、入院している障害者の支援をするとき、常に見守る必要はありません。看護師がその役割を担っているからです。また病院内に部外者が何時間もいるのは好ましくないですし、当然ながら夕方には帰ってもらうように促されます。

重度訪問看護で可能なことは病院ですべて実現可能です。一応は区分6の障害者で利用できるものの、実際のところ病院内ですべてが完結するため、重度訪問介護を利用する意味は乏しいです。

短期入所での外泊は利用不可:障害者グループホームの体験利用は可能

それでは、ほかの障害福祉サービスはどうなのでしょうか。障害福祉サービスの一つに短期入所(ショートステイ)があり、数日間だけ障害者グループホームに滞在できます。

特に、それまで短期入所を利用していた人であれば、障害福祉サービス受給者証には以下のように記されています。

ただ受給者証に「短期入所」と記されていたとしても、入院中は利用できません。気分転換のために入院患者が自宅へ外泊することはあっても、障害者施設の短期入所を利用することはできないのです。これは、短期入所の体験を含めて同様です。

・障害者グループホームの体験利用なら可能

なお例外的に、短期入所ではなく障害者グループホーム(共同生活援助)の体験利用であれば入院中であっても可能です。数日ほど障害者グループホームに住むことで、最適な施設かどうかを確かめるのは問題ありません。

障害者グループホームは実際に何年も本人が住むことになります。病院退院後に障害者グループホームに住むのであれば、事前に体験利用ができるというわけです。

同行援護であれば入院中でも利用可能

他に利用可能かどうか気になる障害福祉サービスに外出支援があります。外出支援の中でも、視覚障害者で利用可能な外出支援が同行援護です。

長期入院をしている人を含め、これまで障害福祉サービスを利用していなかった視覚障害者であっても、入院中の外出を目的に同行援護を利用できます。病院のスタッフ(看護師など)が同行してはいけないというルールはあるものの、外部のヘルパーが外出支援をしてくれるのです。

なおすべての外出支援に共通しますが、交通費はヘルパーの分を含めてすべて障害者本人の自費負担です。ヘルパーが自腹で交通費を支払うわけにはいかないので、これは当然でもあります。

そのため何度も利用するサービスではないものの、入院中の視覚障害者が同行援護を利用するのは可能なのです。

退院を見越して障害福祉サービスに申請するのは問題ない

なお退院する場合、さまざまな障害福祉サービスを利用できます。このとき、退院を見越して障害福祉サービスに申請しておくのは問題ありません。

障害福祉サービスに申請するためには、障害支援区分と障害福祉サービス受給者証が必要です。区分認定には医師意見書(診断書)と聞き取り調査があるため、これらを終えたら障害福祉サービス受給者証が発行されてサービス利用が可能になります。

また既に障害支援区分を得ている場合、新たに利用したい障害福祉サービスに申請することで受給者証にサービス内容を記載してもらいましょう。

こうして障害支援区分と障害福祉サービス受給者証を得れば、あとは利用する事業者と契約をしてサービスを利用するだけとなります。

入院中に利用できる障害福祉サービスは限られる

入院している場合、たとえ障害者であっても病院内でケアが完結します。そのため、障害福祉サービスを利用することは基本的にありません。居宅介護は利用できませんし、重度訪問介護であってもひんぱんな利用は不要です。

これは短期入所も同様であり、入院中はショートステイを利用できません。つまり、退院後に利用することになります。

例外として、障害者グループホームの体験利用は可能です。また、視覚障害者が利用できる同行援護も活用できます。

障害福祉サービスは基本的に家での利用を想定しています。入院中のときに障害福祉サービスの申請は可能であるものの、実際の利用は制限されるのです。こうした事実を理解して、退院後に障害福祉サービスを活用しましょう。

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