視覚障害により、目が見えない人がいます。こうした視力障害や視野障害をもつ人について、障害年金を受け取ることができます。
視覚障害で障害年金を申請するとき、認定基準が存在します。障害者手帳の等級とは関係性がないため、視覚障害がある場合は積極的に障害年金に挑戦しましょう。このとき緑内障や白内障、糖尿病性網膜症、網膜色素変性症、網膜剥離、外傷など、ケガや病気が原因である場合であっても問題ありません。
なお視力障害や視野障害を含め、目に関する複数の障害を有するケースがあります(または他の部位の障害)。この場合、障害全体を考慮してより重い等級にて認定されることが可能です。
それでは、目の障害を有する人はどのように考えて障害年金へ申請すればいいのでしょうか。視覚障害での障害年金の基準や等級について解説していきます。
もくじ
目の障害(視覚障害)で障害年金の申請が可能
障害者手帳と障害年金は関係ありません。そのため目の障害で障害者手帳5級や6級であっても、障害年金へ申請するのは大きな意味があります。
なお、目の障害は矯正視力が重要になります。裸眼視力が悪い人は非常にたくさんいます。メガネやコンタクトレンズなどを利用して日常生活を送るのは普通です。
ただ場合によっては、矯正した視力に関係なく目が見えない人がいます。この場合、視力障害や視野障害を理由に障害年金を受け取ることができます。
生まれつき失明していたり、目が見えにくかったりする場合、20歳になった段階で障害年金の申請が可能です。またケガや病気などにより、後天的に目が見えなくなった場合、初診日から1年6か月が経過した日(障害認定日)から障害年金の受け取りが可能になります。
いずれにしても、目の障害によって障害年金を受け取ることが可能です。
視力障害での認定基準
それでは、視覚障害で障害年金を受け取るときの基準には何があるのでしょうか。まず、視力障害を確認しましょう。以下のようになっています。
1級 | 良い方の眼の視力が0.03以下 |
良い方の眼の視力が0.04、かつ他眼視力が手動弁以下(眼前でも視力がない) | |
2級 | 良い方の眼の視力が0.07以下 |
良い方の眼の視力が0.08、かつ他眼視力が手動弁以下(眼前でも視力がない) | |
3級 | 良い方の眼の視力が0.1以下 |
障害手当金 | 良い方の眼の視力が0.6以下 |
一眼の視力が0.1以下 |
初診日の時点が国民年金の加入者であった場合は障害年金1~2級のみ受給できます。一方で初診日の時点が厚生年金の加入者(サラリーマン)であった場合は障害年金1~3級と障害手当金が該当します(一回きりの支給になるのが障害手当金です)。
なお、障害者手帳の等級を障害年金の等級に当てはめると、ザックリと以下のようになります。
- 身体障害者手帳1~2級:障害年金1級
- 身体障害者手帳3級:障害年金2級
- 身体障害者手帳4級:障害年金3級
- 身体障害者手帳5~6級:障害手当金
ちなみに障害者手帳の場合、片方の目のみ視力が悪くても障害者手帳の対象外です。それに対して、障害年金では片目のみ状態が悪くても障害手当金を請求できます。
緑内障など、視野障害での認定基準
それでは、緑内障など視野障害を生じている場合の基準はどのようになっているのでしょうか。視野障害では測定法がいくつかあり、自動視野計を使った測定であれば以下のようになります。
1級 | 両眼開放視認点数が70点以下、かつ両眼中心視野視認点数が20点以下 |
2級 | 両眼開放視認点数が70点以下、かつ両眼中心視野視認点数が40点以下 |
3級 | 両眼開放視認点数が70点以下 |
障害手当金 | 両眼開放視認点数が100点以下 |
両眼中心視野視認点数が40点以下 |
医師でなければ意味を理解できないと思いますが、ひとまず「視野狭窄の程度に応じて障害年金の等級が決まる」と理解すればいいです。
目の障害に関するその他の認定基準
視力障害と視野障害が障害年金でのメインになりますが、その他の目の障害であっても認定されることがあります。どれも障害手当金の支給になるため、初診日にサラリーマンであった人が対象になるものの、以下の場合は障害手当金の対象になります。
障害手当金 | 両眼のまぶたに著しい欠損を残す |
両眼の調節機能と輻輳機能に著しい障害 | |
労働で制限を受けるほどの障害 |
「両眼のまぶたに著しい欠損を残す」とは、まぶたを閉じるときに完全に角膜を覆うことができない状態を指します。また「両眼の調節機能と輻輳機能に著しい障害」とは、ピント調節などの機能がうまく働かず、複視や眼精疲労によって頭痛などの症状が表れており、読書を続けられない程度の症状を指します。
「労働で制限を受けるほどの障害」については、「まぶたの運動障害で作業を続けられない」「麻痺性斜視により、片眼に眼帯がないと生活困難」「散瞳で瞳孔が開き、まぶしさで労働に支障がある」などが該当します。
初診日を確定させ、診断書の取得が必須となる
そこで障害年金を受給するため、初診日を確定させましょう。生まれつきの場合、出生日が初診日となります。また、ケガや病気によって後天的に目に障害を生じている場合、最初に受診した医療機関の受診日が初診日となります。
多くは眼科に初診日の認定を依頼しますが、例外として糖尿病性網膜症は最初に受診した内科クリニックなどに初診日を記載してもらうことになります。糖尿病を原因として目が見えなくなっているからです。障害の原因となるケガや病気を発症したとき、最初に受診した医療機関に初診日を確定してもらいましょう。
また医師に依頼することで診断書を作成してもらうことになります。眼科で検査を受け、障害の程度を診断書に記載してもらうのです。以下のように、眼の障害用の診断書には「障害の状況」に関する項目が存在します。
視力障害や視野障害については、検査数値が明確にわかります。そのため、診断書を確認すれば障害年金でどの等級に該当するのか予想できます。
眼に複数の障害がある場合、併合認定を考える
なお眼に障害をもつ場合、人によっては複数の障害を有していることがあります。例えば、視力障害と視野障害を併発しているケースです。
この場合、併合認定が可能です。つまり、複数の障害をもつことによって障害年金の等級が上がるのです。例えば視力障害3級と視野障害3級をもつ人について、両方を合わせることで障害年金2級になるのは普通です。当然、障害年金3級よりも障害年金2級のほうがもらえるお金は多くなります。
また目の障害ではなく、「目の障害+肢体不自由」などのように、眼とは異なる部位に障害をもつケースであっても問題ありません。この場合についても、併合認定によって等級が重くなります。
なお異なる病名によって複数の目の障害を有している場合、それぞれについて初診日を確定させます。また、病名ごとに病歴・就労状況等申立書を作らなければいけないケースもあります。ただ、これをすれば等級が上がり、より重い等級に認定されやすくなります。
視覚障害者は障害年金に申し込むべき
生まれつき視覚障害の人だけでなく、緑内障や白内障、糖尿病性網膜症、網膜色素変性症、網膜剥離、外傷を含め、後になって視覚障害者になるケースもあります。
こうした視覚障害者は障害年金への申し込みが可能です。どれだけの視力なのか、または視野なのかによって得られる障害等級は異なりますが、障害年金によって定期的なお金の受給が可能なのです。なお、身体障害者手帳と障害年金の等級に関係性はありません。
そこで初診日を確定させ、医師に診断書を書いてもらいましょう。複数の目の障害をもっている場合、併合認定によって障害年金の等級を重くすることも可能です。
視力が十分でないと、それだけ日常生活が困難になります。そこで、視覚障害者は障害年金に申し込むことで定期的にお金を受給できるようにしましょう。
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