障害者グループホーム(共同生活援助)に入居しているものの、他のグループホームへ転居したいと考える障害者は多いです。
既に長く障害者グループホームに住んでいる人に限らず、入ってすぐに別のグループホームへ移動したい人もいます。これについて、たとえ入居後1〜2週間など、入ってすぐであっても他の障害者グループホームへ引越すことができます。
もちろん、失敗を防ぐために「譲れない点や妥協できる点」を明確にしておく必要があります。これにより、次回の失敗がなくなります。
それでは既に障害者グループホームを利用している人について、グループホームからグループホームへ転居するときに何を考えればいいのでしょうか。別の障害者グループホームへ引越すときの注意点を解説していきます。
もくじ
合わない障害者グループホームは存在する
障害者グループホームは家と同じであり、基本的には同じ場所で何年も過ごすことになります。ただ家と同じではあっても、引越しは可能です。実際のところ、合わない障害者グループホームにずっと住み続けるのは微妙です。
例えば精神障害者の場合、合わない場所に住み続けると症状の悪化を招きます。そのため、入ったばかりではあっても引越しを検討しなければいけません。
このとき、合わない理由としては以下がメインになります。
- 人の問題:他の利用者や世話人との関係
- 施設の問題:建物の構造や設定されたルール
こうした問題により、いま住んでいる障害者グループホームから他のグループホームへ転居したいと考えます。
最も多い理由は他の利用者や世話人との関係
いまの場所が合わない大きな理由の一つに「人の問題」があります。障害者グループホームは多くの場合、複数の障害者と一緒に共同生活を送ります。ワンルームタイプの障害者グループホームはあるものの数は少なく、多くはシェアハウス形式になります。
そのため、同居人(他の障害者)や世話人との関係は重要です。ただ障害者グループホームであるため、以下のようなトラブルを生じるケースがあります。
- 他の利用者からひんぱんにクレームをいわれる
- 重度の知的障害者が部屋に侵入してくる
- 世話人との関係が悪い
この場合、毎日のように顔を合わせるメンバーと良い関係を築けていないため、人間関係によって居心地が悪くなります。
また人によっては、障害者グループホームの経営者との関係性が悪くなり、これによって居づらくなることもあります。いずれにしても、人間関係の悪化は他の障害者グループホームへ転居したいと考える大きな理由です。
実際のところ、人間関係の問題を確実に防ぐ方法はありません。ただ他の利用者や世話人、経営者との関係が悪くなったのであれば、転居が優れる解決法になります。
建物の構造や施設ルールも理由の一つ
グループホームからグループホームへ転居したいと考える他の理由として、施設側の問題もあります。一つは建物の構造の問題です。
例えば聴覚過敏なのであれば、壁が薄いと日々の生活が苦痛です。また肢体不自由であれば、バリアフリーに対応していない施設だと動きが困難になります。この場合、建物の構造に問題があるため、対応した施設へ引越しをするほうがいいです。
また障害者施設によってルールが異なります。例えば以下のようになります。
- 外出が可能な時間:門限
- タバコを吸ってもいいか
- 外出の自由度
例えば門限を17:00に設定している障害者グループホームがあれば、門限が22:00の障害者グループホームもあります。また全面禁煙の施設があれば、屋外であればタバコを吸えるグループホームもあります。要は、障害者グループホーム(共同生活援助)によってルールのゆるさが異なります。
施設のルールはそれぞれで大きく違い、ルールの厳しさが嫌なのであれば、ある程度までゆるい障害者グループホームが優れます。
譲れない要望を必ずメモする
そこで合わないのであれば引越しになりますが、このとき「他の障害者グループホームへ転居するに当たり、譲れない要望」を必ずメモしましょう。
引越しをするのであれば、いまの障害者グループホームよりも改善されなければ意味がありません。そこで、どのような障害者施設に住みたいのか譲れないポイントをメモしておくのです。
- 聴覚過敏があるため、鉄筋コンクリートの施設がいい
- 同居人が静かだと優れる
- 自由にタバコを吸える
- 門限が遅く、施設のルールが限りなくゆるい
これらは例になりますが、「なぜいまの障害者施設が合わないのか?」を考えて、譲れない条件を書き出しましょう。
要望が多すぎると入居できない:妥協点を明確にする
なお障害者の人数に比べて、障害者グループホームの数は少ないです。そのため、要望が多いと入居先を見つけることができません。例えば、以下の条件では入居先を見つけるのが困難です。
- 鉄筋コンクリートのワンルームにて、川崎市に住みたい
まずワンルームの障害者グループホームは数が少なく、さらには鉄筋コンクリートとなると、さらに数は絞られます。しかも特定の市に限定する場合、入居先を見つけるのはほぼ不可能になります。これが、妥協できる点も同時に明確にするべき理由です。
・区分と受給者証があるため、転居はスムーズ
なお、ある程度まで妥協できる場合、次の入居先を見つけるのは難しくありません。障害者グループホームの紹介サイトなどを活用すれば、新たな候補を見つけて1~2か月以内に引越しできます。
障害者グループホームへの入居では、障害福祉サービス受給者証がなければいけません。受給者証の新規発行には1~2か月の時間が必要です。ただ既に障害者グループホーム(共同生活援助)を利用している場合、受給者証を既に保有しています。そのため、他事業所への転居はスムーズなのです。
紹介サイトの利用なら相談員とのやり取りが不要
なお、いま住んでいる障害者グループホームが合わないと感じている人の中には、障害者施設に引越してすぐの人もいます。この場合、「相談員が丁寧に対応してくれて、ようやく引越したにも関わらず、またすぐに引越しを依頼するのは気が引ける」と考えます。
ただ、そうした場合であっても障害者グループホームの紹介サイトを利用すれば問題ありません。紹介サイトは相談員と関係ないため、たとえ「引越しをしたばかりで相談員に申し訳ない」と考えていたとしても問題ありません。
なお紹介サイトを利用する場合、以下の流れになります。
- 問い合わせ後、紹介サイトから希望条件のヒアリング
- 紹介サイトからの障害者グループホームの提案
- 体験入居後、転居をする
こうして、たとえ障害者施設に入居すぐであっても問題なく別の障害者グループホームへ転居できます。
体験入居後、グループホームからグループホームへ引越しをする
なお障害者グループホームへ入居するとき、事前の体験入居はどうしても必要になります。特に失敗したくないのであれば、数日の宿泊を通して新しい障害者施設を経験しなければいけません。
数日を過ごすことで、これから一緒に生活する障害者や世話人がどのような人なのか大まかに把握できます。もちろん数日で完ぺきに人の性格を理解することはできません。ただ、どのような人たちとこれから生活するようになるのか雰囲気がわかります。
また現在の施設の構造やルールに不満がある人の場合、新しい施設で数日を過ごすことによって、体験入居している先が合っているかどうかがわかります。
すべての希望をそろえている障害者施設は存在しません。ただ「譲れない条件」に合致しているのであれば、体験入居を通してグループホームからグループホームへの転居を行いましょう。
グループホームからグループホームへの転居を行う
住んでいる障害者グループホーム(共同生活援助)を変えたいと考えるのは普通です。いまの施設が合わない場合、他事業所へ転居しましょう。
同居する障害者や世話人、経営者などと関係性が悪くなっている場合、同じ障害者グループホームでは生活を続けにくいです。また施設の構造やルールに不満がある場合、引越しをしなければ問題を解決することができません。
そこで、希望するポイントと妥協できるポイントを明確にしましょう。希望が多すぎると新たな施設を見つけられないため、妥協点も重要になります。このとき紹介サイトを活用すれば、相談員とは関係ないため、たとえ引越したばかりであっても問題なく転居できます。
合わない障害者グループホームに住み続けると、障害者の精神症状に悪影響があります。そこで住んでいる場所を変えたい場合、積極的にグループホームからグループホームへの転居を考えましょう。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
そこで、当サイトでは完全無料で障害者グループホームを紹介するサービスを日本全国にて実施しています。「いますぐ入居したい」「いまの障害者グループホームから他の施設へ移りたい」「強制退去となり、新たな施設を探している」など、軽度から重度の障害者を含めてあらゆる方に対応しています。