精神障害者であれば、障害者向けのサービスを利用できます。このとき、精神障害者で就労継続支援B型(就労B)を利用する人は多いです。

また同時に、就労継続支援B型と精神科デイケアを併用したいと考える人がいます。就労Bとデイケアは併用可能です。また場合によっては、就労継続支援B型と精神科デイケアを同日利用したいと考える人がいます。

それでは、就労継続支援B型と精神科デイケアの併用をどのように考えればいいのでしょうか。両者の併用方法を解説していきます。

就労継続支援B型とデイケアは併用可能

障害福祉サービスの一つが就労継続支援B型です。障害者向けのサービスであり、症状が中等度や重度の障害者が作業所で働くために就労継続支援B型が利用されます。

それに対して、病院・クリニックなどで行われる精神障害者に対するリハビリテーションが精神科デイケアです。医療従事者による病気の治療が目的であるため、デイケアでは医療保険が利用されます。

  • 就労継続支援B型:障害福祉サービスによる作業所での就労
  • デイケア:医療保険を用いた病気の治療

このように、それぞれの制度は目的がまったく異なります。そのため、就労Bとデイケアを併用するのは問題ありません。

サービスの利用割合は自由

就労継続支援B型も精神科デイケアも平日の昼間を利用して行われます。両方のサービスともに通常は朝に出向き、夕方にプログラムが終わります。そのため、別日で就労継続支援B型とデイケアを利用します。そのため、例えば以下のようになります。

  • 就労継続支援B型:週3日利用
  • 精神科デイケア:週2日利用

このとき、サービスの利用割合は自由です。例えば、「就労Bを週1回、デイケアを週4回」でも問題ありません。

デイケアなどでレクリエーションを行うよりも、作業所で多く働きたい場合は就労Bの割合を多くすればいいです。一方で就労は大変であるため、リハビリを優先したい場合はデイケアの回数を多くすればいいです。

・就労継続支援A型は雇用契約があり、就労Bは自由度が高い

なお就労継続支援B型ではなく、就労継続支援A型(就労A)の場合、現実的に精神科デイケアとの併用は難しくなります。就労継続支援A型では雇用契約を結ぶことになり、平日は毎日、就労Aに出向く必要があるからです。

「平日に就労継続支援A型に通い、土曜日に精神科デイケアへ行く」という場合であれば併用できます。ただ、平日に就労Aとデイケアを併用することはできません。

一方で就労継続支援B型では雇用契約がありません。また、どの日に出向いてもいいです。そのため、就労Bとデイケアは併用しやすいです。

就労継続支援B型の同日利用は原則不可

また就労継続支援B型について、精神科デイケアと同日利用したいと考える人がいます。これについて、基本的に同日利用はできません。障害福祉サービスと医療保険で制度は異なるものの、両方とも日中活動に関するサービスだからです。

別日で就労継続支援B型と精神科デイケアの併用は問題ありません。ただ、同日利用は微妙なのです。

なお自治体の判断になるものの、就労継続支援B型と精神科デイケアについて、活動内容や目的の趣旨が大きく異なる場合、同日利用を認められるケースがあります。デイケアは病気の治療が目的であるため、治療内容によっては認められるというわけです。

なお就労継続支援B型では、午前中の2時間だけ働くことも可能です。そこで同日併用する場合、以下のように就労Bとデイケアを併用します。

  • 就労継続支援B型:午前のみ利用
  • 精神科デイケア:午後のみ利用

1日3時間ほどの短い時間、医療機関にて精神疾患へのリハビリを行うことをショートケアといいます。そこで午前中に就労Bへ通っていた精神障害者について、午後からデイケアのプログラムへ参加します。

同日利用が可能かどうかについては、精神科デイケアの治療プログラムを確認したうえで、自治体へ問い合わせるといいです。

徐々に就労の時間を増やすといい

なお精神障害者で障害福祉サービスを利用する人は若い人(65歳未満)が多いです。そこで就労継続支援B型と精神科デイケアを併用するのは問題ないとして、将来は徐々に就労の時間を増やすようにしましょう。

既に高齢であれば、就労の時間を増やす必要はありません。ただ65歳未満なのであれば、社会復帰の一環として、症状回復に合わせて就労時間を増やしていくのです。

また将来、就労継続支援B型からステップアップしていってもいいです。精神障害者がステップアップしていくとき、以下の順で公的制度を利用します。

  1. 就労継続支援B型
  2. 就労継続支援A型
  3. 就労移行支援&障害者雇用

精神疾患では、時間経過と共に症状が回復していく人は多いです。そこで、いまは就労継続支援B型と精神科デイケアの併用が必要であっても、将来は障害者雇用を含めて一般企業への就職を目指すのです。そのために「デイケアよりも就労Bの時間を増やす」など、少しずつ労働時間を増やしていくといいです。

就労Bとデイケアの両方を活用する

就労継続支援B型を利用する精神障害者は多く、毎日決まった時間に就労できない場合は就労Bが活用されます。そうした就労が難しい精神障害者について、精神疾患の治療・リハビリのために精神科デイケアに通いたいと考える人はたくさんいます。

就労Bとデイケアは併用可能です。そこで、自由に両者を組み合わせましょう。ただ原則として、同日利用にて就労継続支援B型と精神科デイケアを活用することはできません。

なお65歳未満の精神障害者については、時間経過と共に社会復帰を目指すことも考えましょう。いまは就労Bとデイケアを併用するにしても、将来は就労時間を少しずつ増やしていくのです。

障害者にとって就労継続支援B型と精神科デイケアの併用は有効です。そこで、両者のサービスを活用しましょう。

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