障害福祉サービスには複数の種類があります。その中でも、自立訓練(機能訓練・生活訓練)や就労継続支援A型・B型の利用を考える人は多いです。
このとき、通常は自立訓練と就労継続支援を併用することができません。両方とも日中活動系のサービスであり、どちらか一方に集中する必要があるからです。ただ、特定の条件下では自立訓練と就労継続支援を併用できます。
それでは、どのように考えて自立訓練(機能訓練・生活訓練)と就労継続支援A型・B型を利用すればいいのでしょうか。自立訓練と就労継続支援の関係について解説していきます。
もくじ
自立訓練(機能訓練・生活訓練)と就労継続支援は役割が異なる
障害者が社会生活の中で生きていくためにトレーニングするサービスが自立訓練です。身体障害者向けの機能訓練と知的障害者・精神障害者向けの生活訓練でトレーニングの内容は異なりますが、自立に向けた訓練という意味ではどちらも同じです。
- 家事や入浴、排せつ、着替え
- 金銭管理
- 交通機関の利用
- 社会的マナー
これらを自立訓練で学ぶことになります。
それに対して、就労継続支援A型や就労移行支援B型では障害者に対して仕事が提供されます。就労Aでは就労先と雇用契約を結び、就労Bは雇用契約なしで働くという違いはあるものの、障害者は働くことができます。仕事内容によって賃金(工賃)は異なり、ザックリと以下のようになります。
- 就労継続支援A型:月に約8万円
- 就労継続支援B型:月に約1万5000円
どちらも昼間にサービス提供されるものの、得られる賃金や利用者の障害の程度を含めて役割は大きく異なります。
自立訓練と就労継続支援は併用できない
このとき、自立訓練(機能訓練・生活訓練)と就労継続支援を併用したいと考える人は多いです。特に障害者で就労継続支援B型を既に利用している人は多く、社会復帰の一環として新たに自立訓練をスタートできないかと考えるのです。
ただ、自立訓練(機能訓練・生活訓練)と就労継続支援A型・B型を併用することはできません。
前述の通り、両方とも昼間に提供される日中活動系のサービスです。また自立訓練には期間があり、集中して利用するのが前提となっています。そのため自立訓練を利用したい場合、いま利用している就労継続支援A型・B型の利用をいったんストップしなければいけません。
いずれにしても、自立訓練と就労系の障害福祉サービスはすべてのケースについて、併用できないと理解すればいいです。
機能訓練・生活訓練でも工賃が出る
このとき、就労継続支援B型を利用している人がサービス利用を停止して自立訓練を開始する場合、工賃の問題を気にする必要はそこまでありません。理由としては、機能訓練や生活訓練であっても工賃が出るからです。
自立訓練(機能訓練・生活訓練)によってリハビリをしたり、日常マナーを学んだりします。ただそれだけでなく、自立訓練では仕事・作業もします。これにより、機能訓練や生活訓練を通して賃金(工賃)を得られます。
自立訓練の施設によって行われる作業内容は異なります。ただ、機能訓練や生活訓練を通して工賃を得られるため、まったくお金を得られないわけではありません。
宿泊型自立訓練は就労継続支援A型・B型と併用可能
それでは、絶対に自立訓練と就労継続支援を併用できないのかというと、そういうわけではありません。自立訓練の中でも、宿泊型自立訓練であれば就労継続支援A型や就労継続支援B型と併用できます。
昼間に就労やその他の障害福祉サービスを利用している障害者について、夜間に自立訓練を行うサービスが宿泊型自立訓練です。
そのため昼間に就労継続支援B型などの就労をしつつ、自立訓練も利用したい場合、宿泊型自立訓練を選びましょう。
なお宿泊型自立訓練の施設から、就労Aや就労Bに通うのは問題ありません。また施設によっては、同じ施設で宿泊型自立訓練と就労継続支援B型を提供していることがあります。この場合、施設の外へ出ることなく2つの障害福祉サービスを併用できます。
将来は自立し、企業就職を目指す
なお軽度または中等度の障害者に対して、社会的な自立を促すサービスが自立訓練です。そのため自立訓練を活用して、将来の企業就職を目指しましょう。例えば自立訓練の後に就労継続支援を利用すれば、企業就職に必要な内容を学べます。
または、障害者雇用による企業就職が難しい場合、就労継続支援A型の利用でもいいです。いずれにしても、働くことでお金を得ます。
自立訓練を通して、社会生活の中で生きていくためのスキルが身に付きます。その後、社会復帰のために行動するのです。
なお住む場所については、実家を利用してもいいし、障害者グループホーム(共同生活援助)で格安にて住んでもいいです。こうした場所から働きに出かけ、自立訓練を通して得たスキルを活用しつつ、社会生活を送れるようになりましょう。
自立訓練と就労継続支援は特定条件で併用可能
自立訓練(機能訓練・生活訓練)は利用期間が決まっています。そのため昼間に自立訓練を行う場合、機能訓練または生活訓練に集中しなければいけません。
自立訓練の利用中に就労継続支援A型・B型の併用はできません。特に、障害者で就労継続支援B型を利用している人は多いものの、自立訓練を利用する場合はいったん就労継続支援をストップする必要があります。ただ機能訓練や生活訓練でも工賃を得ることができます。
なお、宿泊型自立訓練を利用する場合は例外的に就労継続支援と併用できます。この場合は就労継続支援で昼間に働き、夜間に宿泊型自立訓練で社会生活を送れるようにトレーニングします。
障害福祉サービスの特徴を知ることで、どのようにそれぞれのサービスを利用すればいいのかわかります。そこで自立訓練と就労継続支援について、両者の利用を検討している場合は活用法を考えましょう。
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