精神疾患を抱えている人では、軽度の人であっても社会復帰が難しくなります。そこでうつ病や統合失調症、発達障害、パニック障害などの精神疾患をもつ人は障害者向けの公的サービスとして自立訓練(生活訓練)を利用できます。

病院・クリニックの精神科で行われるデイケアとは違い、精神障害者が社会復帰をするときのトレーニングを生活訓練で行います。

また精神障害者の中には、昼間に就労やその他の障害福祉サービスを利用している人がいるかもしれません。この場合、宿泊型自立訓練を利用しても問題ありません。

それでは精神障害者が自立訓練(生活訓練)を利用するとき、どのように考えればいいのでしょうか。うつ病や統合失調症、発達障害などの精神疾患をもつ人が生活訓練を利用するときの考え方を解説していきます。

精神科デイケアと違い、社会復帰で利用する生活訓練

精神障害者が利用できるサービスはいくつかあり、その中でも自立訓練(生活訓練)と精神科デイケアの違いを多くの人が気にします。

病院やクリニックなど、デイケアは医療機関の精神科で実施されます。通所リハビリの一つであり、創作活動や運動、イベントなどを通して症状の回復を図ります。精神症状の治療・回復が主な目的であるため、重度の精神障害者であってもデイケアを利用します。

それに対して、「将来の就職なども視野に入れ、社会生活を送れる」ことを目的にトレーニングを行うサービスが自立訓練(生活訓練)です。生活訓練では、例えば以下を学びます。

  • 家事や入浴、排せつ、着替え
  • 金銭管理
  • 交通機関の利用
  • 医療機関への通院
  • 社会的マナー

精神科デイケアよりも、社会生活を送るうえで実践的な内容を学ぶことになるのが自立訓練(生活訓練)です。自立訓練(生活訓練)と精神科デイケアには、こうした違いがあります。

軽度の精神障害者がメインの利用者

社会に出るためのトレーニングが生活訓練であるため、自立訓練(生活訓練)の利用者は軽度の精神障害者がメインになります。

  • うつ病・双極性障害
  • 統合失調症
  • 発達障害
  • パニック障害
  • アルコール依存症

これら精神疾患をもつ人のうち、精神科デイケアを卒業して、一般企業への就職を目指すなど「次の一歩を踏み出すために必要な社会復帰の内容を学ぶサービス」が生活訓練と考えましょう。

また軽度の人が基本になるため、区分なしの利用者も多いです。通常、障害支援サービスを利用するとき、障害支援区分を事前に取得します。区分は1~6まであり、数字が大きいほど重度を表します。

ただ自立訓練(生活訓練)については、区分なしの利用者が約5割です。また、区分なしを含め区分3以下の障害者が全体の8割以上です。重度の障害者はほとんど利用しておらず、精神科デイケアとは障害の程度が大きく異なるとわかります。

多くの障害者でサービス料は無料

なお病院やクリニックで行われる精神科デイケアは医療行為であるため、健康保険の適用となり、費用が発生します。

それに対して、多くの障害者で自立訓練(生活訓練)の利用料金は無料です。原則、障害福祉サービスは1割負担であるものの、以下のように月の負担上限額が設定されています。

状態負担上限額
生活保護0円
住民税の非課税世帯0円
世帯年収600万円以下9,300円
世帯年収600万円超37,200円

このように、住民税の非課税世帯や生活保護は負担ゼロです。自立訓練(生活訓練)の利用を考える障害者の多くは、これから社会復帰を考えている人であり、ほとんどが住民税の非課税世帯など低収入です。そのため、利用負担なしにて生活訓練を利用できるのです。

精神科病院への長期入院では利用期間が延びる

なお自立訓練(生活訓練)について、利用期間は2年です。そこで、特定の期間に集中してトレーニングを受ける必要があります。

ただ精神障害者の中には、精神科病院へ長期入院しているケースもあります。この場合、社会復帰に向けたトレーニングを受けるにしても、他の精神障害者よりも時間がかかります。また、長期入院の人は通所型ではなく、訪問型にて家でトレーニングを開始する人もいます。

そのため病院へ長期入院していた精神障害者については、2年ではなく有効期限が3年になります。そこで、こうした期間にて精神障害者はトレーニングを受けましょう。

一般就労や就労移行支援の利用者は宿泊型自立訓練を活用

ただ精神障害者の中には、既に昼間に一般就労をしていたり、その他の障害福祉サービス(就労移行支援など)を利用していたりします。

生活訓練は昼間に実施されます。そのため、一般就労している人は自立訓練(生活訓練)を利用することができません。

また生活訓練を利用する場合、その他の日中活動系の障害福祉サービス(就労移行支援や就労継続支援など)と併用できません。生活訓練は期間が決まっているため、その間は自立訓練(生活訓練)に集中する必要があります。

そうしたとき、生活訓練の夜間版として宿泊型自立訓練があります。宿泊型自立訓練であれば、昼間に就労していたり、就労移行支援を利用していたりする場合であっても問題なく併用できます。自立訓練施設に宿泊することによって、昼間は一般就労や就労移行支援を行い、夜間にトレーニングをするのです。

昼間に生活訓練を利用できない場合、宿泊型自立訓練を検討しましょう。なお宿泊型自立訓練の場合、約7割の障害者が区分なしで利用しています。また、宿泊型自立訓練のうち約7割の利用者は精神障害者です。

自立訓練施設を精神障害者が利用する

うつ病・双極性障害や統合失調症、発達障害、パニック障害など、精神障害者で社会復帰を考える人は多いです。そこで軽度の障害者であり、社会生活を送ることを考えているのであれば、そのトレーニングのために生活訓練を利用するのは優れます。

病院・クリニックで実施され、重度の精神障害者でも利用する精神科デイケアとは異なり、あくまでも社会復帰を考える精神障害者が生活訓練の利用に適しています。

なお昼間に一般就労していたり、就労移行支援を利用していたりする場合、自立訓練(生活訓練)を活用できません。その場合、宿泊型自立訓練を利用しても問題ありません。

精神疾患によって日常生活が困難になっている場合、自立訓練を利用することは再び社会生活を送るための一歩となります。そこで、精神障害者は生活訓練や宿泊型自立訓練をうまく活用しましょう。

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