症状の重い障害者で利用される障害福祉サービスに生活介護(デイサービス)があります。そして、このような生活介護を利用する障害者の一つに知的障害者がいます。
症状の重い知的障害者がデイサービスを利用することにより、生活能力の向上を目指します。可能な限り自ら日常生活動作を行えるようにすることで、人間らしい生活を送れるようにするのです。
それでは知的障害者が生活介護を利用するに当たり、どのような活動内容になり、何を考えればいいのでしょうか。知的障害者がデイサービスを利用するときの活用法を解説していきます。
もくじ
中等度・重度の知的障害者でデイサービスを利用する
一般的には、重度の障害者で生活介護(デイサービス)が利用されます。障害の重複があったり、重度知的障害者だったりする場合、一人で行えることは少ないです。こうした中程度や重度の障害者であれば、生活介護の利用が適しています。
障害福祉サービスを利用するとき、通常は障害支援区分を取得します。区分は1~6まであり、数字が大きいほど重度になります。
このとき、生活介護は区分3以上(50歳以上は区分2以上)で利用できます。ただ実際には、生活介護の利用者は区分5~6で全体の6割ほどを占めており、多くは重度障害者の利用となります。区分3で利用している障害者はいるものの、全体の数は少ないです。
生活能力の向上を生活介護で行う
なお知的障害者であっても、日常生活動作を自ら行えるほうが優れます。誰か他の人に手伝ってもらうのではなく、自ら以下の動作を行えるようにするのです。
- 食事を行える
- 洗濯物を干せる
- おむつなしにトイレへ行ける
- 約束や時間を守る
指導なしに知的障害者がこれらを行うことはできません。そこで、生活介護を通してトレーニングをするのです。
生活介護は18~64歳の若い人が利用します。年齢が若い場合、学ぶことで自ら行えることを増やせます。そのため、知的障害者が生活介護を利用するのは大きな意味があります。
活動内容はどうなるのか?
知的障害者がデイサービスを利用するとき、レクリエーションや創作活動などを行います。生活介護の事業所によって内容は異なりますが、例えば以下のようになります。
- 生活能力の向上:食事、入浴、排せつ
- 創作活動:絵画、折り紙、手芸
- 生産活動:パン作り、農作業、企業の下請け作業
- 運動:外出・歩行訓練、ストレッチ
知的障害者が何もせず家にずっといると、どうしても思考能力が低下しますし、自ら行えることも少なくなってきます。そこで、デイサービスでの活動内容を通して自ら行動できるようにするのです。
送迎ありにて通所が可能
なお多くの場合、知的障害者は生活介護で通所施設を利用します。つまり、自宅または障害者グループホームから生活介護施設へ出向くのです。
ただ中等度や重度の知的障害者が自らの意思で公共交通機関を利用し、通所施設へ毎日行くのは現実的ではありません。そのため多くの場合、生活介護では送迎を利用できます。
また生活介護施設は送迎加算を国に請求できるため、利用者(障害者)は格安にて送迎してもらえます。障害福祉サービスは原則1割負担であるため、ほとんど費用負担がないのです。また負担上限額がありますし、住民税の非課税世帯や生活保護ではサービス料が無料になります。
いずれにしても、重い障害の知的障害者が生活介護を利用するとき、通所施設への送迎を心配する必要はありません。
中程度の知的障害なら就労継続支援B型も視野
なお重度知的障害者や重症心身障害者の場合、日中活動は生活介護のみを利用することになります。ただ中等度の知的障害者では、最初はデイサービスを利用するにしても、将来は就労することを意識しましょう。
生活介護で工賃を得られることはあるものの、非常に金額は低いです。そこで将来は作業所にて働くのです。就労継続支援B型によって作業所で働けば賃金を得られます。
就労継続支援B型での平均賃金は月に1万5000円ほどになります。ただ、知的障害者にとっては非常に大きいお金になります。
生活介護からいきなり就労継続支援B型に移行する必要はなく、両者を併用しながら徐々に移行しても問題ありません。症状の重い障害者であっても作業所で働き、内職のような仕事をするのは普通です。そこで中程度の知的障害者なのであれば、生活介護を利用しつつも将来は働くことを意識しましょう。
知的障害者で生活介護は重要
中等度や重度の知的障害者について、作業所での就労すら難しい場合、生活介護(デイサービス)を利用します。活動内容は事業所によって異なりますが、創作活動やレクリエーションなどを通して障害者が行えることを増やしていきます。
食事や入浴、排せつだけでなく、生活介護での活動を通して「洗濯物を干せる」「約束を守れる」ようになれば、より人間らしい生活を送れるようになります。自立して生活できるように支援するのが生活介護になります。このとき、多くの生活介護施設は送迎にも対応しています。
なお中等度の知的障害者については、生活介護に慣れたら就労も視野に入れましょう。就労継続支援B型によって働けば、その分だけ賃金を得られます。このとき、生活介護と就労継続支援B型を併用するのは問題ありません。
障害の程度が重い知的障害者であれば、生活介護(デイサービス)を活用しましょう。生活介護を通して、知的障害者であっても人間らしい生活を送れるようにトレーニングできます。
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