障害者であれば、障害年金を受給できます。ただすべての人で障害年金を利用できるわけではありません。障害年金をもらえる人がいれば、もらえない人もいます。

そのため障害年金を受け取るためには、事前に受給要件を知っておかなければいけません。基準をすべて満たす必要があり、そうでなければ障害年金の対象者とならないのです。

このとき、重要な要件に「初診日要件」「保険料納付要件」「障害状態該当要件」があります。また、これ以外にも障害年金をもらえないケースがあります。障害年金では、もらえない条件に一つでも当てはまっていると受給の対象者となりません。

それでは、障害年金の受給要件としては何があるのでしょうか。障害年金の受給要件・基準について解説していきます。

20歳以上で老齢年金を受給していない人が対象者

すべての人について、20歳から国民年金保険料の納付義務があります。そのため、原則として障害のある20歳以上の人で障害年金の受給が可能です。

それでは、20歳以上であれば障害者全員が障害年金を活用できるかというと、そういうわけではありません。障害年金は「65歳になったときにもらえる老齢年金を受給していない人」が対象になります。つまり、通常は65歳未満の人が障害年金の対象になります(厳密には、初診日が65歳未満の人)。

・20歳前傷病の場合、20歳の時点から申請可能

ただ中には、20歳より前に病気やケガを生じており、子供のときから障害者の人がいます。こうした20歳前障害の人では、20歳に達した時点から障害年金へ申請可能になります。

本来、年金保険料を納付していない場合、障害年金を受給できません。ただ20歳前傷病については、例外的に保険料納付がなくても障害年金の対象者です。

障害年金の受給要件:もらえる人はどんな人?

それでは初診日(対象の傷病で初めて医療機関を受診した日)が20歳以上・65歳未満の人について、どのような人であれば障害年金をもらえるのでしょうか。これには、以下の3つの受給要件をすべて満たす必要があります。

  • 初診日要件
  • 保険料納付要件
  • 障害状態該当要件

それぞれについて確認しましょう。

初診日を確定できないともらえない

初診日に国民年金または厚生年金に加入していることを初診日要件といいます。これが障害年金を受給するために必要な要件の一つです。

また初診日を確定させなければ、どれだけ症状が重くても障害年金を受給できません。そのため、初診日の確定は重要です。このとき、途中で病名が変わっても問題ありません。例えば、「胃痛で内科を受診 → 神経内科を紹介され、うつ病と診断」の場合、胃痛にて内科クリニックを最初に受診した日が初診日です。

また初診日がわかれば、その日に国民年金に加入していたのか、それとも厚生年金に加入していたのかがわかります。

初診日の確定では、初診日の医療機関に連絡をして受診状況等証明書を作成してもらいます。過去のカルテを元に作成してもらう必要があり、カルテが既に廃棄されていたり、閉院となっていたりする場合、初診日の証明が困難になります。この場合、お薬手帳や診察券など他の証拠を集めて初診日を証明しなければいけません。

未納状態が長く、納付要件を満たさないと対象外

また、障害年金の納付要件を満たすことも必須です。初診日が確定することに加えて、ある程度、長い期間にわたり保険料を納付していなければ障害年金の対象外になります。以下が障害年金の納付要件です。

  • 初診日までの3分の2の期間で保険料納付がある

未納の状態が長い場合、障害年金の受給ができません。これは、未納だと障害年金の納付要件を満たせないからです。

なお20歳前障害については、国民健康保険料を納めることができず、納付要件は関係ありません。そのため20歳前に初診日がある場合、例外的に保険料納付要件の対象外になります。

障害年金の認定基準を満たすほどの障害である必要あり

障害年金を受給するためには、ある程度の重度障害である必要があります。つまり、障害年金の認定基準を満たす障害でなければいけません。

人によって障害の種類が異なり、それぞれ認定基準が違います。そのため一概にはいえませんが、例えば以下は精神障害者の認定基準です。

等級状態
1級常時の援助が必要
2級日常生活に著しい制限を受ける
3級労働で制限を受ける

1級の場合、寝たきりを含めて生活範囲がベッド周辺に限られる人が該当します。一方で2級については、立って歩くことはできるものの、就労は困難で多くの場面で援助が必要な人になります。3級であれば、労働や日常生活で制限のある人になります。

つまり、病気やケガによって明らかに日常生活に支障がある場合に障害年金の対象になります。ちなみに障害年金3級は「初診日に会社員・公務員として働いていた人(厚生年金の加入者)」が対象であり、初診日に国民年金の加入者は対象外です。

20歳前障害では例外的に所得制限や住所地の制限がある

ただ障害年金の受給要件をすべて満たしているにも関わらず、障害年金をもらえない人がいます。この一つに「20歳前傷病での所得制限」があります。

通常、障害年金には所得制限がありません。そのため、どれだけ高収入であっても関係なく障害年金をもらうことができます。ただ、この例外として20歳前障害があります。

前述の通り、20歳前傷病では国民年金保険料をまったく納付していないにも関わらず、障害年金の対象になります。そのため20歳前に初診日がある場合、所得制限が設けられています。具体的には以下のようになります。

  • 約370万円(所得)で半分支給
  • 約472万円(所得)で全額停止

年収ではなく所得であるため、年収換算ではより高額な収入を得ている人が対象になります。ただいずれにしても、こうした所得制限があります。

ちなみに20歳前傷病の場合、「海外移住によって日本に住所がない」「刑務所などの施設に収容された」などであっても障害年金をもらえなくなります。

生活保護も受給なしだが、障害者加算がある

他に障害年金をもらえなくなる人として、生活保護受給者が該当します。生活保護を申請したとしても障害年金を活用できます。ただ障害年金を受給した分だけ、生活保護費が減額されます。そのため、実質的に「生活保護では障害年金を受給できない」と考えることができます。

ただ生活保護受給者については、障害年金へ申し込む人がたくさんいます。この理由として、障害年金1~2級の場合は障害者加算が加わるからです。通常の生活保護費に加えて、障害者加算が支給されるのです。

なお、障害者加算の対象者は以下になります。

【重度】

  • 身体障害者手帳1~2級
  • 障害年金1級
  • 精神障害者保健福祉手帳1級(障害年金を受給していない場合)

【中度】

  • 身体障害者手帳3級
  • 障害年金2級
  • 精神障害者保健福祉手帳2級(障害年金を受給していない場合)

障害年金1~2級に該当する重度の生活保護受給者が障害年金へ申請し、障害者加算を得るのは大きな意味があります。そのため生活保護受給者では、障害年金は実質的にもらえないものの、障害者加算を狙うことを考えましょう。

障害年金の受給要件を満たし、お金を受け取る

障害者であっても、すべての人で障害年金を受給できるわけではありません。このとき原則として、20歳以上の人で障害年金の対象になります。

なお、必ず受給要件を満たす必要があります。そこで初診日を確定させ、納付要件を満たしましょう。さらに障害年金の認定基準を満たすほどの障害の程度であれば、障害年金への申請によって受給できるようになります。

また20歳前障害の場合、所得制限が存在します。さらに、生活保護の場合は実質的に障害年金を受給できませんが、障害者加算を活用できます。

障害年金をもらえない人について、さまざまなパターンがあります。そこで、これらの受給要件を満たしたうえで障害年金を活用しましょう。

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