発達障害やうつ病、統合失調症、アルコール依存症などの精神疾患を抱えていたり、軽度の知的障害を有していたりする場合、健常者よりもホームレスになる確率が非常に高くなります。事実、ホームレスでは精神障害者や知的障害者の割合が高いです。

ただホームレスであっても、生活保護や障害者グループホームなど、公的サービスを利用することで問題なく日々を過ごせるようになります。つまり、個室にて過ごせます。

それでは精神障害者や知的障害者のホームレスについて、どのように生活環境を整えればいいのでしょうか。路上生活ではなく、個室にて過ごすための対策を解説していきます。

精神障害者や知的障害者はホームレスになりやすい

通常、ホームレスになることはありません。ただ障害者の場合、何も対策していないとホームレスになってしまうのは普通です。精神障害者や知的障害者は十分に働くことができず、一般企業での就労が困難です。

また親族を頼れない人も多く、さらには障害者だと労働収入を得ることができないため、結果として住所不定者となってしまいます。

過去に行われた調査では、ホームレスのうち約4~6割は精神疾患を有していることがわかっています。またホームレスのうち、約3割は知的障害者です。このように考えると、ホームレスは障害者の割合が非常に高いとわかります。

健常者であれば、たとえ失業して職を失っても、すぐに次の職を得ることができます。アルバイトによって一時的にその場をしのぐこともできます。ただ障害者では働くことができず、結果としてホームレスになるというわけです。

生活保護を利用し、障害者施設に住む

ただ、いまは住所不定の状態であっても路上生活を選択する必要はありません。生活保護を利用することにより、特定の居住場所(個室)にて過ごすことができるからです。

生活保護を利用すれば、毎月の生活費や家賃のお金を得ることができるため、問題なく日々の支出を出せるようになります。

ただ、ホームレスとして過ごしている精神障害者や知的障害者がいきなり単独生活を行うのは現実的ではありません。そこで特別な理由がない限り、通常は障害者グループホーム(共同生活援助)へ住みます。介護スタッフが常にいるため、発達障害やうつ病、統合失調症、アルコール依存症、知的障害などがあっても生活できます。

実際のところ、ホームレスの数は年々減少しています。これは、生活保護や施設の利用が可能であり、路上生活をする必要がないからです。

障害者でホームレスから個室にするステップ

それでは、いま住所不定の精神障害者・知的障害者はどのようにしてホームレスから個室生活へと移行すればいいのでしょうか。発達障害やうつ病、統合失調症、アルコール依存症、知的障害について、以下のステップが一般的です。

  1. 生活保護を申請
  2. 一時的に施設(無料低額宿泊所など)で過ごす
  3. 障害者手帳や障害福祉サービスへ申請
  4. 障害者グループホームに住む

そこで、この流れによって住所不定の状況から脱出しましょう。

福祉事務所へ出向き、生活保護を申請する

最初に福祉事務所へ出向きましょう。生活保護の申請をするとき、福祉事務所にて手続きをします。通常、住民票のある地域の役所へ行き、「生活保護を申請したい」と伝えれば十分です。

なおホームレスだと住所が定まっておらず、中には住民票のない人がいます。また、住民票のある自治体とは異なる場所にて生活している人もいます。この場合、いま居住している場所の福祉事務所へ出向き、生活保護を申請できます。

たとえ住所がなかったり、住民票のある自治体とは違う場所に住んでいたりする場合であっても、問題なく生活保護を申請できます。

無料低額宿泊所などで一時的に過ごす

なお申請時に住所がなくても、生活保護を受け取るときは必ず特定の住所が決まっている必要があります。そこで精神障害者や知的障害者について、ホームレスでも住める施設にて一時的に居住しましょう。

多くの場合、福祉事務所が「生活保護を受給するため、ここに住んでください」と案内します。案内される施設としては、例えば無料低額宿泊所があります。

なお無料低額宿泊所は貧困ビジネスで利用される側面があり、中には極小の部屋にて、劣悪な環境で過ごすケースもあります。また管理費や食費が異常に高く、自由に使えるお金が手元にほとんど残らないケースもあります。

ただ、こうした施設での生活はあくまでも一時的です。そこで、住所を定めた後はできるだけ早く次に住む場所を見つけるために行動しましょう。

障害者手帳を保有し、障害福祉サービスの手続きをする

なお、ホームレスが「一時的に住む施設(無料低額宿泊所など)」で住み始めた後、障害者手帳を申請または再発行しましょう。既に保有しているなら問題ないですが、精神障害者や知的障害者であれば、一人で生活するために必須の書類になります。

さらに、障害者グループホーム(共同生活援助)を利用するため、市区町村の役所(障害福祉課)で障害福祉サービスへ申請しましょう。

住所が決まっていない状況では、障害福祉サービスの申請はできません。ただ無料低額宿泊所でもいいので、特定の場所で生活し、生活保護を受給している場合は障害福祉サービスへ申請できます。

初めて障害福祉サービスを利用する場合、1~2か月の時間がかかります。そのため、可能な限り早く市区町村の役所へ出向き、障害福祉サービスを申請するといいです。早く申請すればするほど、無料低額宿泊所などでの生活期間を短くできます。

また、ホームレスが一時的に住む施設(無料低額宿泊所など)では多くの場合、介護スタッフによる援助はありません。そうした意味でも、早めに介護スタッフによる援助を受けられる障害者施設の利用が優れます。

障害者グループホーム(共同生活援助)で過ごす

そうして障害福祉サービスの申請を行い、障害者グループホーム(共同生活援助)の利用許可が下りた後、実際に障害者グループホームに住みましょう。

発達障害やうつ病、統合失調症、アルコール依存症、知的障害に限らず、さまざまな障害者がグループホームを利用して共同生活をしています。また、人によって軽度から重度まで重症度は異なります。

低所得者の場合、サービス料は無料です。また家賃は国や自治体から補助があり、金銭的には問題なく生活保護の範囲内で住めます。さらには、シェアハウス形式なので食費や水道光熱費は最安値となり、生活保護受給者の中でも自由に使えるお金が多くなりやすいです。

また介護スタッフによる援助が常にあるため、発達障害やうつ病、統合失調症、アルコール依存症、軽度知的障害があっても日々の生活に困りません。当然、病院・クリニックへの同行も可能です。格安にて過ごし、さらにはスタッフによる助けをいつでも得られるのが障害者グループホームです。

精神障害者・知的障害者でホームレスから脱出する

発達障害やうつ病、統合失調症、アルコール依存症、軽度知的障害者を含め、障害者はどうしてもホームレスに陥りやすいです。これは、過去の調査でも明らかになっています。

そこで精神障害者・知的障害者について、生活保護の利用を考えましょう。ホームレスを脱出できる唯一の方法が生活保護の利用です。そこで、いまの地域の近くにある福祉事務所へ行き、生活保護の受給を相談するといいです。

また住所不定の状態であっても住める施設を利用しつつ、障害者手帳や障害福祉サービスの申請を行いましょう。その後、障害者グループホームで生活することにより、介護スタッフによる援助を受けつつ、個室での生活が可能になります。

障害者のホームレスが個室で生活するとき、適切なステップがあります。そこで、まずは生活保護の受給から開始し、最終的に障害者グループホームで生活しましょう。

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家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。

障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。

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