障害者を施設で一時的に預かってほしいと考える家族は多いです。そうした日帰りでの一時預かりを利用するとき、日中一時支援が有効です。

ただ、日中一時支援を利用するときには年齢制限があります。また、何歳から利用できるのかは施設によって異なります。ほかには、子供向け施設と大人向け施設でも利用年齢が分かれています。

それでは日中一時支援を利用するとき、どのように年齢制限を考えればいいのでしょうか。何歳から何歳まで利用できるのか解説していきます。

日中一時支援は0歳から64歳まで

障害者であれば日中一時支援を利用できます。ただすべての人で利用できるわけではなく、年齢制限を考えなければいけません。具体的には以下になります。

  • 0~64歳

つまり、65歳以上でなければ障害者で日中一時支援を利用できると考えましょう。

幼児や未就学児も利用できる

日中一時支援は障害をもつ子供にも対応しています。そのため、幼児・未就学児であっても日中一時支援を利用して子供を一時的に預けられます。

ただ子供について、制度上は0歳から預けることができるものの、施設によって対応年齢が異なります。施設ごとに、何歳から利用できるのかが違うのです。例えば、以下の施設では小学生から高校生までを日中一時支援の利用対象にしています。

もちろん施設によっては、幼児や未就学児であっても利用できます。ただ施設によっては、幼児や未就学児の利用が要相談になるケースはよくあります。

0歳などの幼児は重症心身障害児が対象

ちなみに、0歳など非常に年齢の低い幼児が日中一時支援を利用するとき、たとえ「0歳であっても利用可能」な日中一時支援へ依頼するにしても、重症心身障害児のみが対象になると考えましょう。理由は単純であり、重症心身障害児以外の幼児は障害者と判断できないからです。

知的障害者や精神障害者(発達障害を含む)について、そもそも0歳では障害があるとわかりません。すべての幼児について、0~2歳では言葉を話すことができず、意思疎通は困難です。また、おむつも必要です。

例外的に、ダウン症などの遺伝子疾患では生まれながら知的障害があるとわかるものの、そうでない場合は知的障害や精神障害(発達障害)があるとわかりません。一方で重症心身障害児であれば、生まれたときから障害があると明確です。

日中一時支援はあくまでも障害者向けの制度です。そのため幼児や未就学児が利用するにしても、障害があるとわかっている必要があり、0歳など非常に低い年齢では利用できる障害児が限られます。

65歳以上は介護保険を利用する

一方で18歳以上の成人についても日中一時支援を利用できます。ただ大人での利用は64歳までに限られます。65歳以上の高齢者になると、日中一時支援を利用できなくなります。

障害者は高齢者になっても障害者のままです。ただ65歳以上になると介護保険を利用する必要があり、利用できなくなる障害者向けサービスがいくつも出てきます。その一つが日中一時支援というわけです。

なお、介護保険で日中一時支援に対応するサービスがあるかというと、基本的にはありません。

デイサービスとして日中に通所したり、ショートステイとして一時的に宿泊したりできる高齢者向けサービスは存在します。ただ、介護者の休息(レスパイト)を目的に障害者を預けることはできません。

なお高齢の障害者では、親による介護は期待できません。そのため障害者グループホームへ早めに入居するなど、日中一時支援を利用しなくても良い環境を早いうちから作るのが望ましいです。

子供向けと成人向け(18歳以上)で施設が異なる

こうした年齢制限を理解して、障害者・障害児は日中一時支援を利用しましょう。なお前述の通り施設によって対象年齢は異なりますが、多くの施設で以下の区切りがあります。

  • 成人向け:18歳以上
  • 子供向け:0~18歳(高校生)まで

なお高校生であれば、18歳であっても障害児向け施設を利用できます。ただ高校を卒業した18歳以上の成人については、大人向けの施設を利用しなければいけません。

また日中一時支援をそれまで何度も利用したことがあっても、65歳になった瞬間に日中一時支援を利用できなくなります。障害者は他にも65歳になることで利用できなくなる障害福祉サービスが複数あるため、前述の通り障害者グループホームを利用するなど、「高齢障害者でも生きていける環境」を作る必要があります。

何歳から何歳まで日中一時支援の利用が可能か学ぶ

障害者向けの公的サービスを活用すれば、家族の介護負担を大幅に軽減できます。そこでサービス利用の対象者なのであれば、日中一時支援を検討するといいです。

ただ日中一時支援には年齢制限があります。何歳から利用できるかというと、0歳でも利用可能です。ただ幼児や未就学児でサービスを依頼できるとはいっても、明らかに障害児であることが条件です。また施設によっても対象年齢が異なります。

一方で大人については、64歳までの利用になります。65歳になると日中一時支援を利用できません。なお65歳以上の場合、家族からの支援を期待しにくいため、早めに障害者グループホームを利用するなど日中一時支援以外の障害者向けサービスの利用を考える必要があります。

障害者向けのサービスで年齢制限があるのは普通です。そこで日中一時支援の制度を学び、施設の対象年齢を確認したうえで活用しましょう。

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