障害者グループホームへ入居するためには、事前に必要書類を集めなければいけません。このとき、グループホームは介護・福祉施設の一つであるため、必要書類は特殊です。
すぐに集められる書類ではなく、2か月ほどかかることもあります。そのため障害者グループホームへの入居を考える場合、早めに準備しなければいけません。
また重要な書類に契約書があります。すべての必要書類がそろい、見学・面談を通して入居が決定した後、契約を交わすことになります。そこで、契約書にどのようなことが書かれてあるのか事前に把握しておきましょう。
グループホームへの入居で書類は重要であり、前もってそろえておく必要があります。そこで、障害者グループホーム入居への必要書類と契約書を解説していきます。
もくじ
入居前に準備するべき書類
知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者であれば障害者グループホームを利用できます。このとき、マイナ保険証など一般的な書類ではなく、障害者ならではの書類を事前に用意しなければいけません。
障害者グループホームは国からの報酬支払いで経営が成り立っています。そのため利用者について、客観的に「この人は障害者である」ことが証明されていなければいけません。そこで、障害者グループホームへの入居では以下の書類を求められます。
- 障害者手帳:身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳
- 障害福祉サービス受給者証
それぞれの内容を確認しましょう。
障害者手帳の取得はメリットばかり
どの障害者グループホームでも、必要書類として障害者手帳の提示を求めます。障害者手帳があれば、公共交通機関の利用で割引があったり、医療費助成があったり、障害者が生活をするときに利用する場面がたくさんあります。
またメリットは多いものの、デメリットは特にありません。そのため障害者であれば、以下のような障害者手帳を保有するというわけです。
- 身体障害者手帳:体の機能に障害のある人
- 療育手帳:知的障害のある人
- 精神障害者保健福祉手帳:精神障害のある人
役所で申請して、障害者手帳を受け取るには1~2か月ほどかかります。すでに保有している場合は問題ありませんが、いま手元にない場合、いますぐ申請しましょう。
なお正確にいうと、障害者手帳はグループホームへの入居で必須ではありません。障害者手帳なしであるものの、グループホームで格安にて生活している人はいます。ただ特別な理由がない限り、事前に障害者手帳を取得しておくといいです。
区分認定を受け、障害福祉サービス受給者証を受け取る
障害者手帳は必要でないものの、「障害支援区分の認定を受け、障害福祉サービス受給者証を受け取る」のは必須です。障害者グループホームを利用するとき、障害福祉サービス受給者証がなければ入居できません。
なお、障害の程度を表す指標に障害区分があります。障害支援区分には1~6まであり、6が最も重い障害となります。
そこで区分認定を受け、障害福祉サービス受給者証を発行してもらいましょう。障害福祉サービス受給者証に「共同生活援助(グループホーム)」と以下のように記されれば、障害者グループホームを利用できるようになります。
区分認定を受けるには、人によっては2か月ほどかかることもあります。障害者手帳と同様に時間がかかるため、すぐに区分認定され、障害福祉サービス受給者証が発行されるわけではないのです。
なお障害者手帳と障害福祉サービス受給者証は完全に別物です。そこで、障害者手帳と障害福祉サービス受給者証を別々に取得しましょう。
必要書類をもち、障害者施設へ出向く
ここまで解説した障害者手帳と障害福祉サービス受給者証があれば、障害者グループホームへの入居で必要な書類はほぼ用意できたことになります。その他の必要書類や物については、すでに保有しているからです。
具体的には、障害者グループホームへ入居するための必要書類や物は以下になります。
【本人】
- 障害者手帳
- 障害福祉サービス受給者証
- 健康保険証
- 内服中がわかる書類(処方せんのコピー、お薬手帳など)
- 印鑑
【保護者】
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 印鑑
障害者手帳と障害福祉サービス受給者証は事前に申請する必要があるものの、それ以外は既に保有していると思います。そこで障害者手帳と障害福祉サービス受給者証を用意できたら、入居したい障害者グループホームを探しましょう。
・健康診断書などは不要
なお、障害者グループホームへの入居で健康診断書などほかの書類は不要です。認知症グループホームや高齢者住宅の場合、こうした書類が必要になるケースはあります。ただ障害者グループホームについては、健康診断書は不要なのです。
そもそも、障害者なので健康状態に不安があったり、日常的に薬の服用が必要だったりするのが普通です。そのため、健康診断書はあまり意味がありません。
グループホームと契約書を取り交わす
必要書類を用意でき、障害者グループホームとの見学・面談などが終わり、実際に入居する場合は契約書を取り交わすことになります。
契約書のひな型はグループホーム側がすでに用意しています。そのため注意事項などの説明を受けた後、グループホーム側が用意した契約書へサインするだけとなります。以下のような契約書になります。
契約書を取り交わす必要があるため、必要な持参物に印鑑があるというわけです。また障害者という特性上、入居者だけでなく、身元引受人(家族)も契約書に印鑑を押す必要があります。
契約書に記されている内容は何か
それでは、契約書に記されている内容には何があるのでしょうか。契約前に契約書の内容をすべて精査する人は実際のところいません。ただ、契約書にどのような内容が記されているのか知ることは重要です。
契約書の内容はグループホームによって異なりますが、ほとんどの契約書について、以下のことが共通して記されています。
- 契約期間は存在するが、事前の申し出がない場合は自動更新となる。また、契約解除は30日前(または60日前)の申請が必要。
- グループホーム側は個別支援計画を作成し、利用者を支援する
- グループホームで必要な実費(家賃、水道光熱費など)を利用者が支払う
- 施設側は身体拘束や個人情報の漏洩をしない
- 利用者が施設の備品を壊した場合、利用者が原状回復費用を負担する
- 他人への暴力などの重大事故、支払滞納、長期入院などが起こった場合、契約解除となる
障害者グループホームを利用するとき、重要な内容はこれらになります。契約書に記されている内容は絶対なので、これに従わなければいけません。
例えば利用者が感情を抑えきれず、暴れることもあります。以下は実際に障害者グループホームで暴れた後の様子です。
この場合、契約書に従って「暴れた利用者本人または家族が原状回復に必要なお金を支払わなければいけない」ことになります。前述の通り契約書の効力は絶対であるため、これを覆すことはできません。いくら文句を言っても、契約書に記されている以上、利用者の負担となります。
また障害者グループホームの判断によって異なりますが、こうした事件を起こした場合、契約書に従って強制退去の対象となります。
契約書というのは、単なる紙切れではあるものの、ここに記されている契約内容が最も重視されます。どの障害者グループホームについても、契約書に記されている内容はほぼ同じです。そこで、上記の契約内容が存在することを事前に学びましょう。
住民票の手続きと引越しをすれば完了する
なお、ここまで解説した必要書類を持参し、契約書を取り交わせばグループホームへ入居するための準備がすべて整ったことになります。
ただ書類という意味では、ほかにも住民票の移動が必要です。そこで役所の中でも、戸籍課などへ出向くことで住民票を障害者グループホームへ移動させましょう。
同じ市区町村で住民票を移動させる場合、いま住んでいる役所へ出向けばいいです。一方、住民票のある地域とは異なる場所の障害者グループホームに住む場合、転出届と転入届を提出することで住民票を移動させましょう。
なおそれまで実家暮らしの障害者の場合、住民票を実家に残し、住民票を移動させないケースもあります。これについては、その人の判断によります。
また実際の引越しについては、衣類や日用品(歯ブラシなど)などを持ち込むだけです。以下は実際の障害者グループホームの空き部屋ですが、このようにベッドやテレビなど生活に必要な備品は既に備わっています。
ホテルへ宿泊するのと同じように、必要最低限の荷物で引越しが完了します。そのため必要書類を集め、グループホーム側と契約書を取り交わした後については、行うべきことは少ないです。
障害者施設入居の必要書類や契約書の中身を知る
障害者グループホームを利用するためには、事前に必要書類を集める必要があります。まず役所で申請する必要があり、すぐに必要書類を手にすることができないため、早めに申請しましょう。こうした障害者ならではの必要書類に障害者手帳と障害福祉サービス受給者証があります。
申請して受け取るまでに1~2か月ほどかかるのは普通であり、特に障害福祉サービス受給者証がなければ障害者施設への入居はできません。そのため、早めの申請が必要になるのです。
これらの必要書類を集めた後、グループホームを探すことになります。実際に障害者グループホームへ出向き、見学や面談、体験利用などが終わると契約となります。このとき、契約書にどのような内容が記されているのか把握するといいです。
障害者グループホームへの入居では特殊な必要書類が複数あります。これらの書類を用意して、障害者施設への入居を完了させましょう。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
そこで、当サイトでは完全無料で障害者グループホームを紹介するサービスを日本全国にて実施しています。「いますぐ入居したい」「いまの障害者グループホームから他の施設へ移りたい」「強制退去となり、新たな施設を探している」など、軽度から重度の障害者を含めてあらゆる方に対応しています。