障害福祉サービスには種類があり、その中に自立訓練(機能訓練・生活訓練)と生活介護(デイサービス)があります。

障害者の生活能力を向上させるという意味では、自立訓練(機能訓練・生活訓練)と生活介護(デイサービス)の目的は同じです。また、どちらも昼間にサービス提供されます。ただ利用の対象者は異なり、それぞれの違いを理解するのは重要です。

それでは、自立訓練と生活介護の違いは何でしょうか。両者を併用することはできるのでしょうか。自立訓練と生活介護の違いについて解説していきます。

昼間にサービスが提供される

昼間に提供される障害福祉サービスはいくつもあります。その一つが自立訓練(機能訓練・生活訓練)と生活介護です。

自立訓練については、例外的に夜に提供されるサービスもあります。宿泊型自立訓練を活用すれば、夜にトレーニングすることができます。

ただ宿泊型自立訓練ではなく、一般的な自立訓練(機能訓練・生活訓練)では昼間にサービス提供となります。また、生活介護(デイサービス)も昼間に障害者に対してサービス提供されます。

軽度の障害者が自立訓練を利用

このとき、自立訓練と生活介護の違いとして最も分かりやすいのは、利用する障害者の重症度です。自立訓練(機能訓練・生活訓練)では将来の一人暮らしや自立を考え、軽度または中等度の障害者が利用します。

一般的には、障害福祉サービスを利用するときに障害支援区分を取得します。区分には1~6まであり、数字が大きいほど重度となります。

このとき、区分なしであっても利用できる障害福祉サービスが自立訓練です。また、区分1~3までの軽度や中等度の障害者がメインの利用者です。一方、区分5や区分6で自立訓練を利用する人は少ないです。

社会生活の中で生きていくために必要な知識を得たり、リハビリを通して機能回復したりするのが自立訓練です。そこで、軽度の障害者は以下の内容を学ぶことで、社会で生きていくようにトレーニングします。

  • 食事やそうじ
  • 公共交通機関の利用
  • 病院への通院
  • 社会ルール・マナー

こうして、社会で必要な能力を得ることを目的として自立訓練を活用します。

・宿泊型自立訓練で夜に利用するのは可能

なお前述の通り、自立訓練には宿泊型もあります。昼間に就労しているなど、理由がある場合は宿泊型自立訓練を活用できます。障害者は昼間に活動しているため、主に夜間に社会生活で必要なトレーニングをするのが宿泊型自立訓練です。

生活介護の場合、必ず昼間のサービス提供になります。一方で自立訓練の場合、夜にトレーニングすることも可能です。

自立訓練が終わったら就労を開始する

なお通常、前述の通り軽度の障害者で自立訓練を利用します。そうした軽度の障害者がずっとトレーニングをする意味はなく、ある程度の区切りを決める必要があります。そのため、自立訓練の期限は以下のようになっています。

  • 機能訓練:1年6か月
  • 生活訓練:2年

身体障害者や難病患者が利用する機能訓練は1年6か月が期限です。また知的障害者や精神障害者が利用する生活訓練は2年が期限です。

こうして期限を区切り、自立訓練が終了した後は就労するのが一般的です。就労継続支援で働いてもいいし、就労移行支援を利用して一般企業へ就職してもいいです。いずれにしても、軽度の障害者は自立訓練を利用した後に働くことを考えます。

重度の人向けが生活介護(デイサービス)

一方で生活介護は重度の障害者向けのサービスです。中等度の障害者が生活介護を利用することはできるものの、通常は重度の障害者が活用します。事実、生活介護の利用割合では、区分5と区分6と非常に重度の障害者が半分以上を占めます。

また生活介護では、そうじや洗濯など日常生活の訓練を行うものの、創作活動などのレクリエーションもひんぱんに行われます。

障害者の生活能力の向上を目指すとはいっても、重度の人向けであるため、自立訓練と比べたとき、やはりサービス内容が大きく異なります。常に車いす生活である重症心身障害者も利用するのが生活介護なのです。

なお自立訓練では区分なしでも利用できるのに対して、生活介護では区分3以上の人が利用できます。ただ通常、中等度の障害者はデイサービスではなく就労系サービスを利用します。そのため生活介護では、障害者向けの就労サービスすら利用が困難な重度の人がメインの利用者になっているのです。

・期間はなく、ずっと就労しない障害者も多い

重度の障害者向けサービスであるため、生活介護に利用期間はありません。65歳以上の高齢者になると生活介護を利用できなくなるものの、自立訓練のように利用期間の区切りはないのです。

また生活介護ばかり利用しており、ずっと就労しない障害者もたくさんいます。就労しないというよりも、「就労できない」という表現のほうが正しいですが、いずれにしても重度向けのサービスなので何年も生活介護を利用できます。

同じ日に自立訓練とデイサービスの併用は不可

なお人によっては、「自立訓練と生活介護を併用できるのか?」と考えるケースがあるかもしれません。これについて、同じ日に自立訓練とデイサービスの併用は不可です。

昼間に提供される障害福祉サービスについては、基本的に「どれも同じ日に提供できない」とされています。そのため、自立訓練(機能訓練・生活訓練)と生活介護(デイサービス)は併用できないと考えましょう。

なお、「夜間に提供されるその他の障害福祉サービス」であれば併用可能です。例えば以下の組み合わせは併用できます。

  • 自立訓練 + 障害者グループホーム
  • 生活介護 + 障害者グループホーム
  • 自立訓練 + ショートステイ
  • 生活介護 + ショートステイ

また必要と認められれば、移動支援や日中一時支援、居宅介護(ホームヘルプ)などと併用することもできます。ただ自立訓練と生活介護については、同じ日の併用を考えないようにしましょう。

別の日に自立訓練と生活介護の併用は意味がない

それでは同日ではなく別々の日であれば自立訓練と生活介護を併用できるかというと、基本的に微妙です。障害福祉サービスは通常、同じサービスを継続して利用するのが一般的です。

また「一般企業での就労を目指し、期間限定で生活能力を向上させる自立訓練」と「重度の障害者向けのデイサービス」では、サービス内容が大きく異なります。そのため、自立訓練と生活介護を併用するのは基本的に意味がないです。

なお昼間に提供される障害福祉サービスについて、明確な理由がなければ併用は許可されません。例えば、以下のケースであれば目的が異なる2つの障害福祉サービスを別日に併用できます。

  • 重度の障害者で毎日の就労は無理であり、昼間に就労継続支援B型で週2日だけ働いている。そこで、その他の日は生活介護を利用している

ただ自立訓練と生活介護を併用する意味が基本的にない以上、別日であっても自立訓練と生活介護の併用は許可されないです。そこで自立訓練と生活介護の違いを理解して、どちらを利用したいのか考える必要があります。

自立訓練と生活介護は対象者が異なる

障害者の生活能力を向上させるという意味では、自立訓練(機能訓練・生活訓練)と生活介護の目的は同じです。ただ、利用の対象者は大きく異なります。

自立訓練は軽度の障害者がメインで利用します。こうした軽度の障害者が期間限定で生活能力を向上させ、その後に就労移行支援などを利用することで一般企業での就職を目指します。また宿泊型自立訓練を利用すれば、夜間のトレーニングも可能です。

一方で生活介護(デイサービス)は重度の障害者向けサービスです。一般的には、就労系サービスすら利用が困難な障害者で生活介護を利用します。

自立訓練と生活介護では、軽度向けと重度向けで利用者が大きく異なります。こうした違いを学び、どちらの障害福祉サービスを利用するべきか考えるといいです。

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