障害年金を受け取るとき、子供がいるのであれば、子の加算(子供加算)を受け取ることができます。子の加算により、障害年金によって受け取る金額が大幅に上昇します。

障害年金を受け取っている人について、18歳未満の子供がいる場合、子の加算を受け取る対象になります。ただ子の加算を受け取るためには条件があり、条件を満たしている人でなければいけません。当然、条件を満たさなくなれば廃止する必要があります。

なお子の加算が可能な場合、申請しなければいけません。そのため必要書類を理解するのは重要ですし、遡及請求するときは注意がより必要になります。

それでは、どのように考えて障害年金の受給者は子の加算を利用すればいいのでしょうか。子の加算により、多くの障害年金を受け取る方法を解説していきます。

18歳の子供まで(または20歳まで)、子供加算がある

障害年金を受け取っている人に対して、18歳未満の子供がいる場合、子の加算があります(子供が障害をもつ場合、18歳未満ではなく、20歳未満まで受取可能)。これが障害年金での子の加算です。

あらゆる人について、子の加算を受け取れる可能性があります。初診日(障害を負ったケガ・病気で最初に医療機関を受診した日)に厚生年金に加入していた人だけでなく、国民年金に加入していた人も子の加算の対象になるのです。

・配偶者加算とは別に子の加算がある

ちなみに、結婚している人は配偶者加算を受け取れます。ただ配偶者加算は「初診日に厚生年金に加入していた人のみ対象」であり、初診日が国民年金だと配偶者加算を受け取ることができません。

種類国民年金厚生年金
子の加算
配偶者加算

一方で子の加算については、国民年金(学生・専業主婦など)や厚生年金(会社員・公務員)に関係なく受給可能です。

金額はいくら?2人目や3人目の支給額

それでは、子の加算によって障害年金の支給額がいくら増えるのでしょうか。日本年金機構によると、以下の金額になっています。

子の人数加算額
1人目・2人目まで年228,700円(一人あたり)
3人目以降年76,200円(一人あたり)

つまり、以下の分だけ金額がプラスされます。

  • 子供1人:年228,700円
  • 子供2人:年457,400円
  • 子供3人:年533,600円

子供の人数によって加算額は変わりますが、いずれにしても子の加算によって障害年金の支給額は大幅に上昇します。

一人親の場合、児童扶養手当との調節が必要

なおシングルマザー(またはシングルファザー)の場合、障害者や健常者に関係なく児童扶養手当を受け取る権利があります(両親がいる場合、関係ありません)。

このとき障害年金によって子の加算がある場合、「児童扶養手当から子の加算を差し引く」ようになります。

障害年金による子の加算は実質的になくなるものの、児童扶養手当を満額受け取れるようになります。つまり、一人親世帯は以下のようになります。

  • 障害年金 + 児童扶養手当

障害年金を受け取っている一人親世帯については、「子の加算なしにて、障害年金と児童扶養手当を併給するのと同じ状態になる」と考えましょう。そのため一人親で子供を育てる障害者の場合、実質的に子の加算は受け取れません。

ただ子の加算を継続的に受け取れないとしても、遡及請求などをする場合は大きなお金を受け取れるため、一人親世帯にとって障害年金の子の加算がまったく意味がないというわけではありません。

対象者はどのような障害者?

それでは、どのような人であれば障害年金で子の加算を受け取ることができるのでしょうか。これについては、子供の年齢が18歳未満(障害児の場合は20歳未満)であることに加えて、以下の人が対象者になります。

  • 障害年金1級または2級の受給者
  • 生計同一関係(別居は問題ない)

この2つの条件を両方とも満たしていれば、障害年金で子の加算を受け取ることができます。

なお詳細にいうと、これらの条件以外にも「子の年収が850万円未満(または所得が655.5万円未満)」も条件となります。ただ子供が高年収であるケースは基本的にないため、重要なのは先ほど述べた2つになります。

・障害年金1級または2級の受給者が条件

障害年金には1級、2級、3級があります。このうち、障害年金1級または2級を受け取っている人が子の加算を受け取る権利があります。障害年金3級を受給している人については、子の加算(子供加算)はありません。

・生計同一関係(別居は問題ない)

子供の場合、特別な理由がない限りは生計同一関係です。そのためこの条件については、基本的に問題は起こりません。

「入院している」「療養のため、障害者が実家に住んでいる」「進学のため、子供が別の場所に住んでいる」という場合であっても、子供がいるのであれば生計同一関係です。事実、たとえ別居であっても障害年金による子の加算を利用して育児をすることになります。

生計同一関係というのは、同居や別居は関係ありません。あくまでも、親のお金を利用して子供が生活しているかどうかが重要になります。

子の加算を得るための必要書類

それでは、障害年金で子の加算を得るためにはどのような手続きが必要になるのでしょうか。子の加算を得るにしても、何も行動しなければ障害年金に対する加算はありません。そこで、必要書類を集めて役所に提出する必要があります。

このとき、以下の書類を提出することになります。

  • 親子関係を証明できる書類:戸籍謄本・住民票など
  • 子供の収入の確認書類:在学証明書、健康保険証の写しなど

※義務教育の年齢以下の子供については、収入証明資料は提出不要です。

障害年金の請求でも、住民票などの書類は必要になります。そのため、子の加算を得るにしても必要書類を集める作業は大変ではありません。

なお子供が障害児であり、20歳になるまで子の加算を受け取りたい場合、これらの書類に加えて、子供の障害の程度を確認するために医師の診断書の提出が必要になります。

また人によっては、障害年金の受給中に新たに子供が生まれることがあります。この場合、戸籍謄本などの必要書類を持参して申請を行い、子の加算によって受け取れる金額を増やしてもらいましょう。

・役所または年金事務所で手続きを行う

なお、障害年金の手続きを行う場所は初診日に国民年金に加入していたのか、それとも厚生年金に加入していたのかによって異なります。

国民年金の加入者は障害基礎年金のみを受け取ることになり、役所で子の加算の手続きをします。一方で会社員や公務員など、厚生年金の加入者は障害厚生年金を受け取ることになり、子の加算を年金事務所で手続きします。

  • 障害基礎年金のみを受給:役所で手続き
  • 障害厚生年金を受給:年金事務所で手続き

国民年金と厚生年金によって、子の加算の手続き場所が異なります。いずれにしても、こうした場所に出向くことで、障害年金を養育費としても活用できるようになりましょう。

遡及請求では書類がさらに必要となる可能性

なお認定日(障害年金を請求できる日)から長い年月が既に経過している場合、遡及請求が可能です。つまり、認定日にさかのぼって「本来であれば受け取れていたはずの障害年金」を請求できるのです。このとき子供がいる場合、子の加算を含めて遡及請求できます。

ただ子供の年齢が高めの場合、遡及請求するときは必要書類が多くなるケースがあります。

子供の年齢が小さく義務教育の年齢以下の場合、前述の通り子供の収入証明書類は不要です。一方、例えば子供(健常者)の年齢が現在20歳であり、5年前にさかのぼって請求する場合、子供が15~18歳未満の3年間について遡及請求することになります。

そこで子供が「当時は学校に通っており、収入がほとんどない」ことを証明するため、高校の卒業証明書(在学証明書)などを提出することになります。子の加算を含めて遡及請求する場合、こうした注意点を理解しましょう。

離婚や障害年金3級で条件を満たさなくなったら廃止が必要

なお場合によっては、子の加算の対象外になるケースがあります。以下の状況が該当します。

  • 子供が18歳以上(障害児は20歳以上)になった
  • 離婚により、障害者と子供が一緒に住まなくなった
  • 症状が回復し、障害年金3級になった
  • 子供が死亡した
  • 子供が結婚した
  • 子供の年収が850万円を超えた

こうした状況では、障害年金を継続して受け取ることができるものの、子の加算の対象外となります。その場合、加算額・加給年金額対象者不該当届を提出することで子の加算を停止しましょう。

本来は子の加算を受け取る権利がないにも関わらず、加算を受け取ってしまった場合、返金義務を生じます。そのため、子の加算の対象外になってしまった場合は速やかに必要書類を提出することで子の加算を停止するといいです。

子供がいる場合、障害年金で子の加算を申請する

障害者であるものの、子供をもつ人は多いです。障害年金によって定期的にお金を受け取るとき、18歳未満(障害児は20歳未満)の子供がいる場合には、必ず子の加算(子供加算)を申請しましょう。これにより、障害年金の額が大幅に増えます。

初診日が厚生年金の人に限らず、初診日が国民年金(学生、自営業、専業主婦など)の加入者であっても、障害年金1級・2級であれば子の加算を利用できます。たとえ別居状態でも、生計同一関係であれば問題ありません。

当然、後から子供を出産する場合についても子の加算は有効です。そこで必要書類を集め、子の加算を申請しましょう。このとき遡及請求するのであれば、通常よりも提出書類が多くなるケースがあります。

障害年金には夫婦の生活費(配偶者加算)だけでなく、子供の養育費(子の加算)も含まれています。そこで、子供がいる場合は通常の障害年金に加えて子の加算を活用しましょう。

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