重度の知的障害者は一人で生きていくことができません。そのため、どこかの段階で施設への入居を考えることになります。
このとき、重度の障害者向けの障害福祉サービスとして施設入所支援があります。知的障害者入所施設(障害者支援施設)へ入居することにより、複数の障害者で共同生活を送ることで暮らすようになるのです。これにより、親亡き後問題も解決できます。
ただ、入所施設は数が多いわけではありません。そのため空き状況を含めて、施設探しが難しくなります。
それでは、どのように考えて知的障害者は入所施設を活用すればいいのでしょうか。知的障害者入所施設(障害者支援施設)の活用法を解説していきます。
もくじ
重度の知的障害者で施設入所支援を利用できる
施設入所支援を利用するとき、重要になるのが障害支援区分です。障害福祉サービスを利用するとき、事前に障害支援区分を取得しなければいけないケースがあります。
区分には1~6まであり、数字が大きくなるほど障害の程度は重度です。
このとき、入所施設を利用するためには区分4以上でなければいけません。つまり知的障害者が施設入所支援を利用して障害者支援施設に入居するためには、重度の知的障害者でなければいけません。
なお、どの入所施設を利用するのかは選ぶことができます。施設入所支援を利用できる区分の場合、障害者支援施設を見学することで、どの施設が最適なのか確認しましょう。
何歳から可能?18歳から利用でき、費用の心配は不要
このとき、何歳から入所施設を利用できるかというと、18歳以上になります。障害福祉サービスは成人・大人の利用が基本になります。そのため、18歳以上の重度知的障害者で入所施設の利用を考えましょう。
なお、児童相談所が認めた場合は例外的に15歳以上で利用できる場合があります。ただあくまでも例外なので、18歳以上での利用になると考えましょう。
・利用料金は格安
実際に入所施設を利用するに当たり、気になるのは費用ですが、料金面での心配は不要です。重度の知的障害者であれば障害年金を利用でき、毎月の支出は障害年金の中で収まるからです。
まず、住民税の非課税世帯は障害福祉サービスの利用料金が無料です。また水道光熱費・食費には補助があり、医療費も障害者なのでほぼないです。そのため、働くことができないほど重度の知的障害者であっても、入所施設で生活するためのお金を心配する必要はありません。
障害者支援施設の空きは少ない
ただ障害者支援施設への入居を考えるとき、一番の問題は空き状況です。そもそも、施設の数自体が少ないため、施設の候補はわずかです。また、空きがなければ当然ながら入居できません。
障害者が暮らすための施設というのは、数はどうしても少なくなりがちです。そのため、特定の地域に住むことにこだわる場合、残念ながら入所施設の空きを見つけるのは困難になります。
そこで、知的障害者が入所施設(障害者支援施設)を探すときは他の自治体を含めて探しましょう。このとき、同じ都道府県ではなく別の都道府県まで含めて視野に入れるといいです。
実際のところ、重度の障害者が施設に入る場合、家族が会うにしても多くて年に数回です。人によっては、まったく会わないケースもあります。そのため、近くの施設にこだわるのではなく多少離れている施設であっても選択肢を広げるために視野に入れましょう。そうしなければ、空きはゼロになります。
障害者グループホームと合わせて確認する
このとき重要なのは、入所施設だけでなく障害者グループホーム(共同生活援助)への入居も選択肢に入れることです。
施設入所支援による入所施設と同様に、複数の障害者が集団生活を送る公的サービスが障害者グループホームです。障害者支援施設に比べると規模は小さく、障害者グループホームでは3~5人ほどの障害者たちがシェアハウス形式で一緒に暮らすことになります。
障害者グループホームについても、数が多いわけではありません。そのため空き状況は入所施設と同様に少ないのは同じです。
ただ施設の数としては、入所施設(障害者支援施設)よりも多いです。また区分1以上であれば利用できるため、重度の知的障害者ではなく、軽度の知的障害者であっても問題なく障害者グループホームを活用できます。
高齢者であっても障害者グループホームは新規入居可能
ちなみに入所施設については、65歳以上の人は介護保険が優先されるため、特別養護老人ホームなどの介護保険施設の利用が基本になります。そのため障害者用の入所施設について、65歳以上の新規入居を断っているケースはよくあります。
それまでに入所施設を利用している場合、たとえ65歳以上になっても施設を追い出されることはありません。ただ、新規の入居は厳しくなるというわけです。
一方で障害者グループホームであれば、知的障害者は65歳以上の高齢者・老人であっても問題なく新規で入居可能です。高齢者でも問題なく新規で利用できるのは、入所施設と障害者グループホームの違いになります。
老人の場合、老人施設を利用できるものの、特別養護老人ホームは空きがほぼないですし、有料老人ホームは利用料が高額です。それよりも、格安で利用できる障害者グループホームのほうが優れています。
知的障害者で重度なら障害者支援施設を利用できる
重度の知的障害者で利用できる障害福祉サービスが施設入所支援です。区分4以上の場合、入所施設への利用を考えても問題ありません。
ただ障害者支援施設は数が少なく、空きがなければいけません。そのためいま住んでいる地域だけでなく、他の都道府県まで含めて視野に入れると空きのある施設を探しやすくなります。
なお知的障害者が入居するための施設を探すとき、入所施設だけでなく、障害者グループホームも視野に入れましょう。障害者グループホームへの入居も考えることにより、選択肢が大幅に広がることで空き施設が多くなります。
若い人でも老人でも、知的障害者が施設への入居を考えるのは普通です。そこで、どのように施設を選べばいいのか理解しましょう。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
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