障害者になってしまったとき、障害年金の申請が可能です。多くの場合、日本に住んでいるときに病気や事故が発生します。ただ人によっては、海外在住時や旅行時に大きな病気・ケガを生じてしまうことがあります。

それでは海外で初診日となる場合、どのように考えて障害年金の申請をすればいいのでしょうか。

実際のところ、海外の病院で初診日の証明(受診状況等証明書の取得)をするのは非常に難易度が高いです。当然、海外の医師に診断書を書いてもらっても有効な内容ではないケースがほとんどです。そのため、他の方法によって障害年金を得ることを考えるのが一般的です。

海外で病気やケガをしてしまったとしても障害年金の受給は可能ですが、これには正しい方法があります。そこで、海外で原因傷病を発症した場合の対処法を解説していきます。

海外が初診日であっても障害年金は受給可能

すべての障害者について、障害年金を受給できる権利があります。これは海外で病気やけがを生じた場合であっても同様です。

海外在住者であれば、海外で病気や事故を生じる可能性が高いです。また海外旅行者についても、不注意でケガをしたり、何か病気を発症してしまったりすることがあります。こうして海外の病院を受診するのです。海外でも日本語対応の病院は多く、受診について困らないこともよくあります。

なお障害年金の受給では必ず初診日の証明が必要になります。対象の原因疾患について、初めて医療機関を受診した日が初診日です。初診日を証明しなければ、障害年金の受け取りはできません。このとき、初診日が海外の医療機関であっても問題ないというわけです。

海外移住者でも国民年金の任意加入が受給の条件

ただ実際のところ、海外在住者で障害年金の受給が可能かというと、受給資格を満たしていない人は多いです。駐在員であれば、海外在住であっても会社の厚生年金に加入しているので特に問題ありません。一方で問題になりやすいのは、学生や個人事業主などの海外転出です。

会社員でない人が住民票を抜き、日本の非居住者になる場合、国民年金への加入義務はありません。また、多くの人で国民年金保険料を支払わなくなります。この状態で海外での初診日があると、障害年金の基準に満たないことになります。

一方、海外在住者であっても国民年金への任意加入が可能です。国民年金の加入中に初診日がある場合、たとえ海外に住んでいたとしても、初診日を証明することによって障害年金の受給が可能になります。

障害年金の受給は国民年金(または厚生年金)への加入が必須です。海外在住者が障害年金への申請を考えるとき、こうした年金制度に加入して保険料を納付しているかどうかが重要になります。

海外病院で初診日証明は難易度が高い

それでは国民年金へ任意加入していれば問題ないかというと、実際はそうではありません。海外の病院で初診日証明を入手するのは非常に困難だからです。

初診日の証明では、病院へ依頼して受診状況等証明書を取得しなければいけません。以下の書類について、英訳した内容を準備したうえで書いてもらうのです。

ただ海外ではカルテが存在しないこともありますし、同じ医師が常に同じ病院に在籍していないのは普通です。また日本とは違い、海外では本来の業務とは異なる仕事を基本的に受け付けないため、たとえ初診日のときに対応した医師が在籍しており、カルテが残っていたとしても無視されるのは普通です。

少なくとも電話やメールではほぼ確実に無視されるため、実際に現地の病院へ出向き、多くの人にたらい回しにされながら、書類を書いてもらうために何日も通い続ける気力がないといけません。こうした現状があるため、実際のところ初診日の証明は不可能といえるほど難しくなります。

そのため実際には「保険会社が作成した事故に関する書類」「病院の診療録」などを利用して初診日の証明をする人は多いです。また、できるだけ早く初診日の担当医師をつかまえて、第三者証明を作成してもらうと優れます。

本来であれば病院が記す受診状況等証明書を入手するのが適切であるものの、現実には難易度が高いため、他の方法にて初診日の証明をする人は多いというわけです。

障害認定日の3か月前には日本にいるといい

ちなみに、海外にて診断書を入手するのはより困難と考えましょう。そのため障害年金の申請を考えているのであれば、障害認定日の3か月前には一時的でもいいので日本に帰るといいです。

初診日から1年6か月後の時点を障害認定日といいます。障害認定日から、障害年金への申請が可能になります。

このとき、障害認定日付近の症状を記した診断書を添付して障害年金へ申請することになります。ただ障害年金は日本の制度であり、日本の医師ですら障害年金用の診断書の書き方を理解していません。当然、海外の医師が適切な診断書を作成するのは英訳していたとしても不可能です。

そのため障害認定日の3か月前には日本に帰国して、日本の医療機関を継続して受診し、その内容をもとにして診断書作成&障害年金申請をするのが最適です。

なお、「留学の期間が決まっている」など障害認定日が近くなっても、継続して長く海外に住んでいなければいけない人もいます。この場合、事後重症請求をしましょう。障害認定日を利用せず、現在の状況のみを利用して障害年金へ請求する方法が事後重症請求です。

本来は「後になって症状が悪化した人」が事後重症請求を利用します。ただ海外在住者を含め、障害認定日付近の診断書の入手が困難な場合、敢えて事後重症請求をする人は多いです。日本に帰国後、日本の医療機関で診断書を作成してもらうことで障害年金を申請するのです。

急性期の大病でないなら、帰国後の初受診にするほうがいい

なお交通事故や急激に悪化する病気(脳卒中など)でないのであれば、海外ではなく、日本での医療機関受診を初診日にするのをおすすめします。本帰国ではなく、一時帰国中でもいいので、どこか日本の医療機関を受診するのです。

例えば「海外に住んでいるが、〇〇の調子が悪いので検査してほしい」などのように依頼しましょう。こうして日本の病院で悪い検査結果が出たり、何か異常が見つかったりしたのであれば、日本の病院にて初診日の証明が可能です。

もちろん以下のように、明らかに海外での事故が原因とわかる場合、日本の病院を初診日として利用することはできません。

  • 海外で交通事故に遭遇し、救急車で運ばれた
  • マラリアなどの感染症にかかり、後遺症が残った

ただそうでないのであれば、日本へ帰国した後に初めて病院を受診した日を初診日にする方が適切です。もちろん、初診日よりも前に国民年金へ加入している状態にしておく必要があります。

また前述の通り、障害認定日付近(または事後重症請求)の診断書を入手する場合、海外の医療機関ではなく日本の医療機関を利用しましょう。海外在住者であっても障害年金の受給は可能ですが、日本の医療機関が作成した診断書でなければ障害年金の受給は圧倒的に難易度が高くなります。

海外で事故・病気となった場合の障害年金の受給

日本で事故や病気となった場合、初めて受診した医療機関で初診日の証明をしてもらえばいいです。これについて、初診日が海外であっても初診日の証明ができれば、問題なく障害年金の申請が可能です。

ただ実際には、海外の医療機関で受診状況等証明書を取得するのは難易度が高く、他の方法を利用しなければいけないケースは多いです。そのため急性期のケガや病気でないのであれば、日本への本帰国または一時帰国のときに病院を受診して、初診日にしましょう。

また海外の医療機関でより難しいのが診断書の入手です。たとえ英訳された診断書であっても、意味のない内容に仕上げられるケースがほとんどです。そのため障害年金用の診断書についても、日本の医療機関で作成してもらうといいです。

海外で障害者となっても、障害年金へ申請できます。ただ海外の医療機関を利用して障害年金用の書類を集めるのは難しいため、どのようにすればいいのか事前に理解しましょう。

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