自閉症スペクトラム(ASD)の人は多く存在し、成人であれば障害者グループホームを利用して生活することができます。一人暮らしではなく、障害者施設を利用することで「規則正しい自立した生活」を送れるようになります。
障害者グループホームは格安で利用できるため、こうした施設を利用すれば、少なくとも生活できるかどうかを心配する必要がなくなります。また親にとってみると、親亡き後問題をすべて解決できます。
さらには仕事の問題も解決可能なため、障害の程度が軽度でも重度でも早めに障害者施設に入ると自立しやすくなります。
それでは、自閉症スペクトラム障害(ASD)の人が障害者グループホームを利用するにはどうすればいいのでしょうか。自閉症での障害者施設の利用や費用・料金について解説していきます。
もくじ
規則正しい生活が可能な障害者施設
知的障害者や精神障害者、身体障害者、難病患者で障害者グループホームを利用する人は非常に多いです。これは、障害者グループホームを利用すれば格安で住むことができ、さらには介護職員がすべての世話をしてくれるからです。
発達障害の一つである自閉症は軽度や重度の幅が広く、人によって症状は大きく異なります。ただ、たとえ軽度であってもいきなり一人暮らしをするのは大変ですし、重度であれば手助けなしで生きていくことはできません。
そのため障害者グループホーム(共同生活援助)や入所施設(障害者支援施設)などの障害者施設を利用すれば、同じ障害者同士の共同生活が可能です。介護職員が家事や生活指導も兼ねるため、規則正しい生活ができるのです。
もちろん、障害者グループホームでのイベントなどについてもスタッフが支援してくれます。
こうしたレクリエーションを含め、起床や食事、消灯の時間が決まっており規則正しい生活を行えるものの、基本的に外出は自由なので、自分の思い通りの生活が可能です。
成人・大人は障害者施設の費用・料金が格安
介護職員が生活に必要なすべての管理をしてくれるとはいっても、料金を心配しなくてもいいです。自閉症スペクトラム障害の人が障害者グループホームを利用するのは格安です。こうした自閉症の人が障害者グループホームや入所施設(障害者支援施設)に住む場合、ほとんどのケースで低所得者です。
この場合、以下のように障害福祉サービスは無料です。
たとえ親が高年収であっても、成人・大人である障害者がグループホームに住む場合、別の世帯になるので障害福祉サービスは0円です。
また国や自治体からの家賃補助があるため、障害者グループホームの実質的な家賃は無料または月1万円台です。そのため必要な費用は食費や水道光熱費、日用品代などの最低限であり、月6万円ほどで住めます。
そのため障害者グループホームや入所施設を利用すると、実家暮らしよりも生活費が安くなるのは普通です。障害者施設では収入ゼロの人も多いため、こうした人でも利用できる仕組みになっているのです。
一人暮らしの賃貸ではなく障害者グループホームは適切
なお費用面だけでなく、親にとって自閉症の子供を早めに障害者施設に入れるのは大きな意味があります。障害者グループホームを利用すれば、親亡き後問題を含めてすべて解決できるからです。
いつかは親が先に亡くなるため、自閉症の人は一人で生きていくことになります。このとき軽度であり、一般企業で働けるなら問題ありませんが、そうでない場合、一人暮らしは実質的に不可能に近いです。
そこで、自閉症などの発達障害を含めて障害者が施設で暮らすわけですが、障害者施設であればずっと住み続けることができます。さらには前述の通り、利用料金は格安なので障害年金だけでも生活できます。
実際には、ここに作業所などでの労働賃金も加わるので十分なほどのお金を得ることができます。そのため、施設での生活に慣れるために早めに障害者グループホームを利用するのです。実際、10代や20代と非常に若い人もたくさん障害者グループホームを利用しているのが実情です。
たとえ軽度であっても、いきなり一人暮らしは厳しいため、最初は障害者グループホームを利用するのが基本です。障害者施設を利用して完全なる単独生活をできるようになれば、そのときに独り立ちすればいいです。
障害者グループホームは費用が安く、親の介護負担を軽減できるだけでなく、自閉症スペクトラム障害をもつ人の将来的な不安の解消にもつながるのです。
何歳から利用可能?18歳以上で利用可能
ただ障害者グループホーム(共同生活援助)や入所施設(障害者支援施設)を利用するには年齢制限があります。
何歳から利用できるかというと、18歳以上です。自治体が認めれば例外的に15歳以上でも可能になるものの、通常は18歳以上と考えましょう。そのため自閉症児(子供)は利用が無理であり、児童は他の施設を利用しなければいけません。
いずれにしても、成人・大人になった段階で障害者グループホームを利用できます。
またいつまでに利用すればいいかというと、特に制限はありません。知的障害者や精神障害者は65歳以上であっても障害者グループホームを利用できます。つまり、自閉症・ASDに年齢上限はありません。
※身体障害者は65歳以上で障害者グループホームを新規に利用できなくなります。ただ65歳に達するまでに、ホームヘルプや障害者グループホームなどの障害福祉サービスを利用していた場合、65歳以上の身体障害者であっても障害者グループホームに新たに入居できます。
知的障害や精神障害で障害者手帳を手に入れる
そこで障害者グループホーム(共同生活援助)や入所施設(障害者支援施設)へ入居するため、障害者手帳を入手しましょう。障害者手帳には以下があります。
- 身体障害者手帳
- 療育手帳
- 精神障害者保健福祉手帳
自閉症スペクトラム障害の場合、療育手帳(知的障害者に発行される)または精神障害者保健福祉手帳(精神障害者に発行される)のどちらかの発行がほとんどです。
知的障害がある場合、療育手帳となります。また知的障害がないものの、発達障害がある場合は精神障害者保健福祉手帳を発行できます。精神障害者保健福祉手帳の場合、初診日より6か月以上が経過しないと入手できません。
自閉症は先天性であり、生まれつきなので多くのケースで既に発行していると思いますが、まだの場合は早めに申請しましょう。どの障害者グループホームも入居時に障害者手帳の提示を求めるからです。
区分認定と障害福祉サービス受給者証の交付を受ける
なお厳密には、障害者手帳は障害者グループホームの入居に必須ではありません。一方、障害支援区分は必ず認定を受けましょう。区分は1~6まであり、数字が大きいほど重度になります。
当然、知的障害者や精神障害者は区分認定を受けることができるため、自閉症の人は役所で申請しましょう。
また区分認定に加えて、サービス利用の決定を受ける必要があります。そこで、以下のような障害福祉サービス受給者証を受け取りましょう。
役所で障害福祉サービス受給者証を受け取り、「共同生活援助(グループホーム)」と記されれば、障害者グループホームを利用できます。あとは、最適な障害者グループホームを探すだけとなります。
軽度・重度や知的障害の程度によって施設を選ぶ
なお自閉症は人によって症状が大きく異なり、障害の程度に応じて施設を使い分けましょう。例えば軽度の発達障害であり、将来は完全なる一人暮らしを考えている場合、浴室やトイレがそれぞれの部屋に存在するワンルーム形式の障害者グループホームを選ぶのは優れています。
アパート・マンション型の障害者グループホームの中には、ワンルームに障害者が住めるタイプがあります。この場合、以下のようになります。
なお一般的には、障害者グループホームはシェアハウス形式です。特に重度の自閉症や知的障害を併発しており、将来の一人暮らしが現実的でないのであれば、シェアハウス形式のグループホームが最適です。
シェアハウス形式であれば、一つの家に複数人が暮らします。介護職員はすぐに利用者の確認をすることができ、このほうが密な介護や生活指導が可能になります。
障害者グループホームによって施設の形式は異なります。これらの事実を認識して、最適な障害者施設を探しましょう。
自閉症スペクトラム障害(ASD)で障害者施設に住む
発達障害者が障害者グループホームを利用するのは普通であり、自閉症の人で障害者施設を活用するのは一般的です。障害の程度が軽度でも重度でも利用可能です。
こうした障害者施設は格安で利用でき、実家暮らしよりも支出が少なくなるのは普通です。また親による介護もなくなり、若い障害者であっても多くの人が利用しているのが現状です。さらには、障害者施設の利用によって親亡き後問題も一瞬で解決できます。
自閉症児は利用できず、あくまでも18歳以上での利用になります。ただ成人・大人なのであれば、障害者手帳や区分認定、障害福祉サービス受給者証を利用することで障害者施設に住めます。
収入ゼロの人であっても問題なく生活でき、暮らしを保障されるのが障害者施設です。料金は格安であるため、あとは障害の重さや知的障害の程度によって入居する施設を見極めましょう。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
障害者グループホームは一般的に「空きが少ない」といわれています。ただ、それは「担当者が知っている範囲で空きがない」というだけであり、実際には多くの空きがあります。近隣の自治体まで含めれば、すぐに入居可能な障害者グループホームはいくつも存在します。
ただ障害者グループホームによって居住に関するルールは大きく異なり、利用者(障害者)にとって最適な施設を選ばなければいけません。
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