障害者グループホーム(共同生活援助)の運営では、どうしても研修が多くなります。国からの報酬で運営が成り立っているため、介護スタッフは義務となる必須研修を受けなければいけません。
社内研修を実施しないと減算の対象になるケースもあります。そのため研修を実施した場合、記録を残さなければいけません。
また義務ではないものの、能力向上や資格取得を目指して外部研修を受けることもあります。こうした研修によって加算を得るために必要な要件を満たしたり、サービス管理責任者になるために必要な要件を満たしたりします。
それでは、共同生活援助で行われる社内研修や外部研修にはどのような研修内容になるのでしょうか。障害者グループホームでの研修について解説していきます。
もくじ
共同生活援助で研修は多い
一般的には、企業経営で研修を実施している中小企業は少ないです。大企業であれば、新入社員に対して最初に研修を行うことはあるかもしれませんが、中小企業では実際に働きながら仕事を覚えていくのがメインになります。
ただ障害者グループホームに限らず、障害福祉サービスでは必然的に研修が多くなります。これは、社内研修や外部研修を含めて定期的な研修をすることになります。
どうしても研修が多くなるため、義務となる必須研修を把握し、研修計画を立てなければいけません。必要な研修を実施していない場合、減算になるのも普通です。共同生活援助は利益率が高くないため、減算によって赤字に陥ることもよくあります。
障害者グループホームで研修計画を立て、必要な研修を実施するのは、利益を確保して適切な経営をするという意味でも重要です。
義務となる必須研修を実施する
そうしたとき、義務となる必須研修には何があるのでしょうか。障害者グループホームでは、各種委員会の設置や活動記録、業務継続計画(BCP)の策定などが定められています。そこで、以下の研修が義務となっています。
- 虐待対策研修
- 身体拘束等適正化研修
- 感染対策研修
- 業務継続計画(BCP)研修
委員会設置と共に、これらの研修を行わないといけません。また虐待防止や身体拘束については、研修をしないと虐待防止措置未実施減算や身体拘束廃止未実施減算などが適用され、売上が減ってしまいます。
また減算にならなかったとしても、義務付けられている研修は定期的に実施しましょう。また、実地指導で難癖をつけられないようにするため、必ず研修の記録を残しておくといいです。
人数が多くなれば、社内研修の充実が重要
なお2~3棟ほどの小規模グループホームであれば、研修計画を立てるとはいっても、法定研修をメインに着目すればいいです。ただ棟数が増え、職員の人数が多くなってきたのであれば、社内研修を充実させてもいいです。
共同生活援助の研修で最も重要なのは、恐らくコーチングです。要は心理学を含め、「どのような言葉をかければ人が動きやすくなるのか」「質問や傾聴をどのように行うべきか」を学ぶのです。
実際のところ、障害者グループホームで最も重要な仕事内容の一つに「利用者の話し相手」があります。また、障害者はなかなか言葉の理解が難しいものの、そうした人に対してどのように接するのか学んで実践するのは重要です。
組織が大きくなると、経営者による目が行き届きにくくなります。そこで必要な研修を取り入れ、利用者(障害者)に対するサービスの質を高めるようにするのです。
資格取得のため、外部研修に参加する
また内部研修に限らず、外部研修についても積極的に行われるのが一般的です。外部研修については、主に資格取得のために行われます。
世話人や生活支援員として働く場合、資格は不要です。ただ、基本的には研修を受けることで知識やスキルをアップデートしていきます。また、サービス管理責任者を目指す場合は研修を受けることで、受講していかなければいけません。
資格の種類は幅広く、障害者グループホーム運営での加算に影響を与えるケースもよくあります。また外部研修であるため、当然ながら受講費用が発生することも多いです。
そこで正社員やパート従業員を含めて、誰がどの資格を取得を目指すのかについて、経営者は研修計画を立てる必要があります。
研修を受けている間は世話人などの業務を行えないですし、すべての介護スタッフが外部研修を受けるのも意味がありません。そこで、どの従業員が外部研修を受け、どの種類の資格取得を目指すのか考えましょう。
重要なサービス管理責任者の新規育成
なお障害者グループホームで重要になるのがサービス管理責任者の新規育成です。共同生活援助を立ち上げる場合、経営者がサービス管理責任者の資格保有者であるケースを除き、サービス管理責任者を採用することで開業するのが一般的です。
ただ実際に障害者グループホームをスタートさせた後、棟数を増やすことで規模拡大させるのが一般的です。そうしたとき、サービス管理責任者を外部からの採用ばかりに頼っていると、なかなか事業が発展しにくいです。
もちろんサービス管理責任者の資格取得には何年もの時間がかかります。ただ、外部研修の制度を充実させることで社内から何人ものサービス管理責任者を育成すれば、棟数拡大が飛躍的に簡単になります。
虐待防止や身体拘束、感染症などの社内研修とは異なり、資格取得のための外部研修は義務ではありません。ただ、外部研修によって資格取得を促すのは重要であるため、必要な社員については積極的に外部研修を受けるようにしましょう。
研修によって要件を満たし、資格を取得する
一般的なビジネスの中でも、非常に多くの研修をしないといけないのが障害者グループホーム(共同生活援助)です。
このとき、内部研修は主に法定研修のために行います。研修内容としては虐待防止や身体拘束、感染症などがあり、これらの必須研修は義務となっています。また内部研修の記録を残すことにより、減産を防ぐことにもつながります。
また資格取得のため、外部研修へ参加するのも一般的です。一般的な資格を取得するだけでなく、資格を得ることで加算を得たり、サービス管理責任者となったり、共同生活援助の運営で重要な資格もたくさん存在します。
研修が多いからこそ、障害者グループホームの運営では必要な研修内容を把握し、研修計画を立てなければいけません。そこで、従業員に対して研修を実施しましょう。