短期入所(ショートステイ)を利用する人としては、大人だけでなく子供も多いです。こうした障害児の中には、常に医療を必要とする医療的ケア児がいます。
医療を必要としない障害児よりも、当然ながら医療的ケア児の面倒はより大変です。そこで親の休息(レスパイト)や必要な用事に対応するため、短期入所を利用します。医療が必要な幼児・児童を一時的に預かってくれる障害福祉サービスとしてショートステイを活用するのです。
医療的ケア児の場合、短期入所では医療型短期入所を利用します。ただ福祉型短期入所であっても、看護師がいる場合は問題なく利用できます。
それでは、常に医療が必要な障害児はどのようにショートステイを利用すればいいのでしょうか。医療的ケア児の短期入所利用について解説していきます。
もくじ
医療的ケア児の児童・障害児を一時的に預ける
障害児を育てるのは非常に大変です。そうしたとき、子供の面倒は親が見るのが基本とはいっても、常に医療的ケア児の世話をするのは現実的ではありません。
- 冠婚葬祭で時間が必要
- 用事で遠出をする必要がある
- 病気で入院する予定であり、その間の介護ができない
- 休息(レスパイト)を取りたい
こうしたとき、障害者向けの公的サービスとして短期入所を利用できます。ショートステイは大人の障害者だけでなく、障害児であっても利用できます。
医療型短期入所で0歳児でも対応可能
ただ医療的ケア児の場合、どの施設であっても受け入れてくれるわけではありません。医療が必要ないのであれば特に問題ないものの、人工呼吸器やたん吸引などが必要となる場合、医療体制が整っている施設でなければショートステイできません。
そうしたとき、医療型短期入所を考えましょう。病院などが実施しているショートステイが医療型短期入所です。
病院に預けるため、あらゆる医療に対応できます。そのため、どのような難病をもっていたとしても医療型短期入所では受け入れてくれると考えましょう。
なお通常、ショートステイでは3歳以上など、ある程度の年齢に達しなければ受け入れてくれません。ただ医療型短期入所を利用して医療的ケア児を預ける場合、0歳児であっても受け入れてくれることがあります。
なお病院などに預けるとはいっても、障害福祉サービスを利用して医療的ケア児を預けることになります。そのため医療型短期入所を利用するには、事前に市区町村の役所へ相談し、障害福祉サービス受給者証を受け取っておく必要があります。
障害福祉サービス受給者証を得るためには、1~2か月の時間が必要です。ある程度の時間が必要になるため、ショートステイを利用する可能性がある場合、早めに役所で申請することで受給者証を入手しましょう。
福祉型短期入所でも看護師常駐で利用可能
それでは、医療が必要な幼児・児童は医療型短期入所でしか対応できないのかというと、そういうわけではありません。福祉型短期入所であっても、受け入れ可能なケースがあります。
医療が必要ない一般的な障害児で多く利用されるショートステイが福祉型短期入所です。短期入所というのは、一般的には福祉型短期入所を指します。
多くの場合、福祉型短期入所では医療的ケアに対応していません。ただ場合によっては、看護師が常駐していたり、訪問看護ステーションと提携していたりする福祉型短期入所があります。
障害者施設では、難病患者が在籍していることもあります。これは、施設内に看護師がいるため医療的ケアに対応できるのです。そのため、こうした看護師と連携している障害者施設であれば、病院でなくても医療的ケア児のショートステイが可能になります。
・多くは3歳以上から利用可能
なお、たとえ看護師が在籍している障害者施設であり、障害児を受け入れているとしても、3歳以上からの利用になります。
0歳児を含めて、幼児に対するケアは高度な医療知識を必要とします。そのため福祉型短期入所では対応できず、どうしても3歳以上からのショートステイとなります。
利用料金は格安となる
なお医療的ケア児を預ける場合、当然ながらその分だけサービス料は高くなります。ただ、料金が高額になりすぎる心配をする必要はありません。障害福祉サービスでの利用になるため、サービス料は1割負担で済みます。
さらには、毎月の負担上限額があります。障害児の場合、以下のようになっています。
状態 | 負担上限額 |
生活保護 | 0円 |
住民税の非課税世帯 | 0円 |
世帯年収890万円以下 | 4,600円 |
世帯年収890万円超 | 37,200円 |
障害のある子供を育てている場合、放課後等デイサービスなどのその他の公的サービスを利用している人が多いです。その場合、短期入所だけでなく、その他の公的サービスのサービス料を合算して負担上限額を超えないように補助されます。
例えば月の負担上限額が4,600円の場合、放課後等デイサービスなどの利用によって既にサービス料金が上限額4,600円に達している場合、新たにショートステイを利用してもサービス料の追加負担は不要です。補助によってお金が出されるからです。
なおサービス料は格安であるものの、短期入所を利用するときは食費や水道光熱費などが必要になり、これらの費用は実費です。サービス料をそこまで心配する必要はないものの、ショートステイによってその他の費用が必要になることは理解しましょう。
空きは少なく、早めの予約が必要
なお障害児向けのショートステイを提供する施設は数が少なく、どうしても空きを探すのは難しくなります。これが医療的ケア児となると、さらに受け入れ可能な施設は少なくなり、競争は激しくなります。
そこで医療が必要な幼児・児童について、短期入所を希望する場合はできるだけ早めに予約を入れましょう。施設によって異なりますが、一般的には1~2か月前には予約を入れるのが適切です。
もちろん場合によっては、直前になって急に短期入所を利用したいと考えるケースもあります。こうした場合は仕方がないものの、できる限り予定がわかった段階で早めに予約を入れましょう。
また前述の通り、短期入所の利用では障害福祉サービス受給者証の入手が必要です。障害福祉サービス受給者証の発行には1~2か月ほどの時間が必要です。そのため、早めに役所に出向いて受給者証を手に入れておく必要があります。受給者証がないと、ショートステイを提供する施設との契約ができません。
複数の短期入所施設と事前に契約するべき
なお実際にショートステイを利用するとき、事前に見学することで契約しておく必要があります。契約なしに短期入所施設へ電話しても断られるため、事前の見学は必須です。
このとき、おすすめは複数の短期入所先と契約しておく方法です。医療的ケア児で短期入所できる施設は少なく、すぐに予約でいっぱいになりがちです。そのため一つの施設だけと契約している場合、空きがある可能性は非常に少ないです。
一方で2~3以上の複数施設と事前に契約しておけば、それらの施設のうち、どれか一つでも空きがあればショートステイを利用できます。要は、短期入所を利用できる可能性が高くなります。
障害福祉サービスを利用するとき、事前に複数施設と契約しておくのは何も問題ありません。そこで医療が必要な子供を預けるため、障害児に対応している施設といくつも契約しておきましょう。
障害児で医療が必要な場合にショートステイを行う
障害をもつ子供の中でも、特に大変になりやすいのが医療的ケア児です。こうした幼児・児童についてショートステイを利用できるものの、医療が必要であるため受け入れ施設は限られます。
そこで医療的ケア児については、医療型短期入所を検討しましょう。この場合、病院などで医療が必要な障害児を預かってくれます。または、障害者施設によっては看護師が常駐しています。この場合、福祉型短期入所であっても医療が必要な児童を預けることができます。
ただ医療的ケア児に対応可能な施設は少なく、それに伴って空きもほとんどありません。そのため早めに予約を行い、複数施設と事前に契約しておくなど対策をしましょう。
医療的ケア児を育てているとき、事前に考えるべきポイントが多くなります。短期入所を利用する場合、こうした点に注意して医療的ケア児を預けるようにしましょう。
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