難病の一つにパーキンソン病があります。パーキンソン病の発症により、体が自由に動かなくなることで日常生活が不自由になります。

こうした難病患者について、身体障害者手帳や障害年金を利用できます。障害者手帳も障害年金もメリットばかりであり、利用することによってさまざまな特典を得ることができたり、定期的にお金を得ることができたりします。

それではパーキンソン病について、身体障害者手帳や障害年金の認定基準はどのようになっているのでしょうか。年齢に関係なく利用できるのでしょうか。

難病患者は障害者であるため、申請することによって日常生活での支出を減らせたり、助成を得られたりします。そこで、パーキンソン病で障害者手帳や障害年金へ申請するときの基準や考え方を解説していきます。

パーキンソン病で障害者手帳・障害年金に申し込む

難病を発症した人は障害者となります。こうした難病の一つがパーキンソン病であり、体の動きが悪くなります。

身体障害者の認定基準として肢体不自由があります。つまり、思うように体を動かせない人は身体障害者手帳や障害年金の対象になるのです。

もちろん人によって重度は異なりますし、時間経過と共に症状も変化します。また、障害者となるには明らかに日常生活が困難な状況に陥っている必要があります。

65歳以上や80歳以上は可能?障害年金は年齢制限あり

なおこのとき、年齢制限について心配する人は多いです。パーキンソン病は高齢で発症する人が多く、年齢についてどのような制限になっているのか理解するのは重要です。

身体障害者手帳については、特に年齢制限がありません。65歳以上は当然として、80歳以上など何歳になっても障害者なのであれば身体障害者手帳への申請が可能です。

一方で障害年金については年齢制限があります。具体的には、初診日(パーキンソン病で初めて医療機関を受診した日)が65歳未満である必要があります。もし初診日が65歳以上の場合、障害年金を利用できません。

障害年金というのは、老齢年金を利用していない若い人向けの制度です。そのため、高齢者になってパーキンソン病を発症した場合は対象外となります。

障害者手帳・障害年金でメリットは大きいがデメリットはない

なお、障害者手帳や障害年金を利用することによるメリットは大きいです。例えば障害者手帳であれば、以下の特典を得られます。

  • 税金(所得税・住民税・自動車税)や公共料金(水道代)の減額
  • 電車、新幹線、バス、タクシー、飛行機の減額
  • 高速道路・ETC料金が半額
  • 映画館や水族館、美術館、テーマパークの割引
  • 医療費の助成
  • 障害者手帳で手当を受け取る
  • ガソリン代やおむつ代の補助
  • 福祉用具・補装具の補助
  • 住宅改修・リフォーム費用の助成
  • 障害者雇用の利用
  • 失業保険の拡充

身体障害者手帳の等級によって利用できる公的サービスや特典は異なるものの、すべての人について障害者手帳は非常に優れます。なお障害者手帳の等級が低く、医療証を利用できなくても、パーキンソン病では難病患者用の医療証を利用できます。そのため、医療費についてはパーキンソン病だと低めになります。

また障害年金についても、定期的にお金を得ることができます。当然、働けない人や労働困難な人にとってお金を振り込んでもらえるのはメリットです。

一方でデメリットは特にありません。障害者手帳や障害年金を利用していることを他人にいわなければ、バレることはありません。そのためパーキンソン病でそれなりに症状が重い場合、積極的に障害者手帳と障害年金に挑戦すればいいです。

身体障害者手帳でのパーキンソン病の認定基準

それでは、パーキンソン病で身体障害者手帳の認定基準はどのようになっているのでしょうか。身体障害者手帳について、パーキンソン病は肢体不自由に該当します。上半身と下半身で分かれていますが、上肢は以下のようになっています。

  • 上肢(肩から先の部分)の四肢不自由
1級
両腕の機能がまったくない
2級
両腕・両手の著しい機能障害
片腕の機能がまったくない
3級
両手の親指と人差し指がまったく機能しない
片腕の著しい機能障害
片手のすべての指がまったく機能しない
4級
両手の親指がまったく機能しない
片腕の肩・ひじ・手のうち、どれか一関節機能がまったくない
片手の親指と人差し指がまったく機能しない
親指または人差し指を含めて、片手の3指がまったく機能しない
親指または人差し指を含めて、片手の4指の著しい機能障害
5級
両手の親指の著しい機能障害
片腕の肩・ひじ・手のうち、どれか一関節の著しい機能障害
片手の親指がまったく機能しない
片手の親指と人差し指の著しい機能障害
親指または人差し指を含めて、片手の3指の著しい機能障害
6級
片手の親指の著しい機能障害
人差し指を含めて、片手の2指がまったく機能しない
7級片腕の軽度の機能障害
片腕の肩・ひじ・手のうち、どれか一関節の軽度の機能障害
片手指の軽度の障害
人差し指を含めて、片手の2指の著しい機能障害
片手の中指・薬指・小指がまったく機能しない

身体障害者手帳は1~6級となります。なお7級については、2つ以上に該当する場合、身体障害者手帳6級が発行されます。

また、パーキンソン病は下半身にも症状が表れます。パーキンソン病で歩行障害は普通ですが、以下が下肢の認定基準になります。

  • 下肢(股関節以降の足)の四肢不自由
1級両足の機能がまったくない
2級両足の著しい機能障害
3級片足の機能がまったくない
4級両足のすべての指がまったく機能しない
片足の著しい機能障害
片足の股関節または膝関節の機能がまったくない
5級片足の股関節または膝関節の著しい機能障害
片足の足関節の機能がまったくない
6級片足の足関節の著しい機能障害
7級両足すべての指の著しい機能障害
片足の軽度の機能障害
片足の股関節、膝関節、足関節のうち、いずれか一関節の軽度の機能障害

7級については、上肢と同様に2つ以上に該当する場合に6級となります。

なお、身体障害者手帳の発行では「上肢と下肢の両方に障害がある場合、考慮される」ようになります。パーキンソン病は上半身と下半身の両方で症状が表れるのは普通であるため、全身の障害を考慮して等級が決定されます。

パーキンソン病で障害年金を得る

一方で障害年金については、どのように考えればいいのでしょうか。障害者手帳と障害年金はまったく別の制度です。例えば身体障害者手帳の等級は1~6級であるものの、障害年金は1~3級です。

パーキンソン病は肢体不自由に該当するため、障害年金では肢体不自由や体幹機能の障害を確認しましょう。障害年金で肢体不自由や体幹機能の障害は以下の認定基準になります。

等級状態
1級片方の上肢と片方の下肢がまったく機能しない
両上肢と両下肢の四肢機能に相当程度の障害を残す
座れない・立ち上がれないほどの障害
2級片方の上肢と片方の下肢に相当程度の障害を残す
両上肢と両下肢の四肢に機能障害を残す
歩くことができないほどの障害
3級片方の上肢と片方の下肢に機能障害を残す
脊柱の機能に著しい障害がある

より重要なのは、日常生活での動作です。肢体不自由に関する障害年金の診断書では、日常生活動作に関する項目があります。以下は実際の内容です。

【手指の機能】

  • つまむ:新聞紙を引き抜けない
  • 握る:丸めた週刊誌を引き抜けない
  • タオルを絞る:水をきれる程度
  • ひもを結ぶ

【上肢の機能】

  • さじで食事をする
  • 顔を洗う:顔に手のひらをつける
  • 用便の処置をする:ズボンの前のところに手をやる
  • 用便の処置をする:尻のところに手をやる
  • 上衣の着脱:かぶりシャツを着て脱ぐ
  • 上衣の着脱:ワイシャツを着てボタンをとめる

【下肢の機能】

  • 片足で立つ
  • 歩く(屋内)
  • 歩く(屋外)
  • 立ち上がる
  • 階段を上る
  • 階段を下りる

これらの項目について、どれだけ自ら可能であり、不自由があるのか記されることになります。こうした日常動作は障害年金の等級決定で重要な要素になります。

そのためパーキンソン病で医師に診断書の作成を依頼する場合、作成を丸投げすると高確率でダメな診断書が作成され、障害年金の審査に落ちやすくなります。障害年金の審査に通過する診断書を作成する必要があるため、専門の社労士へ依頼して、事前にメモを用意して医師に渡すなどの準備が必要になります。

パーキンソン病で障害者手帳と障害年金を活用する

パーキンソン病患者について、体の動きが悪くなります。こうした肢体不自由の人は身体障害者手帳の対象になります。年齢制限なしに障害者手帳を取得でき、さまざまな障害者割引を利用できるようになります。

また初診日が65歳未満の場合、障害年金の受給対象になります。日常生活での動作が不自由になっている場合、医師の診断書にその内容を反映してもらい、障害年金を受給できるようにするといいです。

身体障害者手帳と障害年金は別の制度なので、同じ症状であっても異なる等級になるのは普通です。また、両方ともメリットばかりでデメリットが基本的にないため、認定基準に当てはまる場合は積極的に障害者手帳と障害年金を活用しましょう。

パーキンソン病で日常生活や就労が困難になっている場合、公的サービスの利用は重要です。そこで、パーキンソン病の症状が重くなっている人は障害者向けの制度を積極的に利用するといいです。

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