障害者手帳を利用することによって、車に関する支出を抑えることができます。こうした障害者手帳による特典には、ガソリン代への補助金があります。自治体からガソリン代を助成してもらうことができるのです。
比較的、重度の障害者が対象になりますが、ガソリン代の負担が軽減されるのは優れています。また障害者本人だけでなく、障害者と家で一緒に住んでいる家族であっても適用できます。そのため、障害者本人が車を運転できなくても問題ありません。
ただ助成額や対象者は自治体によって異なります。そのため細かい内容については、自治体に問い合わせなければいけません。
それでは、どのように給油代の障害者割引を利用すればいいのでしょうか。燃料代に対する障害者手帳の活用法を解説していきます。
もくじ
障害者自動車燃料券による障害者割引
どのようにガソリン代が安くなるかというと、ガソリン券(自動車燃料券)が配布されます。以下のような券になります。
※出典:仙台市
障害者割引によってガソリン代を抑えるとき、給油のときに自動車燃料券を提示しましょう。これにより、給油代の値引きが可能になります。
障害者手帳を保有している場合、自治体からガソリン券が発行されます。こうして、自動車運転をするときの費用負担が軽減されるのです。なお自治体によっては現金支給の場合もあり、補助の方法は異なります。
ちなみに福祉タクシー券を利用している人の場合、ガソリンの障害者割引を利用できないケースが多いです。障害者の車移動で両方が必要になることはないからです。
重度の障害者について、対象・基準の中身
それでは、どのような障害者が対象になるのでしょうか。これについては、障害者手帳の等級が重要になります。自治体によって判断基準は異なりますが、通常は以下のような人が対象になります。
- 身体障害者手帳:1~3級
- 療育手帳:A(IQ35以下)
- 精神障害者保健福祉手帳:1級
このように、わりと重度の障害者で利用できる制度になっています。
ただ自治体によっては身体障害者手帳1~4級や精神障害者保健福祉手帳1~2級で問題ないなど、軽度・中度の障害者であってもガソリン券を配布してくれるケースがあります。あなたが住んでいる地域によって障害者割引の制度が異なるのです。
家族も問題ないケースは多い
なお、特に重度の障害者では自分で運転できないことが多いです。そうなると、たとえ重度の障害者であっても、ガソリン代の補助は意味がないように思えてしまいます。
ただガソリン代の障害者割引については、家族も利用できます。利用条件は以下になります。
- 対象の障害者と同居している家族(または近くに住む家族)
通学や通院など、障害者が自らの力で目的地へ行くのは難しいです。そこで家族が車を運転するわけですが、こうした実態を考慮するため、「障害者と一緒に住んでいる家族については本人が運転しなくてもガソリン券を利用できる」というわけです。
所得制限の存在:本人または扶養義務者の収入が重要
ただ自治体によっては所得制限があります。所得制限に引っかかる場合、ガソリン券を利用できません。
ガソリン代補助の所得制限について、障害者が20歳以上の場合は本人の年収(課税所得)が基準になります。多くの場合、障害者は低収入なので所得制限があっても関係なく、ほとんどの人でガソリン代補助を利用できます。
一方で20歳未満の障害者については、扶養義務者(主に親)の年収が対象になります。そのため障害者の年齢が低い場合、所得制限に引っかかる可能性があるのです。以下のような所得制限になります。
扶養人数 | 所得制限の額 |
0人 | 所得額:3,604,000円 (年収:5,180,000円) |
1人 | 所得額:3,984,000円 (年収:5,656,000円) |
2人 | 所得額:4,364,000円 (年収:6,132,000円) |
3人 | 所得額:4,744,000円 (年収:6,604,000円) |
4人以降 | 1人増えるごとに380,000円加算 |
所得制限の額は低く、夫婦の両方が働いていたら簡単に所得制限に引っかかります。いずれにしても、障害児を育てる家庭では扶養義務者の収入が重要となります。
自動車燃料費の助成額:自治体ごとの違い
それでは、自動車燃料費(ガソリン代)の助成額はどのようになっているのでしょうか。これについては、自治体によって変わります。例を出すと、以下のようになっています。
- 神戸市:年1万2000円
- 横浜市:年2万4000円
- 東京都練馬区:年3万円
- 仙台市:年3万円
このように比較すると、ガソリン代の障害者割引に対する助成額が自治体ごとに大きく異なるとわかります。
障害者一人につき、車一台を登録可能
なお中には、複数の車を保有している家族が存在します。この場合、どのようにガソリン代の障害者割引を考えればいいのでしょうか。
障害者割引について、複数の車を登録できるわけではありません。障害者一人につき、車一台の登録が可能です。これについては、以下のように記されています(横浜市の場合)。
どの自治体についても、通常はこうした認識となります。そのため複数台の車を保有しても意味はなく、あくまでも障害者の人数で補助の内容が決まります。
役所で手続きを行う
なお障害者手帳を利用して給油代の助成をしてもらうためには、役所で申請しなければいけません。そこで、以下の必要書類を持って役所へ出向きましょう。
- 車検証(場合によっては自動車検査証記録事項)
- 障害者手帳
こうして、手続きを行うことで補助を得られるようにしましょう。
なおすべてのガソリンスタンドで助成を得られるとは限りません。「自治体と契約しているガソリンスタンドのみ利用できる」というケースはよくあります。そこで、どのように利用すればいいのか役所で確認するといいです。
給油代の障害者割引を利用する
車を保有している人であれば、多くの人が給油代を支払います。障害者であれば、障害者手帳を保有することでガソリン代の割引があります。
自治体によってガソリン券なのか現金給付なのかは異なりますが、いずれにしても給油代の障害者割引を利用できます。また障害者本人だけでなく、障害者と一緒に住んでいる家族についても給油代の補助を受けることができます。
ただ「障害者一人につき、車一台を登録できる」「助成額や対象者は自治体ごとに異なる」など、注意点があります。
そうはいっても、障害者手帳を保有しているのであればガソリン代の補助によって家計は助かります。そこで車を保有している人は積極的にガソリン代の障害者割引を利用しましょう。
家賃のほとんどが自治体から助成され、食費や水道光熱費など、必要最低限の出費で住めるシェアハウス形式の施設が障害者グループホームです。介護スタッフが常駐しているため家族の負担はゼロになり、親亡き後問題も解決できる施設となります。
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